J-READから見える新発県 奈良県を豊かにする鍵は「20代女性」と「主婦」にあり!? 

高下 遥平
調査業務局 コミュニケーション調査部
高下 遥平
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※本記事は2017年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

桜が見頃を迎える季節となりました。みなさん桜といえばどこを思い浮かべますか?私は地元奈良県にある日本三大桜名所のひとつ、吉野山です。今回は、そんな吉野山がある奈良県についてJ-READからみていきます。

奈良といえば寺社仏閣!20代女性が狙い目!?

春になると吉野山にはシロヤマザクラを中心に約200種3万本の桜が咲き誇り、その光景は「一目千本(ひと目に千本見える豪華さ)」と呼ばれるほどの迫力と美しさを兼ね備えています。私自身、一目でこれだけ多くの桜を見たことは吉野山以外ではありません。

桜もさることながら、奈良といえばやはり、世界遺産の東大寺や法隆寺をはじめとする寺社仏閣のイメージが強いのではないでしょうか。みなさんご存知の通り、世界遺産数全国1位、さらに国宝数は全国3位を誇ります。J-READをみると、奈良県は"行ってみたいところがある"都道府県7位にランクインしており、そのうち33.6%の人が寺社仏閣めぐりをしてみたいと回答しています。この数字が全国1位(全国平均19.8%)であることからも、奈良が擁する寺社仏閣への期待の大きさが感じられます。

ちなみに、寺社仏閣めぐりをしてみたい人は、高齢の方が多いと思われがちですが、年代別に見ると意外と多いのが20代女性で、50代女性に次いで2番目に高くなっています【図表1】。アプローチするターゲットをあえて20代女性に設定することで、今まで見逃されがちな客層までを取り込むことができるのではないでしょうか。

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20代女性の寺社仏閣好きってどんな人?

ここでは「寺社仏閣めぐりをしてみたい20代女性(以下寺社仏閣好き女子)」の特徴をみていきます。まず特徴のひとつに、読書好きが多いということがあげられます【図表2】。これはみなさんのイメージ通りではないでしょうか。本との親和性が高いので、書店や図書館の利用者も当然多くなっています。また、オンラインゲーム・ソーシャルゲームをする人が多いのが特徴です。最近では、戦国武将と擬似恋愛できる女性向けのゲームも多数出てきていますし、ゲームでも歴史ものを楽しんだりしているのではないでしょうか。

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彼女たちは20代女性の中でも国内旅行の広告への関心が高くなっています。情報収集を積極的に行う傾向にあり、高い情報発信力も兼ね備えています。彼女たちに足を運んでもらえればSNSなどを通した情報の拡がりも大いに期待できます。寺社仏閣好き女子を起点としたPRが、多くの人に奈良の魅力を知ってもらえることにつながるのではないでしょうか。また、彼女たちは余暇の活動にお金をかけるので、足を運んでもらえればどんどんお金を使ってくれるかもしれません。

奈良県民は浪費家?

ここからは奈良県民についてみていきましょう。

一年間での寺社仏閣めぐり経験者の割合が全国1位となっており、歴史が身近な存在であることを裏付けています。私自身、小・中学校の遠足だけで東大寺に何度行ったことか・・・。

大仏のイメージを強く持たれている奈良県ですが、奈良県民は大仏のようにじっとはしていません。大阪や京都のベッドタウンとして知られており、昼夜間人口比率89.9%※1と関西では最も低くなっています。大仏は東大寺の中から動きませんが、奈良県民は通勤・通学で奈良県から出て行ってしまうのです。私も学生時代は京都に通学し、父は大阪に通勤していました。そんな環境だからなのか、旅行や食べ歩きなど外に目を向けながら活動する人が多くなっているようです。また、デパート、ショッピングモール、家電量販店の利用率が全国1位となっているように、買い物好きの要素も持っています【図表3】。利用するだけでなく、各種家電製品や宝飾品などの所有率が高く、さらにはグッチやカルティエの好意度全国1位をはじめ、高級ブランドを好きな人が多いことからも、消費力の高さもうかがえます。

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ここまでの話だと、お金を使ってしまい資産が目減りしそうですが、将来に備えてお金を貯める人も多く、世帯資産1,559万円(全国平均+140万円)を誇ります。このひとつの要因として、専業主婦が多いことを理由にあげることができるかもしれません。奈良県の専業主婦率は20.5%で全国1位となっており、大仏のようにドシッと家庭に入りお金を管理しているようです。主婦たちがしっかりと管理しているので、消費力が高いのにも関わらず高い資産額を維持できるのでしょう。

広告に必要なのは笑いの要素?

奈良県においては先程あげた主婦層をおさえることが重要です。全国の主婦と比較しても、デパート(全国平均+8.1)や家電量販店(全国平均+5.9)などの広告への感度が高くなっており、セールで商品を購入する人(全国平均+5.4)や、新製品への興味が強い人(全国平均+5.4)が多いことからも、広告効果が大きいことが分かります。ポイントは、家にいる時間が長いので、家の中で接触しやすい新聞やテレビの広告を使ってみることではないでしょうか。

県民の特徴としてあげられるのは、お笑いの感度が高いということです。「広告にお笑いやユーモアを求める」が大阪をおさえて2年連続全国1位、「面白い情報は周りに話したくなる」が全国4位になっており、奈良県民へのコミュニケーションには笑いという要素がかかせないということがわかります。やはり関西、そして明石家さんまさんが育った県ということもあり、マーケティングにも笑いを求める傾向にあります。一方で、笑いの本場、大阪には広告にユーモアがあるものが飽和しているのか、スコアは9位と案外伸びていません。その点、奈良にはまだ余裕があるようなので、クスッと笑える要素をとり入れてみてはどうでしょうか。

冒頭にご紹介した吉野の桜は、まもなく見頃を迎えます。4月4日~24日はライトアップされ夜桜も楽しめるので、ご興味のある方はぜひぜひ足を運んでみてください。

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