VRの生活者研究[シニア編]シニアの好きなブランドは? -シニアのタイプ別にACR/exで分析-

對馬 友美子
ソリューション推進局 生活者インテリジェンス部VRエイジング・ラボ
對馬 友美子
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※本記事は2014年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。著者の所属部署は当時。

少子高齢化が進む社会で、シニアマーケット攻略はあらゆる企業において重要課題となっています。本誌でも既報の通り、当社のシニア研究プロジェクト『VR エイジング・ラボ』は、考え方も行動も多様化・複雑化しているシニア層を理解するための新たな切り口として"価値観"で分類したセグメントを開発しました。

元となったデータは、首都圏在住のシニア生活者を対象に行った「VRシニア1000人調査」ですが、この調査では郵送という手法やボリューム上の限界から、詳細な商品ブランドやメディアビークルの利用・接触状況までは聴取できていませんでした。

その弱点を克服するため、この度リニューアルしたシングルソースデータ「ACR/ex」に価値観タイプ判別質問を搭載、対象者を各タイプに分類し分析することが可能になりました。

今回はその分析結果を一部ご紹介します。

(※データは ACR/ex2014 年 4-5 月調査結果を使用)

まずはシニアのタイプ別特徴と構成比を確認

"価値観"で分類した「シニア価値観クラスター」は次の通りです。

【アクティブトラッド】

リタイアして悠々自適に暮らしている方が多く、お金有り時間有り。消費も行動も積極的だが、伝統的な家族観が強い。いわゆる「アクティブシニア」と言われてきたイメージに最も近い。

【ラブ・マイライフ】

若さや美への追求心、アンチエイジング意識が強く、新しい物好きで情報通、流行にも敏感。「新型」のアクティブシニアのひとつ。

【社会派インディペンデント】

人とのつながりを大事にし、新しい人脈を築くことや世代を超えた交流にも意欲的。「新型アクティブシニア」のもうひとつのパターン。

【セカンドライフモラトリアム】

社会に取り残される不安感や、人や社会とつながりたい思いは強い。が、その術がわからず、これからの人生をどう過ごしたらよいのか模索している。

【身の丈リアリスト】

何かとお金がない、お金がかかるからできないという諦め感を口にする。お金を本当に持っていないわけではないが、将来不安からか消費行動は消極的。

【淡々コンサバ】

現在の生活に十分満足していて、これ以上に多くを望まない。強い主張をももたず、淡々と平穏な暮らしを送っている。従来言われてきた「シニア」=高齢者イメー ジに最も近い。

このクラスター分析元となった「VR シニア1000人調査」は、対象者を当社の調査モニターから抽出しました。自らモニターに登録する方々ですので、基本的に調査に協力的で、意識行動にもやや積極性があるという特性があります。その特性が各クラスターの構成比にも反映され、プロット図の上半分、いわゆるアクティブなシニアの割合が思ったより多く出ていました。VRエイジング・ラボでは、恐らく世間一般的にはもっと下半分、非アクティブなシニアが多く、右上の新型アクティブシニアはもっと少ないはず、という仮説を持っており、その検証にも対象者を無作為抽出した「ACR/ex」は適していました。

結果は仮説通り上の方、特に右上の新型アクティブシニアに位置するラブ・マイライフと社会派インディペンデントの割合はいずれも1割以下と小さく、一方で下半分の非アクティブシニア、特にセカンドライフモラトリアムは4割近くとかなりの比率を占めていることがわかりました【図表1】。

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「ACR/ex」でのこの構成比は世間の縮図に近いと考えられます。日々シニア研究をしている私どもの肌感覚からも納得の結果でした。

好きな車のブランドは?派手好き、堅実、実用派。価値観により明確に

では実際にクラスターごとにブランドの嗜好性にどんな違いがあるのかを、まずは車ブランドで分析してみました。「ACR/ex」では車種ブランドを細かく聴取しております。ここでは分かりやすいようにメーカー別に括った結果をグラフ化してみました【図表2】。

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各クラスターの特徴を明確にするため、全体との差分で見ています。

アクティブトラッドは好きな車としてホンダ、日産、アウディといったメーカーのブランドが多く挙げられましたが、詳細に車種ブランドを見ていくと、ホンダ「フィット」、トヨタ「プリウス」などハイブリッド車と、日産は「スカイライン」(現代シニアが若い頃一世を風靡)のスコアが高くなっていました。

ラブ・マイライフはジャガー、アルファロメオ、ポルシェといった華やかな外国車を挙げる人が多く、国産車も日産「シーマ」「フェアレディZ」、マツダ「RX-8」「ロードスター」、ホンダ「レジェンド」とこれまた華やかな顔ぶれでした。

社会派インディペンデントも外国車を挙げる人が全体よりも多くなっていましたが、個性派のミニや、レンジ ローバー、ジープチェロキーなどハードな実用派と、ラブ・マイライフとは違う顔ぶれになっています。

淡々コンサバは軽自動車、セカンドライフモラトリアムは特に車種ブランドとしては突出したものはなかったのですがメーカーで括るとトヨタ、日産、レクサス...と国産の無難なラインナップでした。

車は価値観が反映されやすいカテゴリーのひとつですが、なるほどこうして並べてみると明らかに違いがあることがわかります。

使っている化粧品ブランドは?(女性編)

実際に使用しているブランドにもクラスターによる違いがあるかを、女性の「化粧水」で見てみましょう。

直近3カ月間の使用ブランド(MA)をクラスターごとにランキング表にしてみました。全体との差分ではなく、使用率のランキングです【図表3】。

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化粧水ブランドは多岐にわたり数も多いため、どうしても「その他」に括られるものが多くなってしまうのですが、ランキングの顔ぶれにクラスターごとの違いがちらほら見て取れます。例えば女性の憧れ「SK-Ⅱ」はラブ・マイライフの2位にランクインしています。また、中島みゆきと松田聖子のCMで話題になったフジフィルム「アスタリフト」もランクインしています。アンチエイジング意識が高く華やかなブランドが好きなラブ・マイライフの特徴がよく表れていると言えるでしょう。

社会派インディペンデントはカネボウ「エビータ」、花王「グレイスソフィーナ」といった以前からずっと年齢を明確に打ち出したコミュニケーションを展開しているブランドがランクインしています。自己の価値基準がはっきりしているこのクラスターだからこそ、機能として分かりやすい年齢化粧品が選ばれているのかもしれません。

アクティブトラッドは「オルビス」「DHC」等の通販系化粧品とドラッグストア系ブランドの「肌研」が入っています。保守的な意識が強いクラスターではありますが、子供や孫、親しい友人など身近な人からのレコメンドがあり、自分へのベネフィットが明確にわかると受け入れる合理的な一面も持ち合わせています。中~高価格帯の通販系機能性化粧品と値ごろなドラッグストア系ブランドが並ぶ顔ぶれは、そんな合理的な選択の表れとも考えられます。

セカンドライフモラトリアムもアクティブトラッドと同じような顔ぶれがみられます。この世代の女性にしては仕事を持っていた人が比較的多いことから、合理的な選択の傾向が見て取れる一方、「銘柄不明」も多く、化粧品へのコミットメントが他のクラスターより低い可能性も考えられます。

淡々コンサバは「PB 商品」が、身の丈リアリストはドラッグストア系ブランドが多くランクインしているのが、それぞれのクラスター特徴をよく表しています。

よく飲むビール(系飲料含む)ブランドは?(男性編)

では今度は男性を、よく飲むビールブランドで見てみます。ビール・発泡酒・第3のビールすべて含んだ「ビール系飲料」で、直近3カ月間に最もよく飲んだブランド(SA)のランキングです【図表4】。

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ビールはどの男性も「スーパードライ」が一番なのですが、スコアをみると特にセカンドライフモラトリアムで高くなっています。とにかく働きづめだった元企業戦士が多そうなクラスターらしい特徴と言えるのではないでしょうか。アクティブトラッドと淡々コンサバ、考え方が伝統的保守的な傾向のこの2タイプは、「一番搾り」「淡麗」「金麦」まで顔ぶれ同じで、最後だけちょっと違っています。悠々自適層が多いアクティブトラッドは「プレミアムモルツ」、最近健康が気になる人が多い淡々コンサバは「淡麗グリーンラベル」が入っていました。

ラブ・マイライフは「プレミアムモルツ」と「エビス」、2つのプレミアムビールがランクイン。

社会派インディペンデントは他のクラスターでは出てこない「サッポロ黒ラベル」がランクインしています。

家飲み派が多い身の丈リアリストは、「麦とホップ Thegold」。第3のビールでもパッケージからちょっと贅沢感を感じられるブランドで家飲みを楽しんでいるのかもしれません。

「ACR/ex」ではこれ以外にも、ではクラスターごとのブランドへの利用継続意向や実際のトライアル率、リピート率、競合ブランド間の流出流入の変化などのトラッキングや、メディアについては時間帯、時間量のほか接触ビークルも分析可能になっています。またエリアも全国7地区別で見ることができます。

ご興味を持たれましたらお気軽に営業担当または生活者インテリジェンス部にお問い合わせください。

「シニア」についてのご要望、お問い合わせは 生活者インテリジェンス部 連絡先 seikatsusya@videor.co.jp

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