ミドル女性を捉える鍵は「モヤモヤ」にあり !

  • facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Google+
  • HatenaB!
村田 玲子
村田 玲子

ソリューション事業推進局 ひと研究所 f2ラボリーダー

皆さん、周りを見渡すと時々ふと浮かない顔をしているミドル女性が多いように感じませんか。彼女の顔が曇るのは、心に引っかかった何かで「モヤモヤ」しているときかもしれません。新年号なのにあえてこんなテーマからはじめたのには、次のようなデータがあるからです。

国民生活基礎調査によると、女性は男性にくらべて悩みやストレスを感じやすく、特に30-40代女性は「悩みやストレスのある人の割合」が最も高いというデータがあります【図表1】。

555_10-13_01.jpg

個人的には、政府が掲げる「すべての女性が輝く社会づくり」のKPIにこの値をお勧めしたくなったりするのですが、それはさておき、f2ラボは、この男女の値の意味を「感受性の違い」ではなく、置かれている「環境の違い」として理解したいと考えています。これを感覚的に理解するために役立つのが次の図【図表2】です。

555_10-13_02.jpg

さきほどの悩みやストレスの原因の理由をシェアにしてみると、男性は「自分の仕事」が大きなシェアを占めますが、女性の場合は特に30-40代にかけてさまざまな項目が積み重なっています。また、同年代男性では「育児」「家事」「子供の教育」といった項目が埋没気味な一方で、女性では大きくなっており、男女のギャップが目立ちます。夫婦関係であればこのギャップそのものが悩みやストレスになっている可能性もありそうです。

そもそも、女性にとって中年期とは、女性として成熟する年代といいたいところですが、「正念場」でもあるといわれています。体力の衰えを自覚しはじめる時期であり、その上で家族がいれば子供の受験や思春期、反抗期の真っ只中、さらに親の介護が気になり始めたりと、さまざまなライフイベントが重なってくる時期でもあります。また働く女性の場合には、キャリアゆえの重責が増し、仕事と家庭の両立や自分の体調管理の難しさを経験することも出てきます。シングル女性は、きょうだいがいなければ親の病気や介護が切実になりやすく、シングルだからこそ経済的な不安やプレッシャーは重い場合があります。(※)このことに関して、当事者はどう思っているのかMROCで聞いてみましたので抜粋してご紹介します。

「やるべきこと、やらなくてはいけないこと、期待されていることが積み重なってがんじがらめになり、抜け出せなくなる。いろいろな選択肢があるからこそ、もっといいものがあるのではという気持ちが生まれたり、ほかの選択肢がうらやましくなったりして思った通りに行かないことに対してストレスが生まれることになるのではないかと思います。」

(49歳 専業主婦ママ)

「あれやらなくちゃ、あれ買わなくちゃ、あれどうしよう、あれ期限いつまでだっけ、と、色々かんがえなくてはならないことが多すぎ、女性ならではなのでしょうが、失敗しないよう、損しないよう、合理的に処理するためにまた考える・・・それが時間に追われる女性のストレスにつながっているのではないかと思います。うまくまわらずそれが悪循環になるときもあり、私自身叫び出したくなるときがあります・・・やってしまうと危ない人ですが笑」 

(39歳 フルタイムワーママ)

「専業主婦ですが、家族の用事で毎日バタバタです。年代的に疲れやすくなってきたし。忙しさに身体がついていけない感じです・・・最近、専業主婦に対する風当たりが強くなった気がして、それもストレス。」

(44歳 専業主婦ママ)

「見かけの選択肢が増えたからかな、と感じます。女性は結婚したら家庭に入るべきで男性は仕事、女性は家庭を守るのが当たり前だった世代の女性より今の女性は自由になったと自分も思います。同時に私はもっといい生き方ができたのではないか、あの人はもっと○○できているのに...みたいな思考に陥りがちになっている気もします。SNSの普及によってそれが更に後押しされているように感じます。」

(35歳 ワーキングシングル)

「更年期を迎える時期で、身体的にもストレスを抱えやすいと思います。会社でも家庭でも期待されることが増えてきたのにも関わらず、それを支えるための環境が整ってないと思います。それと最近ではSNSが普及して、いつの間にか他人と比べたりするのに疲れてる方も多いのではないでしょうか。男性よりも圧倒的に女性の方が見栄の張り合いが過熱しているように思います。」

(36歳 フルタイムワーママ)

これら彼女たちが日々感じているモヤモヤは今のF2の大きな共通項といってよいのではないでしょうか。

思い返せば、昨年末話題になったドラマ「逃げ恥」の最終回でも、新垣結衣さん演じる主人公のみくりは「モヤモヤするー」と何度も言っていました。昨年施行された「女性活躍推進法」を契機に、これまである意味で蓋をされてきた女性を巡る問題が、わっと世に問われ始めていることもひとつあるかもしれません。(みくりはプレミドル女性ではありましたが)

F2ラボは今年、モヤモヤ研究はF2を捉える鍵になると考え、じっくりと女性たちのモヤモヤに向き合い、モヤモヤの正体をつきとめ、モヤモヤと彼女たちの心の関係性を描きたいと思っています。そして企業がマーケティングを通じて彼女たちの心を少しでも軽くできる方法を皆さんと一緒に考えていけたら。どうぞ本年もf2ラボをよろしくお願いします。

※吉野一枝 「40歳からの女性のからだと気持ちの不安をなくす本」 永岡書店 より

プロフィール

村田 玲子
村田 玲子

ソリューション事業推進局 ひと研究所 f2ラボリーダー