子供とゲーム ~1999年10月度子供調査よりへ

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※本記事は2000年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

1.はじめに

 子供の頃、何に夢中になっていたか覚えていますか。外で鬼ごっこやボール遊び、マンガを回し読み、好きなキャラクターのグッズを集めて交換etc、あれこれ浮かんでくることでしょう。そして、もし今の子供たちが将来こういったことを思い出すとしたら、多くがそのひとつに「(テレビ・携帯)ゲーム」を挙げるのではないでしょうか?

 バラエティに富んだゲーム内容、多機能・高性能化するハードはもちろんのこと、注目ソフトの発売日にできる長蛇の列やキャラクター・CMの話題性などをみると、ゲームが子供だけのものでないことは明白です。しかし、とにもかくにも子供たちはゲームに夢中なのです。

 本稿では1999年10月度の子供調査データをもとに子供たちとゲームの関係をみていきます。

2.ゲームと子供の事情

(1)大好き!欲しい!  ~ゲームに夢中な子供たち

「テレビゲームが好き」。男女3~12才の4割を超える子供たちがこう答えています(グラフ1)。

 性・年齢別にみた子供の「好きなことベスト5」は(次頁表l)の通りですが、テレビゲームは特に7才以上の男児で7割を超える絶大な人気を誇ります。女児のベスト5には入ってきませんが、やはり7才以上の4割が好きなこととして挙げています。

 ちなみに、本調査では'98年10月度より「携帯ゲームが好き」という項目を設けています(グラフ2)。女児ではこちらのスコアの方が上回っており、男児でもテレビゲームに迫る人気です。テレビゲームとは様式を異にするものも含みますが、「ゲームが好き」という観点では同列に扱ってもよいでしょう。

 続いて、子供の欲求商品をみてみましょう(表2)。

 欲しいものの1・2位を「テレビゲームのソフト」「テレビゲーム」が占めています。男児ではどの年齢層でもベスト3までにこれらが入っており、ここでも7才以上で70%以上の欲求率です。

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(2)ゲームとの付き合い方

 次に、テレビゲーム(携帯ゲーム含む)およびソフトの所有状況についてみてみましょう(グラフ3・4)。

 どちらも子供の約70%が所有しており、性・年齢別の所有率(グラフ5)は、7才以上の男児で実に9割以上、女児も8割以上にのぼります。但し、ソフトの所有本数には男女差があり、所有率が高い年齢層の男児では30本を超える子供が多いのに対し、女児は10本前後となっています。

 それでは、ゲーム接触状況はどうでしょう(グラフ6・7)。

 自宅内外・所有の有無を問わず、男児の約8割、女児の5割以上がゲームに接しています。小学生の間では放課後、夕食までの時間にゲームというスタイルが定着しているようです。

 次に「一緒に遊ぶ人」をみてみましょう(表3)。

 ゲームをする子供ベースでみると、男児は各年齢層とも「兄弟と」遊ぶ子供が3割程度、7~9才では「友達と」が最も多く(「父母と」遊ぶ子供はこの時点でほとんどいなくなります)、また、年齢が上がるに?れて「1人で」遊ぶ割合が増えます。女児は「兄弟と」が3~4割で、こちらは年齢が上がるにつれて「友達と」が多くなります。いずれにしても、ゲームは家庭内外を問わず遊びや共通の話題として重要アイテムになっていることが窺えます。また、こうした遊ぶ場面の違いがゲームの多様性を生むのかもしれません。

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3.子供とテレビゲームの10年間

 ここで、今回が,90年代最後の調査ということで、この10年間のテレビゲームにまつわる実態の推移をざっと振り返ってみたいと思います。

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まず、テレビゲームの所有率をみてみましょう(グラフ8)。

'90年には50%程度(男女3~12才、以下同様)だった所有率は徐々に増加し、'94年に約6割となり、'98年以降は伸び率が安定しています。女児の所有率の伸びが大きく、男児との差が縮まっていることも注目できます。

 子供の「欲しい」という欲求度をみると(グラフ9・10)、ハード・ソフトともここ10年で10ポイント程増加しました。「テレビゲーム」は近年20%台後半~30%程度のスコア、「テレビゲームソフト」は'94年頃から45%前後で安定、いずれも高い人気を保っています。

 子供の「好きなこと」としての地位はどうでしょう(グラフ11)。

 こちらは10年間を通じて常に4割以上の子供から支持を集めています。男児では「好きなこと」の常にトップクラス、女児でもやや増加しました。

 つまり、テレビゲームは'90年代には既に子供の遊びとして確固たる地位にあったわけです。そんな中、次々に発売される新ソフト・新機種。遊びとしての魅力に加え、こうした状況そのものが衰え知らずの欲求を生んでいるのでしょう。また、どちらかといえば男児の遊びだった感のあるテレビゲームが女児にも浸透してきたことも注目されます。

4.パソコン=テレビゲーム?

 テレビゲームが定着する一方、ここ数年で急速に普及したものにパソコンがあります。本調査対象者世帯の4割がパソコンを所有しており、その半数の世帯の子供が自宅のパソコンを使用しています(グラフ12)。さらに使用内容をみると、ほとんどの子供が「ゲーム」をしていることが分かりました(グラフ13)。現在の用途は遊びとはいえ、早いうちからパソコンに慣れ親しむことができるのは事実です。先の「子供の欲求商品」で「パソコン」はゲーム関連に次ぐ3位にランクされていました。ちなみに「母親が子供に買ってあげたい商品」では1位です。また、テレビゲームで途中経過を保存したり、それを携帯ゲームに写して外に持ち出したりという行為は、ある意味"パソコン的"でもあります。これからますます進む社会のコンピュータ化にすんなり適応できる土台は、こうしたゲーム体験から築かれるのかもしれません。

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5.さいごに

 ここまでみてきたことを簡単に整理してみます。

①'90年代、(テレビ)ゲームは男児を中心に子供たちの間で定番化。子供たちの欲求は未だ衰えません。

②女児のハード所有率・ソフトへの欲求度も高く、男女を問わない遊びのアイテムになってきました。

③現在、男女とも7才以上の子供の9割前後がゲームおよびゲームソフトを所有しており、放課後には多くの子供がゲームに接する時間を持っています。

④ゲームは1人でも熱中できる遊びとして、また、家族や友人との接点を担うアイテムとして、大きな位置を占めているようです。

⑤一方、世帯普及しつつあるパソコンの用途でも、子供ではゲームが圧倒的に多くなっています。子供たちはゲームを通じて電脳社会に適応していくのかもしれません。

 子供たちの間にゲームは確かに根付いています。先に述べた通り、各種ルールやキャラクターなど遊びとしての魅力と、ハード+ソフトという方式の双方が子供たちに受け入れられたということでしょう。手に入れるところからゲームは始まっているという状況ですらあります。

 ここ数年は内容のおもしろさ以上に、画像の美しさや臨場感、音の良さ、通信機能といったハード寄りの話題をよく耳にする気がします。近々鳴り物入りで発売される機種は株価まで左右している様子です。ハードの変化とゲーム内容の多様化は今後ますますそのスピードを早めていくことでしょうが、何がどう変わろうと、子供たちはまず「いかに遊びとしておもしろいか」によって「好き」「欲しい」の判定を下すはずです。

 2000年、そして21世紀、ゲームはどんな方向へ進むのでしょうか。

*データの詳細は「子供調査」報告書をご覧下さい。また、調査項目に対するご意見・ご要望などがございましたらお寄せいただければ幸いです。

 《 1999年10月度 子供調査 調査概要 》

【調査地域]:東京30km圏

[調査対象者]:満3~12才の男女個人(幼児を含むため記入はすべて母親、または母親代行者)

[調査期間]:1999年10月18日(月)~10月24日(日)

[抽出方法】:住民基本台帳をフレームとした無作為2段抽出

[調査方法]:質問紙留置法

[調査項目]:テレビ視聴状況、雑誌閲読状況、日常生活、商品所有・使用状況など

[標本数]:基本指令800サンプル、有効回収632サンプル(回収率79.0%)

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