新たな生活者シングルソースデータ「ACR/ex」冬場に炭酸飲料を多く飲むのはどんな人? ─商品購買行動者のプロフィールを追う─

VRDigest編集部
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※本記事は2014年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

前号ではACR/ex 準備調査(2013年9月より実施)データから、ブランドステータスの変化とカテゴリーの利用の変化に関して、炭酸飲料を例に紹介しました。前号では、冬場(13 年10月から14年1月のタイミング)に炭酸飲料の飲用頻度が増えた層が一定存在することがわかったわけですが、今回は、その「炭酸飲料飲用頻度が増えた層」にフォーカスをあて、この層がどのような人なのかを「ACR/ex」準備調査の意識データ等を用いて明確にすることで、マーケティング上のアプローチを考えてみたいと思います。分析にあたり、以下のようなステップで検討を進めます。

【冬場の「炭酸飲料飲用頻度増加層」の分析ステップ】

①性年代・デモグラフィック特性の確認

②内的特性の確認

③定義と、特性に沿ったアプローチの検討

性年代の観点から見る

炭酸飲料飲用頻度増加層の性年代構成を確認しました。その結果が【図表1】です。結果を見ると、男性20-30代の構成が、一般的な人々(男女12-69才)に比べて多くなっていることがわかります。この結果をもとに今回は、男性20-30代の炭酸飲料飲用頻度増加層のプロフィールを確認し、「どんな人が冬場に炭酸飲料の飲用頻度が増えるのか」を考えていきます。ここで、性年代を絞って分析を行うのは、それぞれの特性について性年代の要素が強く出ているという要因を排除するためです。

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デモグラフィック特性から見る

「炭酸飲料飲用頻度増加層男性20-39才」の、未既婚や職業、経済状況といった特性を確認します。その結果を【図表2】に示しました。まず、結婚に関しては、一般の男性20-39 才に比べて既婚率がやや高くなっています。また、経済状況に関しては炭酸頻度増加層のほうが一般の男性20-39才よりも豊かである傾向が見られ、職業では「給料事務・研究職」「給料労務・作業職」の割合が高くなっていました。

つまり、一般的な男性20-39才に比べて所帯を持っている人がわずかながら多く、比較的高い年収を得られる職業についている人物像が明らかになりました。続いて、炭酸飲飲用頻度増加層男性20-39才の内面に踏み込み、その特徴を見たいと思います。

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内的特性から見る

「ACR/ex」の意識項目データを用いて、ターゲットがどのような人であるのかを明確にします。今回は、「ACR/ex」の意識項目を、内容から『性格』『価値観』『嗜好』『消費行動』の4つのステップに分け、それぞれで「炭酸飲料飲用頻度増層の男性20-39才」の特性を確認します。

特性の確認方法として、今回は一般の男性20-39才の意識項目スコアと差分の大きい項目をリストアップし、「炭酸飲料飲用頻度増層の男性20-39才」との違いを明らかにすることでその特性を描きます。

性格と価値観

『性格』『価値観』の項目で、男性20-39才との差が大きい項目をピックアップしました。その結果を【図表3】に示します。

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<性格>

・仕事に注力するよりも自分自身の生活を大切にする

・「直感的」「好き嫌い」で判断することも多く、自分自身の考えが比較的しっかりある

あまり関心ない分野などでは、他人の意見を鵜呑みにしたりする傾向もあることが伺えますが、生活全般としては自分の考えに立脚した「無駄のないシンプルな生活」を好む特性が現れています。

< 価値観 >

・「介護」「年金」「国政」への関心の高さから将来的展望や関心、考え方が確立している

・年齢よりも成熟した価値観

・リサイクルや省エネ、節約への関心が高い

価値観については、一般的な『若さ』から少しかけ離れた考え方を持っていることがわかります。これらは、既婚率が一般の男性20-39才より高い点や、「老後はこどもや孫と一緒に暮らしたい」といった家族志向の強さと関連した考え方からきているのかもしれません。

嗜好や消費行動

『性格』『価値観』をもとにして形成される『嗜好(好き嫌い)』、それに基づく『消費行動』で、同様の分析を実施しました。結果を【図表 4】に示します。

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< 嗜好>

・ある程度料理を自分でしている

・食に対するこだわりがある

・単なる美食にとどまらず、その背後に「健康志向」がある

・お金はかけなくてもセンスのいいものを身につけたい、自分らしいものを身につけたいというファッション志向

・流行に敏感でありながらも自分にあったものを取り入れる

上述のような特徴の背景には、「性格・価値観」にある環境志向や将来に対する現実的な考え方に起因する健康志向や省エネ・節約志向があることがうかがえます。これらの価値観を総合するライフスタイルとして、「無駄のないシンプルな生活」の内容を垣間見ることができました。

< 消費行動 >

・機能や実用性を重視

・ブランドや流行に惑わされることなく、自分のいいと思ったものを買う

・新商品に対しては敏感

・「自分の考えに合うか」という観点で新商品を捉え、合うものを取り入れて長く使う

・自分自身の価値観に合う新商品を発見すること自体を楽しむ

自分自身がよいと思うものやことに対して出費する考え方を持っています。

所有や利用が多いものを見ると、自動車所有率の高さが伺えます。また、環境への関心から、太陽光発電への関心が高いです。一方、「マイレージサービス」はスコアが低く、海外関与が低いことも特徴として見られます【図表 5】。

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考えられるアプローチ

冬場に炭酸飲料の飲用頻度が増加する男性20-39才が、一般的な男性20-39才とどのような点が特性として異なっているのかを分析することで、大きくふたつの方向性に関して示唆を得ることができます。

(1)冬場の需要を牽引する「炭酸飲料飲用頻度増加層」のへアプローチ

リサイクルや環境志向の強いこの層へのアプローチとしては、古典的ではありますが環境訴求が重要な要因となることが想像されます。「ペットボトルや缶の再利用」に関する訴求や、「キャンペーンとして売上に応じた植林の実施」といった企業としての環境への取り組み姿勢を示すことで、そのブランドへの好意度やイメージ、ロイヤリティが上がることが予想されます。

イメージ訴求としては、「無駄のないシンプルな生活」に基づく訴求が有効です。ターゲットであるこの層は堅実な現実生活を好んでいる点を考慮すると、イメージ訴求の場面でも生活に根ざしたシーン訴求が重要です。実際に飲む場面をはっきりと特定することが効果的であるといえます。「冬場×炭酸飲料」というシーンで、ターゲットの多くがサラリーマンであることを考慮すると、例えば満員電車でコートを着た上に暖房が効いた電車内が暑く、乾燥しているため目的地について炭酸飲料を飲むという設定で『爽快感』を訴求する、などが考えられます。

また、起用するタレントを、今回のプロファイリングのイメージに合ったタレントを起用することで、この層の親近感を獲得することもできるでしょう。

炭酸飲料飲用頻度増加層の男性20-39才の特徴まとめ

・自分自身の好みや価値観、ライフスタイルが確立している

・成熟した価値観を持っており、環境や国政、家族など、自分の周りに対する関心が高い

・健康志向や省エネ節約志向に根ざした無駄のないシンプルな生活を好む

・他者基準ではなく自己基準の消費スタイルで、食への関心が高い

(2)「炭酸飲料飲用頻度増加層」の特性から冬場需要を喚起するアプローチ

「食への関心」という点を取り上げると、飲用だけではないアプローチが考えられます。例えば、冬場の煮込み料理に入れて味付けとして使う訴求です。

「炭酸が肉を柔らかくする」や「飲料そのものの味が隠し味になる」といった調理訴求をすることで料理トライアル意向を高め、購入に繋げるといった施策が考えられます。こうした訴求は現実生活の場面に根ざすため、ターゲットの生活価値観ともマッチします。今回は男性20-39才で絞り込んだ分析による知見ですが、これにより「飲むためだけではない炭酸飲料」の認識が拡大した結果、主婦層にも受け入れられる可能性が考えられます。

今回は、前回の「炭酸飲料飲用頻度の変化」の内容に引き続き、冬場に頻度が増加する層にクローズアップし、どのような特性があるのか、さらにはその特性を活かしたアプローチの方法に関して、概要をご紹介いたしました。次回以降も順次「ACR/ex」の活用に関して、準備調査の結果等を交えながらご紹介させていただきますので、何卒よろしくお願いします。内容に関してご興味がございましたら、当社営業担当までご連絡ください。

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