テレビ視聴率・広告の動向 ~テレビ調査白書1999より~

VRDigest編集部
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※本記事は2000年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 1999年のテレビ視聴率とテレビ広告の動向を「テレビ調査白書1999」としてまとめました。今回は、その中から内容を抜粋してご紹介します。

テレビ視聴率の動向

■多くの地区が前年の視聴量を下回るか横ばいの視聴傾向を示す

'99年の1日(6~24日封1世帯当りのテレビ視聴時間は、関東地区では前年('98年)と同じ8時間9分でした。'98年には'96年'97年と続いた減少から再び上昇に転じていたのですが、さらに増加ということにはなりませんでした。

'98年に比べ減少した地区は「関西」、「名古屋」、「北部九州」、「広島」で、いずれの地区も'98年は前年に対し増加もしくは横ばい傾向がみられた地区でした。反対に増加に転じた地区は「札幌」、「仙台」でしたが、この2地区は前述の地区とは反対に'98年は前年に対して減少していた地区でした。例外が「岡山・香川」で、年間平均のデータが2年しかなく時系列的な判断は難しいところです。

小渕政権は自民・自由の連立政権に続き、公明党まで巻き込んだ政策による地域振興券の発行など、様々な景気のてこ入れ対策を行ったものの前年からの景気低迷からなかなか抜け出せず、後半に入り漸く景気回復の兆しが見えてきた'99年でした。

 社会面では、防衛庁に続く神奈川県警の不祥事や東海村の民間のウラン加工施設での臨界事故など管理責任の問われる事件が続きました。また、東京都文京区での2歳幼女殺害や京都の小学生殺害事件など暗い事件の多かった年でした。一方、明るい話題としてはアマチュアスポーツ界では、選抜高校野球大会での沖縄県勢の初制覇、シドニーオリンピックアジア予選でアマチュアとプロ野球の合同チームが台湾・中国を破り出場権を獲得、サッカーでは前年のワールドカップ出場に続き、シドニーオリンピックの出場を決めるなどオリンピックの出場枠を賭けた注目のゲームでの日本代表の活躍があり、プロ野球界では、ダイエーホークスの26年ぶりのリーグ制覇に続く、球団創設以来初の日本一などがありました。しかしながら、'98年にあった冬季オリンピック長野大会やワールドカップサッカーなど日本代表が出場した国際的なビッグイベントがなく、和歌山毒物カレー事件など、長期的に視聴者の注目を引く事件の少ない年でした。

図表1 全日(6~24時)平均総世帯視聴率と1日(6~24時)1世帯あたり視聴時間

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※関東地区は、'96年10月よりPM(機械式個人)調査に移行(調査対象世帯数・テレビ台数変更)

※岡山・香川地区は'97年4月よりオンライン調査に移行し、毎日視聴率データを集計するようになった。

 PM方式になり3年が経過した関東地区の個人視聴率状況をみると、1日(6~24時)1人当りの視聴時間は4時間2分と'98年に比べ2分の減少、曜日別では平日よりも土曜・日曜の減少が大きく、日曜日では4時間36分と前年より7分の減少となっています。個人特性別には、男女4~12歳(2時間56分前年+4分)や男女13~19歳(2時間55分前年+3分)では増加していますが、男性35~49歳(3時間3分-5分)、男性50歳以上(4時間42分-17分)では減少傾向が見られます。

図表2 関東地区1日(6時~24時)1人当たり視聴時間

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■続く視聴時間の早朝や深夜への分散化

1日の視聴パターンを見ると、関東地区では各曜日とも早朝の6~9時台と23時以降の深夜帯の視聴が引き続き増加しています。また、午後(14~15時台)の視聴も増加しています。

 深夜帯の視聴の増加は各地区に共通して見られる傾向で、生活時間の多様化によると思われる視聴の分散化傾向が続いていることが判ります。

 これらの時間帯を関東地区の個人視聴率で見ると、早朝の時間帯は男女4~12歳、男女13~19歳や男女50歳以上の視聴の増加、日中の時間帯は男女4~12歳、男性20~49歳、女性20~34歳、女性50歳以上の増加、深夜帯は女性35歳以上と男性50歳以上の増加に支えられ増加しています。

図表3 関東地区 時間帯別総世帯視聴率の変化

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テレビ広告の動向

■年間給テレビCM出稿量はスポットCMの増加により前年を上回る

'99年のテレビ広告費は「日本の広告費」(電通推定)によると1兆9,121億円(前年比98.0%)で2年連続で前年を下回りました。金融ビックバンにより業界再編や規制緩和の進む「金融・保険」や爆発的ヒットとなった携帯電話やインターネット等の「情報・通信」など一部では回復の兆しが見えたものの全面的な回復とまでは至りませんでした。

図表4 年間総CM出稿量の推移(サスCM除く)

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関東・関西地区でのテレビ広告出稿続計から'99年の年間テレビCM総出稿量をみると、関東地区(民放5局計)で145万4千本、2,590万秒、関西地区(テレビ大阪を除く民放4局計)が115万5千本、2,000万秒で、関東地区が26万秒(前年比101.0)、関西地区が8万秒(100.4)と両地区とも前年を上回りました。参考までに、関西地区でのテレビ大阪を含んだ総CM出稿量は141万8千本、2,481万秒でした。(テレビ大阪は'98年4月より統計を開始したためこれを含めた前年比較はできません。)

CM種類別でみると、関東地区では番組CMは24万秒減(前年比97.2%)でしたが、スポットCMが51万秒増(前年比103.0%)。関西地区も番組CMは10万秒械(前年比98.1%)でしたが、スポットCMが18万秒増(前年比101.2%)と両地区とも番組CMは減少したもののスポットCMが増加し、トータルでの増加となりました。これに伴い番組CMとスポットCMの割合も、スポットCMのシェアが拡大し関東地区で68.1%、関西地区で73.9と両地区とも過去最大のシェアとなっています。

■「金融・保険」「化粧品・洗剤」が大幅増「一般産業機器」「輸送機器」は大幅減

'99年の業種別年間CM出稿量をみると、関東地区では16業種中9業種が前年を上回り、関西地区(テレビ大阪を除く)では16業種中10業種が前年を上回りました。中でも金融・保険業界の再編や消費者金融への自主規制緩和により「金融・保険業」が関東地区で前年比127.4、関西地区で137.6%と大幅な増加となっています。その他、前年に対し5%以上増加した業種は、関東地区では「サービス・娯楽」、「化粧品・洗剤」、「精密事務機器」、関西地区では「化粧品・洗剤」でした。

一方、前年に比べて出稿量が減少した業種は「-般産業機器」で、関東地区で前年比58.0%、関西地区で前年比56.0と大幅な減少となっています。その他、前年に対し5%以上減少した業種は、関東地区では「輸遡幾器」、関西地区では「基経材」、「輸送機器」、「家庭用品・機器」でした。

商品種類別にみると、関東・関西地区とも「普通乗用車Jが依然としてトップですが、昨年に続き2年連続の減少で、関東地区前年比81.7%、関西地区前年比85.0%と大きく減少しています。関東地区では、2位、3位の顔ぶれも前年と変化はなく、通販・カタログ販売を含む「他の特殊小売店」、ゲーム関連を含む「玩具」でした。関西地区でも2位、3位の顔ぶれに変化はなく「他の特殊小売店」、携帯電話を含む「郵便・電信・電話」でした。出稿量の上位20位で増加の目立った商品種類は、栄養ドリンク剤等のコンビニエンスストア販売が解禁された「保健薬」や缶コーヒーのキャンペーンが活発に展開された「コーヒー」、各種料理の素を含む「他の調味料」などがあげられます。

図表5 '99年の商品種類別年間CM出稿量上位20

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媒体調査局 調査分析部

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