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「電子雑誌」の現状と読者のホンネ

電子雑誌を閲読できるデバイスが各種出揃いつつある中、当社は電子雑誌に関するアンケートを行いました。電子雑誌の閲読・購入の経験や利用意向などについて、ご紹介します。

目次

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 (株)ビデオリサーチインタラィティブのプレスリリースによると、2013年2月時点で15~69才のPCインターネットユーザーにおけるスマートフォン所有率は4割を突破、20代では男女とも6割を超えました。また、ラインナップが豊富になり比較的安価なモデルも登場したタブレット端末の所有率も全体で11%に達しています。
 さらに、地下鉄走行中でもインターネット利用が可能になったことで、いつでもどこでも好きな情報やコンテンツにアクセスする生活スタイルは、より常態化・リッチ化しているといえるでしょう。
株式会社ビデオリサーチインタラィティブ プレスリリースはこちら


 デバイス普及に伴って電子雑誌ストアも多数存在するようになり、最近では特別価格で販売するキャンペーンや、リアル書店と連携して「雑誌を購入すると電子版を無料閲覧できるサービス」なども展開され、電子雑誌に親しむ機会を増やす取り組みがなされています。さて、皆さまは「電子雑誌」をどのくらい利用なさったことがありますか?

 当社は、昨年8~9月に約13万人のインターネットリサーチモニターに対して、電子雑誌に関するパイロット調査を行いました。かなり時間が経過してしまいましたが、いくつかの項目について結果をご紹介します。

所有デバイスで「電子雑誌」を読んだことがある人は約26%

 まず電子雑誌の利用経験を確認したところ、自身で所有するインターネット接続可能機器で、有料・無料を問わず電子雑誌を読んだことがある人は25.8%でした(機器を自身で所有していない人も含めた調査対象者全体ベースでは24.6%)。これは、2011年と同レベルの結果です。

 性年代別にみると、女性10代後半の閲読経験率が38%と最も高く、男性は10代後半~40代までそれぞれ3割強が閲読経験ありとなっています。購読に絞ると、男性20~30代や女性20代での経験率が9%前後でやや高めです【図表1】。

【図表1】「電子雑誌」の閲読・購入経験率(インターネット接続可能機器所有者ベース)

【図表1】「電子雑誌」の閲読・購入経験率<所有機器での電子雑誌閲読経験率>(n=124,532)

【図表1】「電子雑誌」の閲読・購入経験率<性年代別・機器所有者の電子雑誌閲読・購入経験率>

 次に、所有機器別での電子雑誌閲読状況をみると、「Reader」「Kindle」の所有率自体は高くないものの、ユーザーの7割以上が閲読経験者で、5割以上が「その機器で有料の電子雑誌を購入して読んだことがある」と回答しています。
 その他では、電子ブックリーダーを中心に閲読経験率が高めとなっていますが、いずれも「無料版・試し読みあり」の割合が「有料購読あり」の割合を上回ります。所有者は多くないものの、「kobo Touch」「GALAPAGOS」では購読経験者が3割前後、「iPad」「iPhone」では1~2割で、まだまだ無料トライアルに留まっているユーザーが多いのが現状のようです【図表2】。

【図表2】インターネット接続可能機器所有率と、
その機器での「電子雑誌」閲読経験(抜粋)

【図表2】インターネット接続可能機器所有率と、その機器での「電子雑誌」閲読経験(抜粋)<インターネット接続可能機器所有率>(N=130,788) <所有機器別での電子雑誌閲読経験率>(n=各機器所有者)

電子雑誌を購読したことがない理由の1位は「紙の雑誌で十分」

 電子雑誌の立ち読み機能は基本的に“チラ見せ”なので、紙の雑誌とは異なり購入しないとまるごと1冊に目を通すことはできません。そこで、機器所有者のうち「電子雑誌を買って読んだことがない人」にその理由を聞いたところ、1位は「紙の雑誌で十分(38.5%)」、2位は「値段が高い (27.6%)」となり、電子版であるメリットを感じてお金を払う気になっていない人が多いことが伺える結果となりました。

 以下、「利用登録や購入の手続きが面倒(22.8%)」「文字が読みにくそう(22.5%)」「読みたい雑誌がない、ラインナップが少ない (16.7%)」などが続いており、ユーザビリティや品揃えの充実が引き続き課題となっていることがわかります【図表3】。

【図表3】「電子雑誌」を購入して読んだことがない理由
(ネット接続可能機器所有かつ購読未経験者ベース)

【図表3】「電子雑誌」を購入して読んだことがない理由(ネット接続可能機器所有かつ購読未経験者ベース)

 さらにこの理由を、「無料版・試読の経験はある人」と「電子雑誌を読んだことがない人」に分けて比べると、「無料閲読のみあり」の人は「値段が高い」「読みたい雑誌がない」「雑誌ごとに購入できるストアがバラバラで面倒」といった点をより強く意識していることがわかります。特に「値段」は「紙の雑誌で十分」に並ぶスコアとなっており、電子雑誌に触れてはみたものの、値ごろ感や商品選択の自由度・利便性が購入のハードルとなっていることがうかがえます【図表4】。

【図表4】「電子雑誌」を購入して読んだことがない理由
(ネット接続可能機器所有かつ、無料版・試読のみ経験者/閲読未経験者ベース)

【図表4】「電子雑誌」を購入して読んだことがない理由(ネット接続可能機器所有かつ、無料版・試読のみ経験者/閲読未経験者ベース)

今後の利用意向者は約21%

 最後に、今後(も)電子雑誌を利用したいと思うかを質問したところ、「ぜひ+まあ利用したい」と回答した人は全体の約21%でした。
 性年代別にみると、男性20代での利用意向は約3 割、男性10 代後半と30代では約25%、その他の層はいずれも2割前後となっています。ほぼ全ての層で「閲読経験者」の割合を下回っており、1年前の同様質問と比べても各層で5ポイント程度低下しているのが気になるところです【図表5】。

【図表5】性年代別の「電子雑誌」利用意向

【図表5】性年代別の「電子雑誌」利用意向<電子雑誌利用意向>(N=130,788)

【図表5】性年代別の「電子雑誌」利用意向<性年代別の電子雑誌利用意向>

 電子雑誌の閲読経験レベル別にみると、「買って読んだことがある」人では約7割が利用意向を示している一方、「無料閲読のみ」の人では4割弱、「読んだことがない」人や「ネット接続できる機器を持っていない」人では1割前後の利用意向にとどまっています。あえて厳しい言い方をするなら、購読経験者でも3割は「もう買わなくてもいいかな…」と思っているということになります【図表6】。

【図表6】閲読経験レベル別の「電子雑誌」利用意向

【図表6】閲読経験レベル別の「電子雑誌」利用意向

 雑誌は多様な趣味嗜好によってセレクトされる「コンテンツ商品ブランド」であり、それが「インターネットという環境」に載ったとき、読者が“ ひと捻りした何か”を期待するであろうことは想像に難くありません。

 例えば、電子化によって「いつでもどこでも入手できる」し、「重くてかさばり携帯しづらい」といった課題は解消されます。また、とりあえず毎号チェックしようかなと思う雑誌がある人やたくさん読む人にとっては、常に携帯する身近なデバイスに届いたり保存できたりするのは大変便利です。ただ一方で、「先月はA誌、今月はB誌」とつまみ読みされることが多いのも事実であることを考えると、物理的な要素以外にも読む気にさせる動機付けがほしい気がします。
 「紙の一覧性」「ネットの速報性」といった特性はもちろんのこと、冊子上は「記事の掲載順で楽しませる」とか「特殊面がある」などのお作法が発生するのに対し、電子版上ではそれらが曖昧になる代わりに、ECサイトやソーシャルコミュニティにすぐ飛べるといった機能を絡めた仕掛けが可能です。つまり、記事にせよ広告にせよ、その雑誌ブランドの編集力で「紙/ネットだからできる」コンテンツと表現が重要ということにほかなりません。

 昨年来、女性誌のバッグサイズ版が軒並み好評を博しており、携帯性は紙でもある程度実現できるし、それにより売れるという事実を示しました。今春以降は女性誌の電子版が相次いで発行されていきますので、まずは電子による携帯性に対する女性の反響はどうなるのか注目したいところです。
 また、バッグサイズ版がそれなりに受け入れられたことで、ビジュアルの縮小もあるレベルまでなら許容されることが確認できました。その点、電子雑誌は拡大も容易だからより便利、という声も聞かれますが、各種デバイスで「2 ページ見開き」の“ スケール感” を含めてちゃんと伝わるかといった感覚的なことや、紙で読むのとデバイスで読むのとでは“アタマへの入り方がなんか違う”といったモードは、雑誌にとって大きな課題だと思われます。もっとも、筆者とは違いデバイスに馴染んだ生活者にとっては老婆心なのかもしれませんが、雑誌ブランドとして伝えたいメッセージを載せるならば、ここはやはり「電子版だから伝えられる情報と気分」を追求すべきというところに行き着くのでしょう。

 月並みな意見ではありますが、感覚も含めた極私的な価値観で選ばれる雑誌だからこそ、「読者との絆を深める」方法論を、紙側・ネット側(敢えて「雑誌の電子版」に限定しないことにします)それぞれに持つべきなのだと思います。制作側のリソースやリテラシーの問題をクリアしながら、そうした魅力的なコンテンツや利便性の高いサービスを構築すると同時に、それを広く生活者に伝え、無料レベルでも雑誌ブランドに接したときに楽しさを感じてもらえるような施策が、まずは重要なのではないでしょうか。

調査概要

調査概要
調査期間 2012年8月17日(金)~ 9月3日(月)
調査エリア MAGASCENEに準ずる全国主要7地区(都道府県単位)
調査対象者 調査時に満15~69才の男女個人 合計130,788人
調査方法 インターネット調査
調査項目 インターネット接続可能機器の所有、所有機器での電子雑誌利用経験、電子雑誌利用時のサービス名、非購読理由、今後の利用意向など

※本調査データは、サイトアクセスログなどとは異なり、対象者の電子雑誌接触経験・意識の回答に基づいております。また、調査エリアを代表するパネルではありませんので取り扱いにはご注意ください。

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