~インターネットオーディエンス測定~金融・投資系サイトの動向

VRDigest編集部
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※本記事は2000年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 先月号に続き、今回もビデオリサーチネットコムのインターネットオーディエンス調査(パネル調査)のデータのご紹介を致します。今月は、証券会社、銀行のサイト、及び各種マーケット情報の提供サイトなどの金融・投資系のWebサイトを中心に取り上げます。

 低金利時代が続く中、個人資産の運用先としての株式投資、投資信託といった金融商品はより身近なものとなっているようです。昨年以降、銀行、証券、保険といった各金融機関ではインターネット上での各種取引、金融商品の販売、金融情報の提供サービスを本格化させています。セキュリティなどの問題を警戒する意見もありますが、自宅に居ながらにして最新の情報が得られ、いろいろと比較検討をしながら取引が行えるという事に大きな魅力があるようで、既に個人による株取引の10%近くがネット経由で行われている(日本証券業協会調べ・2000年3月時点)など、急速にユーザーを増やしています。

 また、ネット上での取引に特化した証券会社、各種保険の見讃・手続き代行サービス業といった新たな業態も登毅するなど、今後の発展が期待される分野です。

◆金融・投資系のサイトの利用状況は...

 金融・投資系のWebサイトはどのように利用されているのか、全体的な傾向をみてみたいと思います。く表1>はWebサイトのカテゴリ(コンテンツ内容)別に効果指標をまとめたものです。

 まず、どのくらいの人が利用しているのかをみると、金融・投資系のサイトを1ケ月に1回以上利用した人は、Webサイト利用者の約14%、人口に換算すると約189万人が利用したことになります。

 また、利用回数は1ヶ月に平均7.8回、滞在時間では約43分となり、これを利用1回当たりの滞在時間にすると平均5分半と、ショッピング系についで長いものとなっています。全体的に利用人数や利用回数そのものは決して多くないものの、利用した場合には、株価一博報の確認、取引注文などで比較的長い時間利用しているのが特徴的です。

<表1カテゴリ別効果指標サマリー(2000年5月)>

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~指標の定義~

推定接触者数    母集団推計調査から得られたインターネット推計人口により、あるドメイン(カテゴリ、サブドメイン)を利用した人数を推定するもの。利用者の拡がりを表す。

到達率(Reach)   期間内にWebを利用した人のうち、あるドメイン(カテゴリ、サブドメイン)を「1回以上」接触(アクセス)した人の割合

平均接触回数    あるドメイン(カテゴリ、サブドメイン)について、期間内に接触者1人当たりで何回接触したのかを集計するもの(Frequency)

平均滞在時問    期間内において、あるドメイン(カテゴリ、サブドメイン)内のページが視聴された時間について、接触者1人当たりの平均

利用1回当たりの滞在時間    あるドメイン(カテコリ、サドメイン)について、利用1回当たりの滞在時間の平均(平均滞在時間÷平均接触回数)

◆性別一年代別の利用動向

 

次に、自宅内からの金融・投資系サイトの利用者について、性別・年代別にみてみます。

<図1>男女とも50才以上の利用が高くなっており、男性50才以上の層で24%、女性50才以上の層で17%となっています。比較的高年齢層のインターネット利用のきっかけとして、オンライントレードをはじめとする金融・投資系の利用があることが伺えます。

 一方、利用者の構成割合でみると金融・投資系のサイトでは、利用者に占める男性の比率が約80%となっており、Webサイト全捗(約70%)に比べて高いものとなっています。<図2>

<図1 金融・投資系サイトの接触者率(2000年5月)>

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<図2 金融・投資系サイトの利用者構成割合(2000年5月)>

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◆曜日別の利用動向

 <図3>は、5月の1ケ月間について1日ごとの利用率を表したものです。

 Webサイト全体では平日に比べて休日の利用率が高いのに対して、金融・投資系サイトでは、反対に平日の利用が2~3ポイントほど高くなっています。マーケット情報の収集、株式取引などが中心である金融・投資系サイトの内容を反映したものとなっています。

<図3 曜日別利用率(2000年5月)>

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◆企業別にみると

 

次に企業(ドメイン)別に利用状況をみてみます。ここでは、証券会社系、金融情報提供系、銀行系のドメインのうち主要なものをまとめています。

 まず証券会社系<図4>では、野村証券(www.nomura.co.jp)、大和証券(www.daiwa.co.jp)といった大手証券会社のWebサイトの接触者率がともに約3%と高くなっています。次いで、Eトレード証券(www.etrade.ne.jp)、マネックス証券(www.monex.ne.jp)をはじめとするオンライントレードに注力している証券会社が続いています。

 また平均接触回数や月間の平均滞在時間でみると、野村ホームトレード(10.9回/58分)、DLJdirectSFG証券(10.2回/1時間20分)、大和証券(9.6回/1時間7分)などが多くなっており、固定的なユーザーを多く獲得しているようです。

<図4 証券会社系サイトの利用動向(2000年5月データ)>

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 つぎに、投資情報などを提供するサイト<図5>についてみると、Yahoo!JAPANの金融情報ページ(Yahoo!ファイナンス:quote.yahoo.co.jp)の接触者率が6%と突出しています。しかしYahoo!ファイナンスも含め、投資情報系のサイトは1回当たりの滞在時間が短く、比較的短時間で自分が必要とする情報の収集を行うという利用シーンがうかがえます。

 また、株式投資向上委員会(www.kabuko.net)は個人が中心となって運営されている個人投資家向けのコミュニティサイトです。こうしたサイトは、オンライントレードの普及とともに、情報やノウハウの交換の場としてその存在が注目されるところです。

<図5 投資情報系サイトの利用動向(2000年5月データ)>

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 銀行系のサイト<図6>では、第一勧業銀行(www.dkb.co.jp)の接触者率が最も高くなっていますが、それでも1%台にとどまります。また、大手都市銀行に並んで、オンライン取引に力を入れているシティバンク(www.citibank.co.jp)が入っています。今後のインターネットユーザー層の拡大とともに、銀行系サイトの利用動向がどのように推移するのかに注目していきたいと思います。

<図6 銀行系サイトの利用動向(2000年5月データ)>

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◆最後に

 以上、金融・投資系のWebサイトの利用動向を中心にデータのご紹介を致しました。今回は、金融・投資系というカテゴリ全体、または、ドメイン(会社)への"接触"レベルで利用者を定義しているため、実際にどんなページを利用しているのか、あるいは、オンライン上での取引をしているのか、といった金融・投資系サイトにおけるユーザーの利用動向の把握といったところまでは至っておりません。今後のテーマとしたいと思います。

 また、今回ご紹介した金融・投資系に限らず、各カテゴリのサイトについて、それぞれの特性にあった分析手法の検討、また、その為の分析ツールの開発を進めております。

 ご興味・ご関心を持っていただいた方、また、分析のテーマなどがございましたらお知らせいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

                    株式会社ビデオリサーチネットコム  江村 謙太郎

                                  (emura@vrnet.co.jp)

■お問い合わせ先■

株式会社ビデオリサーチネットコム

 TEL:03-5540-6502 E-Mail:info@vrnet.co.jp

または、株式会社ビデオリサーチの営業担当者までお願いいたします。

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