友達みたいな親を持つと、子供は「個室」が欲しくなる!?〜親子関係が子供の趣味・嗜好に及ぼす影響を探ってみた〜

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友達みたいな親を持つと、子供は「個室」が欲しくなる!?〜親子関係が子供の趣味・嗜好に及ぼす影響を探ってみた〜

皆さんと親御さんの関係は?

みなさんは子供の頃、親御さんとどんな風に接していましたか?

しつけに厳しく、親子間でも敬語を交えながら会話していたご家庭もあれば、毎日の出来事を友達感覚でお互いに報告しあっていたり、親子間の会話はあまり無かったりご家庭もあったりとその風景はさまざまかと思います。

一般的に、家庭環境は子供の人格形成に大きく影響すると言われていますが、実際のところ、どのように変わってくるものなのでしょうか?

今回は、『親の子供に対する接し方』を軸に、親子関係が子供の趣味・思考に及ぼす影響を探ってみます。

当社の「Kids/ex(キッズエクス)」調査から分析していきます。

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【Kids/ex】

親を2パターンに分けて分析していきます。

<親:共通条件>

・女子小学生を子供に持つ親であること(年齢・性別不問)

【親パターン1】子供と友達でいたい派 ※以下、「友達でいたい派」

⇒子供への教育・しつけに関する意識で「子供とは友達のような関係でつきあっていきたい」(TOP2)と回答した人

【親パターン2】子供に英語教育・海外留学経験させたい派 ※友達親子に遠そうな属性として設定。以下、「英語教育派」

⇒子供への教育・しつけに関する意識で「子供の英語教育にお金をかけたい」 or「子供を将来海外に留学させたい」(TOP2)と回答した人

親の特徴は?

【図1】では、親の学歴・年収と生活意識について特徴的な項目を抜き出しています。

要約すると

■「友達でいたい派」=仕事よりプライベートを重視。学歴や収入にこだわらない

■「英語教育派」=食生活への意識が高く、教育に熱心でお金を惜しまない

と、両者がほぼ真逆の考え方であることがわかります。

【図1】

図1.png

次にそんな親たちのメディア関与の違いについてまとめました(図2)

■「友達でいたい派」=テレビやFMラジオはよく利用するが、紙媒体やPCでのネット利用は少なめ

■「英語教育派」=BSや有料の紙媒体、ネット利用量が多め

「友達でいたい派」はテレビやエンタメ系コンテンツの多いFM、「英語教育派」は紙媒体と非常に納得感のある結果となりました。

【図2】

図2.png

子供の趣味・嗜好にも違いは"大アリ"

次は子供についてです。子供の好きなことや欲しがっているものをまとめました。

たとえば「好きなキャラクター」1つとっても、

■「友達でいたい派」の子供=ディズニーキャラクターやゲーム・アニメに登場するキャラクターが好き

■「英語教育派」の子供=絵本に出てくるキャラクターや「サザエさん」などの親の時代からある定番アニメのキャラクターが好き

とかなりの違いが見られます。

【図3】

図3.png

「友達でいたい派」の親は、よく読む雑誌ランキング1位が「DISNEY FAN」(※1)であり、親自身がディズニーなどのキャラクターを好む傾向にあることも、子供が好むキャラクターへの影響を与えていそうです。

また、「好きな色・形・柄」でも

■「友達でいたい派」の子供=赤・黄などはっきりした色+白・黒・無地というオトナっぽい配色を好む

■「英語教育派」の子供=水玉、ボーダー、丸といったやわらかい雰囲気のデザインを好む

と両極端に近い違いを見せています。

好きな飲み物にいたっては、「英語教育派」の子供で特徴的なのが「天然水・ミネラルウォーター」・・・つまり、水!一般的には「子供はジュースが好き」と思いがちですが、データで見ると水派の子供がいることがわかります。

そしてとても興味深いのが、「友達でいたい派」の子供が、「(子供本人が)欲しがっているもの」として「個人用テレビ」や「個室」を多く挙げていることです。

子供でも悩んだり、辛いときは1人で黙ってじっくり考え込んだり、誰にも邪魔されずにぼーっとしたいと思ったりするもの。親御さんにとっては少々さみしい結果なのかもしれませんが、家の中でも親が"友達"のように近い存在だと、子供ゴコロとしては「ひとりになりたい」と思ってしまうのかもしれませんね。

そして、【図4】は、子供のメディアに対する意識をまとめたものです。

ポイントとしては、以下が挙げられそうです。

■「友達でいたい派」の子供=ゲーム性が高いもの(dボタンやスマホでのコンテンツ)を好む

■「英語教育派」の子供=雑誌の影響が大きい/欲しいものは自分できちんと調べる

【図4】

図4.png

どちらをターゲットにするかで、商品戦略も変わる

この結果を見ると、どちらの親子像をターゲットとするかによって、商品戦略もたとえば次のように攻め方が変わってくるのではないでしょうか。

【親子でのペアルックを商品としてオススメしたい場合】

■「友達でいたい派」の親子にオススメするなら・・・

・ディズニーキャラクターなどを使った、派手な配色のデザインにする

・無地のモノクロデザインにする

■「英語教育派」の親子にオススメするなら・・・

・水玉模様やボーダー模様で、水色やクリーム色などのやわらかい色味を使ったデザインにする

【英語教材を商品としてオススメしたい場合】

■「友達でいたい派」の親子にオススメするなら・・・

・ゲーム性を重視し、RPGのような遊びながら学べるものとする

■「英語教育派」の親子にオススメするなら・・・

・安さよりもクオリティを重視し、上品なデザインを心がける

・付録におもちゃなどをつける場合は、ぬいぐるみや女の子の人形など、女の子らしい遊び要素を含める

今回の分析では、子供そして親に関する豊富なマーケティングデータを取り揃えたビデオリサーチのデータベース「Kids/ex」を使用いたしました。

本サービスでは、皆さまのご要望にあわせた分析や、ASPサービスによる提供なども行っております。

気になった方は、お気軽にお問い合わせください。
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(※1)同調査内「雑誌・閲読率〈2号平均〉」 雑誌別ランキングより抜粋

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