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事例紹介

テレビ×ビデオリサーチ 実例!Twitterからみるテレビ番組評価

Video Research Digest 2013.4

Twitterの解析データや、当社独自調査の結果などを用いて、テレビ番組を、視聴率とは別の側面で評価するという試みについてご紹介します。

目次

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はじめに

 2012年12月・2013年1月合併号で「テレビ×ソーシャル Twitter上の指標整備への取り組み」をご紹介しました。また、指標整備と平行して、Twitterデータから何が読み取れるのか、Twitterデータは何を意味するのか、どのような活用方法があるのかについても試行錯誤を繰り返しながらですが、解析を進めてきました。視聴率に加えて、番組を多様な側面から評価することはできないのか、テレビメディア活性化へのお手伝いができればと思っております。

Twitter データを把握すること

 少々強引ですが単刀直入に言えば、Twitterデータを把握することでいったい何が解決するのでしょうか?やはりデータが持つ意味・価値が明らかにならないと、データを把握する取り組み自体が無意味なものとなってしまいます。
 まず実態として、月に10億とも言われる日本国内でのツイート数があり、当社調査からもテレビ番組についてのTwitter利用は26.1%という結果があります(※2013年1月当社web調査)。この数字だけ見ても、テレビにおいてソーシャルは既に無視できない領域であるといえます。テレビ番組の企画としてもソーシャルは多く取り入れられ、スマホやPCを片手に番組を見るという新しい楽しみ方も生まれています。

2013年1月当社web調査 結果

 そんな中で「視聴率とは関係なくソーシャル上で盛り上がっている番組」というものが存在します。この番組に視聴率とは別の側面の価値はあるのでしょうか。
 いきなり難しい課題に突き当たりますが、まず、ソーシャルメディアの中でのTwitterについて確認してみたいと思います。

SNSユーザー調査より
 「Twitter」「facebook」「LINE」の3つについて、ユーザーに利用動向を調査しました【図1】。

 「どんな内容を投稿・発信しますか?」という問いに対し「テレビ番組」は、全11項目中「Twitter」で3番目、「facebook」では9番目、「LINE」では7番目に投稿・発信されていることがわかりました。ソーシャルメディアの中で取り上げられる話題・テーマとしての『テレビ番組』のポジションは決して高いとは言えないという捉え方もありますが、全てが話題の対象となるソーシャルにおいて「Twitter」で3番目という『テレビ番組』は、かなり高いポジションを得ているものと筆者は考えます。そんな「Twitter」ですが、「誰に向けて投稿・発信するのか」という質問では、フォロワー以外に向けての割合が多く、「facebook」よりも広い共有世界を持っている結果であり、さらに「投稿・発信するときの気持ち(本音が発言できる)」では他のソーシャルより本音で発言できる結果となっています(それでも本音は14.7%という結果は怖いものですが…)。その他、放送中にもっとも投稿・発信されるのは、「Twitter」という結果もあります。

【図1】SNSユーザー調査
【図1】SNSユーザー調査【図1】SNSユーザー調査

 また番組に対して実際に投稿や書込みをされた件数を比較すると、物理的に件数確認が可能な「Twitter」「facebook(公式ページのみ)」「Blog(指定したもの)」の中では、実に98.6%が「Twitter」への投稿となります(※2013年2月当社調べ)。

Twitterの投稿シェア vs facebook+Blog
Twitterの投稿シェア vs facebook+Blog

 実際にテレビ番組の反応を捉えるソーシャルデータとしては、「Twitter」がベストではないでしょうか。

SNSユーザー調査

SNSユーザー調査
調査手法 インターネット調査(全国)
調査時期 2013年1月18日(金)~21日(月)
調査対象 男女16-69歳、SNS利用者全3,802人

Twitter データから何が分かるのか

 そんなTwitter データから何が分かるのでしょうか。まずは放送と連動した視聴者の反応という視点から以下の4つについて確認してみます。

  • (1)ツイート数と視聴率の時系列連動関係
  • (2)視聴率と異なる反応があるソーシャルパワー番組
  • (3)放送内容によるソーシャル反応変化
  • (4)番組に対する書込み内容

(1)ツイート数と視聴率の時系列連動関係

 「ツイート数と視聴率との関係」は皆さまもっとも興味のあるところだと思います。こちらに関しては「淡い関係はあるものの、因果関係を証明した一律的な関係性はない」とお答えしています。大括りの話しでは、人が多いところでは会話も多いということと同じで、HUTが高い時間帯で番組に対するツイート数の総数も多いという淡い関係は見受けられます。
 しかし、個別の番組でみると、視聴率が高いのにツイート数の少ない番組もあれば、その逆で視聴率が高くないのにツイート数の多い番組が存在します。一律的な関係性を語るのは難しく、さらに関係性があったとしても、どちらが先なのかという因果関係の証明は難しいのが実情です。
 そんな中、単純な数の大小ではなく、同じ番組の変化という視点でツイート数と視聴率の関係をみると、「ドラマ」の一部で視聴率の変化とツイート数の変化が連動していそうな傾向がみられました。主な番組を3つ上げておりますが、特に新ドラマでは放送初回は視聴率もツイート数も多く、2回目以降にやや低下していくという関係性が多く確認できます【図2】。
 このように同じ傾向を示すことが意味するところはふたつあると考えます。ひとつは、単純にソーシャル上の反応が番組を見るという行動と連動するということ、ふたつ目はソーシャル上の反応が一部の限定した人たちでの盛り上がりではなく、世の中の縮図と同じ傾向を示しているということです。つまり、後者は、そのツイート内容も縮図ではないかとの可能性が考えられる点です。
 「金曜ドラマ・夜行観覧車」は、視聴率とツイート数の関係がみられない番組となりましたが、放送初回のツイート内容には好意的なものもが非常に多く、2回目の視聴率上昇を予見していたとも考えられます。ツイート上の番組評価が世の中全体の評価を表していて、視聴者を多く引き付ける将来を表している結果であったと考えられないでしょうか(これをソーシャルからの波及効果つまり「ソーシャル上での評判を直接知るところにより次回の放送を見た」と言い切るには、もっと関係性の証明が必要だと思います)。

【図2】 世帯視聴率と1分あたりツイート件数の推移
1分あたりツイート件数の多い「ドラマ」

【図2】 世帯視聴率と1分あたりツイート件数の推移1分あたりツイート件数の多い「ドラマ」 グラフ 【図2】 世帯視聴率と1分あたりツイート件数の推移 1分あたりツイート件数の多い「ドラマ」 グラフ

(2)視聴率と異なる反応があるソーシャルパワー番組

 【図3-1】は、最初にも記載した「視聴率とは関係なくソーシャル上で盛り上がっている番組」の価値というものになります。単純にツイート数の大小で語ってしまうと、そもそもツイートの多いジャンル・少ないジャンルの傾向(【図3-2】)に影響されてしまうので、ジャンル平均に対する視聴率の高低、ツイート数の高低という見方になります。横軸;視聴率、縦軸;ツイート数のプロット図でいうところの左上にポジションされる番組がそれにあたります。

【図3-1】19-23時 バラエティ番組「世帯視聴率」と「1分あたりツイート件数」の関係
【図3-1】19-23時 バラエティ番組「世帯視聴率」と「1分あたりツイート件数」の関係

【図3-2】1分あたりのツイート件数番組ジャンル平均 全時間帯
【図3-2】1分あたりのツイート件数番組ジャンル平均 全時間帯 グラフ

 これら番組が持つパワーをひとつの側面からみると、「じっくり見られている番組」ということが分かりました。
 19-23時のプライムタイムに放送されたバラエティ全418番組について、視聴率の平均10.6%と1分あたりのツイート件数の平均6.4件で4象限に区切って「平均視聴時間割合(番組を放送枠に対してどれくらい見たかの割合)」を集計したところ、視聴率が高いグループほど「じっくり見られている」という傾向は前提にありますが、視聴率が低いグループ同士の比較では、ツイート件数が多い番組の方が低い番組と比較して4.2ポイント視聴時間割合が高いという結果となりました【図3-3】。
 この「じっくり見られている」ということの意味は、集中して見ている、専念して見ている、つまりCMに接触する可能性も高い、じっくりみているから番組に対する好意も高い、さらに毎週見てくれるファン層も多いと、番組をブランドとして解釈するならば、好意的なブランドパワー(ソーシャルパワー)を持った番組といえるのではないでしょうか(まだまだ検証が必要であると思いますので、是非ご一緒に研究させていただければと思います)。

【図3-3】19-23時 バラエティ番組「平均視聴時間割合(視聴の深さ)」
【図3-3】19-23時 バラエティ番組「平均視聴時間割合(視聴の深さ)」

(3)放送内容によるソーシャル反応変化

 【図4-1】【図4-2】は、視聴者が番組内容のどの部分(コーナーや番組展開、放送内容全般)に反応したのかを把握する視点です。
 毎分視聴率が高い部分は、視聴者が反応したところという絶対指針はありますが、ソーシャル上では感想を伴った把握が可能です。歌番組であれば出演歌手別の反応、ドラマであればストーリー展開に伴う反応を感想とともに確認することができます。「紅白歌合戦」では、歌手別の投稿数、「金曜ドラマ・夜行観覧車」ではストーリー展開に伴う書込み内容の把握が可能です【図4-1】。

【図4-1】
【図4-1】

 時系列の変化であれば、トーク番組や毎週取り上げるテーマが異なる番組でその反応変化を捉えることが可能です。番組企画に対する反応を確認するという側面もあれば、自然発生的な反応を把握するという側面もあります。「報道ステーション」における、安倍首相生出演の反響などが明らかになります【図4-2】。

【図4-2】
【図4-2】

(4)番組に対する書込み内容

 ツイート内容を捉える議題としてよくあがるのが「ポジティブ」「ネガティブ」議論です【図5】。悪い噂が広まっていないか、まず確認したいと思うのはその通りだと思います。ですが実際に調査をして投稿内容の傾向を確認してみると、ほとんどがポジティブ発言を投稿するという回答となります。確かにツイートされた内容を読み込んでいても、基本的には好意内容が大勢を占め、ところどころに批判的な内容が混在するというパターンが多い気がします。いわゆる炎上は稀で、そう多くはありません(スポーツ競技中の中継終了などは炎上します)。
 したがって、番組に対する書込みを把握する視点では、ポジティブとネガティブの割合を気にするのではなく、まず視聴者が反応しているポイント(題材やテーマ)を把握することが先にあり、その後は必要に応じて丁寧に文脈を読み込んでいくという手法が良いのではないかと考えています。

【図5】テレビ番組への投稿はポジティブ?ネガティブ?
【図5】テレビ番組への投稿はポジティブ?ネガティブ?

改めて、Twitterデータの役割

 このような解析事例を踏まえ、テレビ番組を捉える視点でのTwitterデータの役割をまとめると以下のようになるのではないでしょうか。
(※スペースの都合上一部割愛した部分も含みます)

  • (1)ソーシャルパワー(投稿)
  • (2)ソーシャルパワー(拡散) ※割愛
  • (3)視聴者反応(毎分)
  • (4)視聴者反応(時系列)
  • (5)視聴者反応(テーマ)
  • (6)視聴者反応(話題感) ※割愛
  • (7)番組評価(特に放送直後) ※放送直後は割愛

 まとめたとは言え、もっと実際の活用方法にまで踏み込んで考察する必要があると考えています。ソーシャルパワーをどう利用するのか、視聴者反応をどう活かすのか、テレビメディア活性化のお手伝いをさせていただければ幸いです。

 最後に、ビデオリサーチでは番組の価値・パワーは9つの成分で構成されていると考えています。ソーシャルメディア上での視聴者の想いを捉える取り組みは、その成分のひとつ「評判・口コミ・話題性」が主軸となり、ツイート内容から番組の評価を捉えるという部分では「視聴後の感想」も明らかにできるものと考えます。前述(1)~(6)が「評判・口コミ・話題性」にあたり、「視聴後の感想」が(7)番組評価(特に放送直後)となります。
 ソーシャルメディア上での視聴者の反応を捉えれば、番組に対する評価が全てわかるとは考えていません。あくまでも視聴率をはじめとする各種調査データを統合的に解析し、解釈する必要があると思っています。ですが、番組評価データのメンバーに強力な助人が現れたということに間違いはありません。

テレビ番組評価の9つの成分
テレビ番組評価の9つの成分

 冒頭にもお伝えしましたが、新しい取り組みですので皆様のご意見、ご感想が何よりの指針となります。是非、多くのお声がけをいただければと思います。

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