VRホームスキャン・データ分析事例(7) ―「コーヒー」ユーザーのプロフィール―

- VRDigest編集部
※本記事は1988年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。
これまでインスタントコーヒーのマーケットとユーザーの分析を紹介してきたが、今回はコーヒー全体のマーケットをみてみよう。VRホームスキャンでは、コーヒーを表1のような7小品目に分類している。
今回は、これらの小品目の金額シェアからみたユーザープロフィールと小品日間の併買状況を分析する。
1.使用データ
今回の分析に使用したデータは、'87年4月~9月の6カ月間のコーヒーデータのうち、贈答品を除く購買データである。表2は1000世帯パネル全体の6カ月間の小品目別購入経験率と、金額シェアである。なお、コーヒー全体の6カ月間の購入経験率は85%である。
コーヒータイプ(小品目)別にみると、インスタントコーヒーが購入経験率59%、金額シェア56%とトップである。購入経験率が高い割に金額シェアが低いのが小型缶コーヒーと液体コーヒーである。これは容量単位当りの金額が低いせいであろう。カップコーヒー、スティックコーヒー、ミックスコーヒーは購入経験率、金額シェアともに低くなっている。
2.ユーザープロフィール
1000世帯当り購入金額の6カ月間合計を世帯特性別に算出し、全体との比率を計算した。これをグラフ化したのが図1~6である。今回は、下記(表3)の世帯特別集計を行なった。
レギュラーコーヒーのユーザー層は、若い主婦で、特に3歳以上の未就学児、小学生のいる世帯である。
インスタントコーヒーは、コーヒー全体とほぼ同じプロフィールをしていて特に目立つ特徴はみられない。
小型缶コーヒーは、高年齢の主婦層、3人家族、ヤング(19~25歳の男又は女)のいる世帯である。
液体コーヒーは、若い主婦で4人家族、就学前の子供のいる世帯である。
3.コーヒーの併買状況
コーヒーの購入経験の併買をみてみよう。まず、全体に言えることは、どのタイプのコーヒーを購入した世帯でも、インスタントコーヒーと液体コーヒーを購入した経験がある世帯が半数以上いることである。特に、インスタントコーヒーは各コーヒーの購入経験世帯の申で60%を越えている。これはインスタントコーヒーと液体コーヒーがコーヒーマーケットの中でユニークなポジションを占めているのではなく、むしろ共通項的商品であることが確認される。
今回の分析データは、6カ月間という短い期間の中での分析であり、また、液体タイプがよく売れる夏前後の時期でもある。今後は更にデータ期間をのばして分析をすすめたい。
(消費者分析部 茶山 雄亮)