テレビ接触とWEB接触の関係をみる ~花王「ソフィーナ プリマヴィスタ」の場合~

マーケティング事業推進局 企画開発部
吉田 正寛
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ここでは「VR CUBIC」のサービスを理解していただくために「何がわかるのか」「どういったソリューションがあるのか」に答えるべく具体的な事例をもって紹介します。

昨今はテレビCMの役割をアイキャッチと定義し、詳細情報の伝達をWebサイトに検索させる形で補完するといった広告キャンペーンをよく見聞きします。今回は、「花王ソフィーナ プリマヴィスタ」の例をもとに、テレビCM接触とブランドサイト接触の関係を分析します。今回の分析は、以下のような条件で実施しました。

分析ブランド

花王「ソフィーナ プリマヴィスタ」

分析の対象

満20歳~59歳の女性個人

※パソコン、もしくはスマートデバイス(スマートフォンやタブレット)でのサイト接触測定が可能な方

集計対象サンプル数 1,568 サンプル

分析対象期間

2016年1月1日~ 2016年8月21日

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vr cubic分析

case 1

テレビ接触とブランドサイト接触の関係を 時系列で確認したい

まずテレビCM接触とブランドサイト接触がそれぞれ時系列上でどんな推移をたどるのかを確認しました。16年1月以降で1カ月ごとに「花王ソフィーナ プリマヴィスタ」のテレビCM出稿量とブランドサイト接触率を表現しています【図表1】。この結果をもとにテレビCMの出稿量や出稿タイミングがブランドサイト接触率にどのような影響を与えるかを分析します。

2016_553_13-15_02.jpg

ブランドサイト接触率のピークは3月(1.34%)で、テレビCM出稿量(世帯GRP)も単 月で1127.8GRPと最も高くなっています。一方、1200GRP程度出稿がみられる5月~7月ですが、ブランドサイト接触率は3月ほどの水準には達していません。このように、継続的にテレビCM を出稿していても、時期によってブランドサイト接触率は異なります。この差が生じる要因として、CMのクリエイティブの違いが考えられます。しかし、この期間に出稿されたCMの内容を確認すると、「ファンデーション」と「下地」の2商品種類のものであり、CMの内容は訴求点やテイストなどは大きく変わりませんでした。そのため、 ブランドサイト接触へのCMの影響は、CMクリエイティブの要素よりも出稿量による要素の方が大きかったとみられます。今回の結果から、ブランドサイト接触のピークを誘発させるのにテレビCMの出稿が累積で1,800GRP程度必要であると考えられます。

一方、ブランドサイト接触率が3月ほど獲得できなかった5~6月ですが、仮に広告の狙い がブランドサイトに接触させることだった場合、今回の「プリマヴィスタ」のCM素材では"累積で1,800GRP以上の出稿はブランドサイト接触にはほとんど影響しない"という知見が引き出せるでしょう。このように、テレビCMとブランドサイト接触を連動させる上で、テレビCM出稿量の上限下限を「VR CUBIC」の分析から検討することができます。

vr cubic分析

case 2

テレビCMの接触回数とサイトアクセスの関係を把握したい

さらに「VR CUBIC」ではテレビCM接触回数ごとにブランドサイト接触率を確認することができます。ここでは、約8か月間で「テレビCM非接触」「1回~9回接触」「10回~19回接触」という具合に接触頻度(フリークエンシー)により対象者を分け、それぞれのブランドサイト接触率を算出しました【図表2】。

2016_553_13-15_03.jpg

接触回数ごとの出現率は、「1-9回」が22.4%と最も多く、その後回数が増えるごとに出現率が低下します。極端に接触回数の多い「100回以上」は6.6%、逆に「非接触」も同レベルの7.6%程度で、ともに一定数の出現率です。

接触回数ごとのブランドサイト接触率をみると、概ね接触の回数が増えるごとに高くなる傾向がみられます。「テレビCM非接触」層のブランドサイト接触は皆無でありこれは合点がいくものの、「1-9回」から「40-49回」のレンジではブランドサイト接触率に大きく影響しませんでした。この流れが変わるのが「60-69回」「70-79回」で、それぞれブランドサイト接触率が5.17%、3.92%と他の接触回数頻度を大きく上回っています。CM接触回数『59回以下』と『60回-79回』でそれぞれブランドサイト接触率の平均を算出して比較すると、前者が2.1%に対して後者は4.5%となり、ブランドサイト接触率に2.1倍の開きが出ていました。この結果から、今回の事例では、70回前後テレビCMに接触させることで安定したブランドサイトの接触が獲得できるということがみえてきました。

逆に90回以上の高頻度層になると、サイト接触率は増えるどころか低下する傾向がみられます。この点については、接触回数が極端に増大することで飽和が生じ、結果ブランドサイト誘引に至らないのか、あるいは接触が極端に増えるような生活スタイルがそもそもの商品関与に関係しているのか、別途仮説をたてて分析していく必要があります。

今回紹介したように、テレビ接触とWeb接触の実態がログとして取得されていることで、 Web誘引の観点からみたテレビCMの出稿量を規定する分析を行うことができます。しかしここで紹介した結果を一般的な知見としてすべての商品にあてはめるのは難しいです。このことは他のブランドでの同様の分析結果から明らかになっています。ただこうした違いを『広告効果実態』の違いとして捉え、自社だけでなく競合他社のブランドとの効果の違いを「VR CUBIC」を用いて検証することも可能です。また「VR CUBIC」には付帯情報としてのプロフィールが充実しているほか、独自のアンケートをかけることも可能です。

「VR CUBIC」で得られる結果や知見は、今後の広告コミュニケーション戦略への示唆だけでなく、事例蓄積によるモデリング開発(将来予測)や、DMP投入による広告コミュニケーションの最適化など、コミュニケーション活動の効果・効率向上の一助となると考えています。次回以降も、分析事例や活用に関して紹介させていただきます。

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