クーポン・プロモーションの理論と実際 13 ―クーポン広告テストマーケットの結果4―

VRDigest編集部
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※本記事は1989年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

4.消費者意識からみたクーポンの受容性

1.クーポン利用意向

 今回のテストでは、クーポンの利用そのものは思うように伸びなかった。その主要因として、①消費者の消費習慣の問題、②取り扱い店のカバー率の問題、③参加アイテムの商品力の問題の3点をあげた。しかし、それらのことを論ずるよりもまず、クーポンそのものの消費者の受容性はあるのだろうか。有識者の間でも日本の消費者は衝動買いが多いことや、クーポンを利用することへの抵抗(蓋恥心)、価値観が多様化してきている現在、価格政策手法への疑問、などから懐疑的な意見が多く聞かれる。豊かになってきた今、30円や50円のためにわざわざ切り取ってまでクーポンを利用しないであろうという意見もある。果してどうであろうか。

 図1は今回のテスト地域における主婦のクーポン利用意向を調べた結果である。図のように10人のうち7人の人が利用意向をもっている。多様化している、豊かになってきていると言われる日本の消費者にもクーポン・プロモーションが受けいれられる素地は十分にあり、特に、若い主婦を中心として受容性がみられる。

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 このことを別の切り口でみると、時間のある専業主婦、そして乳幼児を抱え、家計が苦しい時期にある主婦に利用意向がみられる。特に、乳幼児を抱える家庭では、クーポンは家計の一助となることが期待されていよう。

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 そのほかいくつかの面からクーポンに対する消費者の意識をみてみよう。

2.クーポン商品として望まれている商品

 まずどのような商品がクーポン商品として望まれているのかをみてみよう。

 洗濯用洗剤が多くの人に望まれ、醤油・ソース、牛乳、食用油、シャンプー・リンスの希望も多い。使用頻度が多い商品や値がある程度張る商品が希望されているといえよう。20代の主婦では商品に関係なく積極的に利用されることが想定され、乳児がいる家庭では家計の一助となる紙おむつ、牛乳が切望されている。(図3)

3.希望値引額

値引額への要望は、下表のように商品の売価に関係なく100円を希望する人が最も多い。それ以上の額を希望する人は少なく、また50円未満でもよいとする人も少ない。

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4.クーポンによる買物の変化とクーポン広告の受け止め方

 クーポンによって消費行動に変化は起きるのであろうか。想定してもらったところ、クーポン・プロモーションの究極の目的であるトライアルユースの機会増大の期待が持たれ、衝動買いから計画買いへの移行もみられる。また、クーポン取り扱い店での購入機会が増大するであろうと予想している人も4人に1人おり、クーポンによる小売店サイドへの影響も考えられる。一方、クーポンにより節約したお金を有効活用しようという意識はあまり持たれていない。

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 クーポン広告を提供する企業の意図に対しての受け止め方は、同じくトライアルユースを促す意図で行われていると受け止めており、提供企業の意図を素直に受け止め行動に移そうとしている構図がみられる。そのほか製品への信頼感など、全体的にポジティブな意識を持って受け止められており、クーポン広告に対する拒否反応は少ないものと思われる。

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5.クーポン広告のテクニックに対する評価

 今回私達が行ったクーポン広告方式のシステムに対する受け止め方は、"よい"とする人が6割。しかし、"よい"としながらも改善の余地が多いとする人が多く、今後、消費者の要望を汲み上げ不満を解消する努力が必要で、そのことが潜在需要層の活性化に結びつき、より効率のよいプロモーション手段になるものといえよう。

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(クーポン企画室 大木眞煕)

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