新たな生活者シングルソースデータ「ACR/ex」 通説 「女の子は男の子よりしっかりしている」は 本当かを検証する

VRDigest編集部
  • facebook
  • facebook
  • Twitter
  • HatenaB!

※本記事は2015年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

子どもの頃や若い時は特にですが、「女の子は男の子よりしっかりしている」や「女の子の方が男の子よりも精神年齢が高い」と言われることが多いです。すでに成人していても同年代の男性に比べ「女性はしっかりしている」とよく耳にします。今回は、この通説を「ACR/ex」のデータを用いて確認してみたいと思います。

対象とするターゲットは、「18〜24才の男女」で、いずれも「未婚で子供がいない人」とし、男女で差のある意識項目を確認することで、女性で特徴的な点、男性で特徴的な点を確認していきます。

1.18~24才男女の基本属性を確認する

意識特性を確認する前に、基本属性を確認します。職業構成をみると、男女とも6割前後が大学生・各種専門学校生という中、女性は給与事務研究職の割合が15.6%(男性8.6%)と、男性に比べて高い傾向にあります。それを反映してか、世帯年収は女性の752万円に対して、男性は628万円と100万強の開きがあり、また、個人年収でも女性の方が10万円程度高くなっています。

しかし、1ヵ月のこづかい(平均)では男性が19,495 円に対し、女性は17,197円と2000 円程度下回っており、自由に使える金額は年収が高いわりに少ないという結果でした。

●ここからわかること

女性は男性に比べて年収は高め、しかし倹約傾向が強い

2.意識・性格特性

続いて、意識特性を確認します。まずは男性に比べて高くなる女性の意識特性が【図表1】です。 以下にまとめると...

2015_543_32-35_01.jpg

<女性で高い項目>

・朝食を食べる習慣があり、自炊する傾向が強い

・将来や自分の生き方について展望がある

・外国語や留学など教育に関心があり、子どもの教育も想定している

同様に、男性の視点から女性に比べて高くなる項目をまとめました【図表2】。

2015_543_32-35_02.jpg

<男性で高い項目>

・趣味やライフワークなど今を楽しむことに関心が高い(スポーツなど)

・社会的地位を重視し、自分に自信がある一方、今と違った生き方を望む

以上から、男性は今を楽しむことに関心が向いていることがわかります。女性は比較的将来を見据えた考え方をする人の割合が多く、仕事も続けながら家庭生活を切り盛りしていく視野を持ち合わせていることがわかります。

●ここからわかること

女性は男性に比べて現実的な視点を持っている

3.買い物の特性

次に購買特性の違いをまとめたところ、以下のような男女の違いが明らかになりました。女性はデザインを重視し、店をいろいろ回ってその場で決めることが多い一方、男性は性能機能を重視し、事前に調べてから買いに行く傾向が強くなります。 バーゲンの関与は女性で高く、ネット通販は男性で親和性が高い結果でした。

●ここからわかること

女性は男性に比べてショッピングを楽しみ、場合によっては衝動買いしがち

4.メディア接触の違い

参考として、メディアの接触状況を確認しました。その概況を【図表3】に示します。1 週間のリーチ(累積到達率)でみると、インターネット以外のテレビや雑誌、屋外(交通媒体)は、いずれも女性の方が高くなっています。インターネットは、デバイス全体では男女差はないものの、スマホは女性、パソコンは男性の方が高く、利用するデバイスに性差がみられます。

2015_543_32-35_03.jpg

インターネットの利用経験サイト(直近1カ月)では、女性ではTwitterやLINEといったSNS 系サイトや、NAVERまとめやYahoo! 知恵袋などの情報サイトが高く、男性ではニコニコ動画といった動画系サイトや、amazon.comのような通販サイトの接触が高い傾向にあります【図表4】。

2015_543_32-35_04.jpg

男女でインターネットの使い方が違っており、女性はコミュニケーションツールや情報源ツールとして、男性は買い物において事前に調べるツールやコンテンツの視聴ツールとして利用している実態が見えてきます。

●ここからわかること

女性のネット利用は男性と同レベルだが、スマホを多用し、コミュニケーション、情報源のツールとして利用している

ここまでの結果を総合的に解釈すると、18~24才の若者を捉えるとき、男性に比べて女性は意識面で長期的な視点を持っており、将来を見据えた意識が強いと言えるでしょう。一方で、買い物特性にあるとおり、短期的な判断場面では男性の方が女性よりも比較的慎重であると考えられます。今回取り上げた通説は主に前者を指して「しっかりしている」と捉えていると言え、短期的な場面(例えば何かを買う場面)ではむしろ男性の方がしっかりしている可能性が考えられます。展望を持つ時間的スパンが男女では異なっており、男性の時間的スパンが女性に比べて短いことがこうした通説を作り上げていると言えます。

将来を見据えたしっかりものでも、うっかりセールで衝動買いをしてしまう女性と、その場の判断はしっかりできて頼もしい反面、ちょっと先のことは見えていない男性というイメージの違いが生じるのかもしれません。

この違いを社会全体の中で捉えた場合、様々な意思決定や選択場面に影響を及ぼしているはずです。昨今、出産後の女性雇用を支援する政策を推し進める動きがあります。景気動向が少し上向きと はいえ閉塞感を否めない現在の社会は、とかく短期的な成果や収益に着目しがちです。出産後も女性が職場で活躍する場面が増えることで、この現状により長期的な視点が加わり、社会や経済に今までとは違った角度からのプラスの影響が出ることを期待したいところです。

このように、「ACR/ex」では意識項目、購買行動実態を多岐に渡って調査しており、特性の違いをきめ細かに明かにすることが出来ます。今まで以上に、ターゲットの設定や理解するのに非常に有効です。しかも、継続的に調査を行っているため、推移がみられるのも「ACR/ex」ならではです。

もしご興味を持たれましたら、当社担当営業までお問い合せください。

この記事をシェアする
  • facebook
  • facebook
  • Twitter
  • HatenaB!