新たな生活者シングルソースデータ「ACR/ex」 「AgeFile」を活用し、捉え直す多様化した生活者のライフスタイル

不明
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※本記事は2014年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

「ACR/ex」を用いてターゲットの詳細を様々な視点から把握できることは、これまでもご紹介してきま した。今回は、当社の「Age File」のデータを掛け合わせることで、「年齢」という観点から、生活者のライフスタイルをみていこうと思います。

はじめに

「ACR/ex」は意識データが充実しており、設定したターゲットの詳細を具体的に描くことができることはこれまで、何度かご紹介してきました。さらに、前号記事でも、「意識」に留まらず生活者の「生活行動実態」に至るまで、広範囲なデータを取得しているという特徴があります。その背景には、生活スタイルが多様化した結果、従来の年齢や性別といった観点だけでは捉えきれない事象が増大している現状の社会実態があります。

例えば「新婚」というキーワードを取り上げても、一昔前までは「20代半ば」という印象があったと思います。しかし、「ACR/ex」の準備調査のデータを見ると、現在では一概にそのように括れないことが明らかになります。

【図表 1】は、従来のACR にも搭載されていた「AgeFile」の分析を「結婚して3年以内」「子供(長子)が0-3才」という条件で、女性のデータを見たものです。図の横軸は本人の年齢であり、年齢ごとのスコアは当該年齢±2才のサンプルを含めて集計したスコアです。これは、1才ごとにデータを出した場合のサンプル数の少なさに起因するデータのがたつきを抑えるための施策です。

2014_540_10-13_01.jpg

この結果をみると、いわゆる「新婚さん」は25才~31才をピークとしつつ、20才あたりから40才過ぎまで広範囲に存在します。初婚年齢が分散していることがわかります。同様に、「子供0-3才あり」の出現スコアも初婚年齢に1~2年程度遅れる形で分布している結果でした。この結果からも、年齢から見た生活者の多様性がうかがえます。

一方で、その多様性のウラには、「変わらないこと」もあることが想定されます。今回は、多様性の中にある一貫した現象を分析するにあたって、「Age File」の考え方を応用してみることにします。

例えば「簡便調理」という観点から見た年代層との関係

先ほどの母親の例をもとに、調理と年齢の要因を 検討したいと思います。

今回は、「ACR/ex」で取得する食品カテゴリーの中から、簡便調理のもとになる「インスタントスープ」と「即席めん(カップを除く)」の直近3カ月の利用率を年齢の視点で確認し、「簡便調理」と「年齢」の関係性を確認します。先ほどと同様に「Age File」を用い、年齢によって利用率にどのような違いがあるのかを確認しました。その結果を【図表 2】に示しました。

2014_540_10-13_02.jpg

この結果をみると、「インスタントスープ」では30代半ばから利用率が上昇、「即席めん」では20才あたりを境に利用が増大し、40代半ばまで上昇トレンドになる、という傾向が見られました。結果の方向性を大きくまとめると、ともに20才過ぎから40代半ばまでは年齢が上がるほど利用率が上昇しています。

そこで、利用者の意識や内的特性から利用の要因を分析することになりますが、上述のとおり食品は、「子供」の有無や年齢による影響も大きいと考えられます。そのため同様の分析を、視点を変えて実施したいと思います。

子供の年齢から「簡便調理」の利用を捉える

先ほどご紹介した「インスタントスープ」と「即席めん(カップを除く)」の直近3カ月の利用率に関して、横軸を「子供(長子)の年齢」に置き換えて算出しました。その結果を【図表 3】に示します。子供は同居している長子の年齢を採用し、代表年齢を25才(23~27才の平均)までのデータを算出しました。

2014_540_10-13_03.jpg

この結果を見ると、どちらのカテゴリーも子供が5才以下の場合は利用率が低い傾向があり、そこから子供が10才を迎える時点にかけて利用率が上昇し、その後は安定する傾向が見られます。そして、子供が15才を過ぎるあたりからやや利用率が低下していきます。この結果を見ると、母親と簡便調理食品に関して以下のようなことが考えられます。

母親と簡便調理食品の関係性

・子供が小さいうちは、食育の観点からなるべく手作りの料理を作ろうと考えるため、簡便食品の利用は下がる

・子供がある程度成長すると、家事育児の負担から簡便調理食品への関与が増大する。また子供自身のコミュニティでもインスタント食品の話題が上がるなどから、子供から欲することも想定される

・子供のコミュニティが確立し親から独立し始める10代後半から、親との食事が減少することで簡便調理食品への関与は若干下がるも、自分が食べるために関与が一定続く

まとめると、例えば「5才以下の子供」がいる時点では、子供にできる限り手作りの食事を与えたいと感じる母親も少なくはないが、子供が成長し親と同じものを食べるようになると、全てを手作りで賄うことは世の中の母親たちにとって難しくなってくるという現状が垣間見られます。

ここで重要な点は、例えば0-3才の子供を持つ母親は、【図表 1】で確認したとおり、非常に幅広い年齢にわたる点です。

そのため、このターゲットに訴求する場合、一義的な方法ではターゲットの一部にしか訴求できていないということになりかねません。例として、『需要が上がると思われる小学校低学年程度の子供が登場するようなクリエイティブ』では、その母親のイメージは若いお母さんにするべきなのか否か?この点は、訴求を試みるメディアによって変える必要があるといえるでしょう。

そのように考えると、表現方法やそのメディアは、生活者のライフスタイルの多様化によって変わりますが、前述したように、「母親の子供に対する思いとそれを反映した商品(ここでは簡便調理食品)関与」は年齢やライフスタイルを超えて普遍的です。つまり、生活者のライフスタイルの多様化を考える際は、どの点が多様化により異なり、どの点が多様化しても普遍的であるのかを明確にして分析することが非常に重要です。

このように「ACR/ex」では、ターゲットの差異を確認し特徴を際立たせるという前者の活用だけでなく、そこに潜む共通項を探るという後者の活用も可能な生活者シングルソースデータベースとなります。

次回以降も順次「ACR/ex」の活用に関して、準備調査や本番調査の結果を交えながらご紹介させていただきますので、何卒よろしくお願いします。内容に関してご興味がございましたら、当社営業担当までご連絡くだ さい。

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