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テレビ×ビデオリサーチ テレビ視聴を“ライフステージ”で紐解く

Video Research Digest 2013.3

「テレビメディアの新しい価値を開発する」という取り組みにおける、“ライフステージ”を切り口にした分析についてご紹介します。

目次

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1. 誰がその番組を見ているのか?

 テレビ番組の見られ方を探る際、「この番組って誰が見ているのだろう?」と思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。そして、「誰」は多くの場合、「性別・年齢」で表現されます。ではどうして、性別・年齢で表現されることが多いのでしょうか?それは「この性別で、この年代の人は『こんな意識を持ち、こんな行動をしている人』だ」と、自分自身の経験則の中で感じられると共に、周囲の人とも、その感覚はズレていない(共有している)からだと思います。つまり、性別や年齢で、番組視聴者の特徴を捉えていることに他なりません。

 では、本当に、性別や年齢で視聴者の特徴は捉えられているのかみてみましょう。
 例えば、女性で、A.「23才で一人暮らしのOL」、B.「23才で乳幼児のお母さんで夫のいる専業主婦」、C.「33才で一人暮らしのOL」の3名がいたと仮定します。生活行動や買い物行動で、Aさんは、Bさん、Cさんのどちらに近いのでしょうか?先ほどの性別や年齢という話では、Aさんは、Bさんと年齢が一緒であることから、近いということになります。実際、近いこともありますが、感覚的にはCさんのほうが近そうな気がします。
 これはテレビ番組の視聴でも同様で、Bさんは、平日自宅にいる可能性が高く、生活行動がAさんやCさんと違うためテレビ視聴時間(つまりは番組)が違ったり、また、Bさんは、夫が視聴している番組を一緒に見たり、乳幼児にテレビを見せたりしていると、実際に視聴している番組は、AさんやCさんとは異なってくることが予想されます。一方で、AさんとCさんは、感覚的には、生活行動も近く、視聴している番組も近そうな気がします。

 以上のことからも、「誰がその番組を見ているのか?」これは、性別・年齢だけではなく、別の視点からも見ていく必要がありそうです。

2. ライフステージとは?

 では、テレビ番組の視聴をはじめとする、生活者の行動が分かれる要素とはどんなものがあるのでしょうか?それは千差万別、隣の人と私は違うという話なのですが、市場を分ける考え方を用いると、3つの要素に整理できます。

生活者の行動が分かれる3つの要素

  • (1)デモグラフィック
     性別、年齢、ライフステージ・所得など
  • (2)サイコグラフィック
     性格、生活意識、行動特性、嗜好性など
  • (3)ジオグラフィック
     都市規模、気候など

生活者の行動が分かれる3つの要素
生活者の行動が分かれる3つの要素

 中でも、デモグラフィックについては、「この人は『こんな意識を持ち、こんな行動をしている人』だ」と、自分自身の経験則の中で感じられると共に、周囲の人とも感覚を共有しやすいものです。先ほどの「一人暮らし」、「乳幼児のお母さん」などは年齢で表すことができないものですが、確かに生活者の行動やテレビ視聴に影響を与えそうな要素であると考えられます。それはつまり、年齢ではなく、まさに「ライフステージ」で行動が変わることを表しています。

 下の図表「ライフステージ区分」は、生活者の一生を表したものです。もう少し細かく見ていくと、必ず拘束され、1日の生活リズムを作る就学・就労、また消費行動に影響を与える、同じく就学・就労(→社会との関わり)、未既婚(→社会との関わり)、同居家族(→家族との関わり)があります。これらの組み合わせこそが、「ライフステージ」であると考えています。

【図表】生活・消費行動に影響を与える要素と、「ライフステージ区分」
【図表】生活・消費行動に影響を与える要素と、「ライフステージ区分」

 改めて、整理しますと、「ライフステージ」は組み合わせとしては17通り、男女別に見ていくと、34通りになります。

ライフステージ(LS)
ライフステージ(LS)

 年齢では測れない「ライフステージ」は、冒頭の例、A.「23才で一人暮らしのOL」、B.「23才で乳幼児のお母さんで夫のいる専業主婦」、C.「33才で一人暮らしのOL」で言えば、Aさんは、Cさんと同じグループ((5)若年単身)になります。

3. ライフステージで見るとわかること

 形成されたライフステージですが、実際に何がわかるのでしょうか?
 まずは、テレビ視聴量の違いをみます。
 ここでは女性に絞ってみていきます。

 「テレビ視聴量の違い」は、平日の1日のテレビ視聴量を表したものです。全体が3時間51分であるのに対して、当然、学校に通う女性や働いている有職女性は、テレビの視聴量が少なく、主婦や無職の女性は多くなっています。また、一般論として、“手のかかる”小学生以下のいる女性よりも、“手がかからなくなってくる”中高生のいる女性、さらに“手のかからない”大学・社会人のいる女性の方がテレビの視聴量が多くなっていることも特徴的です。つまり、ライフステージで随分とテレビ視聴量が違うことがわかります。

【テレビ視聴量の違い】(関東PM/2012年4~6月/平日平均/6-24時)
【テレビ視聴量の違い】(関東PM/2012年4~6月/平日平均/6-24時) グラフ

 また、ライフステージによって視聴番組も異なります。ここでは同じ年代に絞って、ライフステージによる違いを見ていきます。
 「視聴番組の違い」は、特定の期間におけるプライムレギュラー番組の個人視聴率を女性20~34才の(1)全体、(2)親と同居未婚有職、(3)小学生以下あり有職の3ターゲットで算出。すると、「鍵のかかった部屋」は、どのターゲットにも共通して入っていますが、(2)のターゲットでは、ジャニーズ主演のヒューマンドラマが2作入っており、自分が好きなドラマを見ている様子が伺えます。一方で、(3)のターゲットは、子供向けアニメが2作入っており、子供に合わせて番組を選択している様子が伺えます。また、(2)のターゲットでは、表示はしていませんが、21、22時台の番組が多いのに対し、(3)のターゲットでは19、20時台の番組が多くなっています。こちらでも子供に合わせて生活している様子が伺えます。
 つまり、ライフステージで視聴する番組や、主に視聴する時間帯も違うことがわかります。

【視聴番組の違い】(関東PM/2012年4~6月/プライムレギュラー番組)
【視聴番組の違い】(関東PM/2012年4~6月/プライムレギュラー番組)

 さらに、番組の内容によっても、反応するライフステージが異なることがわかります。

 ここでは、例として、あるドラマの初回と第2話の女性のライフスステージ毎の視聴率の変化を見ました。この例では、初回と第2話の世帯視聴率、個人全体の視聴率はさほど違いがありません。ただし、ターゲットでは変化をし、「視聴者がやや入れ替わった」状態にあることが分かります。具体的には、初回から第2話へ、中高生ありといった子供のいる親の視聴率が低下し、逆に子供のいない若年単身や、若・中年同居の視聴率が上昇しています。
 ちょうど中高生の親に人気のあるキャストで、その等身大の姿を描くということで始まったドラマですが、テーマが若年単身に受けるような内容であったため、第2話では、視聴者に多少の入れ替わりが起こりました。すなわち、内容によって反応するライフステージが異なり、世帯視聴率や個人全体視聴率では気づきづらい視聴者の変化を捉えることができたといえます。
 このようにライフステージの違いにより、テレビの視聴量、番組の傾向は異なることがわかります。これは、「誰がその番組を見ているのか?」の答えとして、有効な切り口のひとつになりそうです。

あるドラマの初回と第2話の視聴状況
あるドラマの初回と第2話の視聴状況 グラフ

4. テレビ視聴を“ライフステージ”で紐解く

 今回は、ライフステージという切り口をテレビ視聴率に適用することによって、視聴者の特徴を捉えようという試みを行いました。また、その結果として、その有用性も見ることが出来ました。
 つまり、これまでの性別、年齢の組み合わせに加えて、生活者の現在の立ち位置すわなち、ライフステージを用いることによって、番組の視聴者像がより精緻に紐解けるのではないかと考えております。

 また、このような新しい切り口を用いて、「番組」を様々な角度から評価することで、番組に多様性が生まれ、テレビメディアの新しい価値が生まれるのではないか、と我々は考えております。

 当社では、今回のような取り組みなどを通して、今後もテレビメディアを応援していきたいと考えております。

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