「テレビ電話」はどうなるか?

VRDigest編集部
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 ※本記事は1988年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

今から10年以上も前さFも、テレビ電話が普及しそうだと言われたことがあった。しかし、当時は機械も大きく、コストも高く、それ以上にネットワーク使用料、つまり電話回線が、電話1回線分では画像が電送できなかった。それが最近になって各社テレビ電話を開発し市場に出現しはじめた。まだ各社のインターフェースがとれず同じメーカーの同じ商品でしか使用できないし、動画ではなく静止画のテレビ電話である。

 市場につぎつぎと新製品が登場している。どれも10万円以下の低価格が中心である。電話器に関するマーケティングでは、購入者を決定する場合に子供、とくに中学生、高校生の意見が家庭の中では強く、彼らの意見を無視してはこれらの家電品は購入できない状況になっている。そこで各社とも彼らをターゲットとして商品と価格を決定しようとしている。

 現在の電話は人間の声を送ることを目的としている。電話線を通して音楽を聞くと良い音で聞こえないのはそのためである。その人間の声の周波数だけで画面を電送してしまおうというのがこのテレビ電話である。同じ通信料金ならば声だけよりも、静止画でも画面が出たほうがいいという理屈がなりたつわけである。

 テレビ電話は開発された当初から家庭用にと考えられていた。しかし、以前は「テレビ電話の前ではどんな顔をして電話に出ればいいのか」といった声も聞かれたが、現在ではそんな声はほとんど聞かれなくなった。それだけ電話やテレビが日常化したともいえる。それと同時にテレビ電話という大きなニーズが時間がたてども変わらず世の中にあるということであろう。一家に1台普及する、まったく新しいコンセプトを持った商品を考え出すことは至難の業だと思う。自動車電話や、ポケットベルといわれる電話を利用した商品ジャンルは、今後も数多く出現するだろうし普及もするだろう。ニューメディアという大きな流れの中から見れば小さな部分かもしれないが、このテレビ電話とハイビジョンは21世紀に主流になる商品ジャンルではないだろうか。ハイビジョンは娯楽として、テレビ電話は個人のコミュニケーションとして普及するであろう。余談ではあるが事務用電話で一番多い利用は訪問先の相手の在席を確認し「今から伺いますが......」という利用であり、それを考えると事業所用テレビ会議システムは実用化されても、事務用テレビ電話の普及はむずかしいのではないだろうか。

                                  (調査開発部 森 一美)

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