"キモ面白い"は認知効率を高めるか ~赤城乳業 Sof'ダンス篇A~

青島 弘幸
ソリューション局 マーケティングソリューション部
青島 弘幸
  • facebook
  • facebook
  • Twitter
  • HatenaB!

今回は『ガリガリ君』でお馴染み赤城乳業の新商品の『Sof'』のCMを取り上げます。

赤城乳業といえば昨年(2016年)4月、ガリガリ君値上げに対する社員総出の「お詫びCM」が話題になりました。値上げというネガティブな情報をあえてCMにすることに驚かされましたが、それより25年もの間60円で売られていた事実の方に、視聴者はもっと驚かされたようです。

このCMについて、逆に感謝のコメントがSNS上に書き込まれるなど、視聴者に好感を持って伝わった模様です。残念ながら公式ページに掲載がありませんのでコチラで記憶を呼び覚ましていただけると幸いです。

さて、今回ご紹介する「Sof'」のCMも視聴者に与えるインパクトは非常に強いものです。このCMはコチラからご覧いただけます。

顔はおじさんで身体は女性というのが、合成という不自然さや動きも合わさって非常に不気味です。「ソフトクリームの上だけの商品」というコンセプトを訴求するための表現だったのか!というのが最後のカットで伝わります。 「上だけ(で作ったおいしい商品)」というのなら、顔の方を不気味にせず好感度の高いモノにしそうですが、このCMはあえて逆を狙っています。そうすることで、よりインパクトのあるCMに仕上がっています。

CMに対する自由回答では「気持ち悪い」という意見も多くみられますが、「面白い」という意見もみられ、視聴者によって両極端な反応を示すCMです。おそらくこのCMは、好感度を狙っているわけではなく、注目を集めることを第一義に掲げているのだと思われます。20代の女性対象から「1番最初に見た時になんだこれは?と衝撃を受けて頭から離れなくなりました。とても面白いです。」との意見が寄せられましたが、まさにこのような反応を引き出すことに狙いがあるのでしょう。

下記の図の曲線は、クリエイティブカルテによる調査結果から導き出した標準的なGRPと広告認知率の関係性(ノーム)です。その上に、今回の「Sof'」のGRPと広告認知率をプロットしました。

<男女15-69歳>

akagi1.png

※調査期間
Sof'ダンス篇A:2016/4/17 ~ 2016/4/28

「Sof'」の出稿量が196ターゲットGRPの時点で調査された広告認知率のスコアは42.0%でした。クリエイティブカルテでこれまで調査した素材から導き出した関係式では、196ターゲットGRPを出稿すると32.4%あたりがノーム値になります。この標準的なCMのスコアに比べて「Sof'」の広告認知率はこれより9.6ポイントも高い値を獲得しています。標準的なCMでは590ターゲットGRPを出稿しないと42.0%に達しませんから、実に3倍以上のコストパフォーマンスを示しています。

情報過剰時代の現代において、視聴者に振り向いてもらうことは昔より困難な状況にあるといわれます。「注目」を高める手法はその意味では非常に価値があります。今回の「Sof'」のCMは若者言葉でいえば、「キモ面白い」CMと表現されるでしょうか。「キモ面白い」は確かに広告の認知効率を高める効果があるようです。

この記事をシェアする
  • facebook
  • facebook
  • Twitter
  • HatenaB!