f2ラボ取材班が行く vol.2 KIRIN「のどごしオールライト」

村田 玲子
ソリューション局 ひと研究所 f2ラボリーダー
村田 玲子
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※本記事は2017年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

KIRIN 「のどごし オールライト」 女性のもやもやを解消するために実施したキャンペーンとは!?

昨年夏の「もやもやもやしたったー」キャンペーン(※1)に続き、主婦(主夫)業を年収に換算できる「主婦の年収シミュレーター」(※2)等、デジタルコンテンツを中心にいまどきの女性の心を捉えるコミュニケーションを展開されてきたKIRIN「のどごし オールライト」。女性が抱える「もやもや」に着目された経緯やキャンペーンの企画にはどのような狙いがあったのか?コンテンツの企画制作をご担当されたキリン株式会社デジタルマーケティング部の野際様にお話をうかがいました。

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(左)キリン株式会社 CSV本部デジタルマーケティング部 野際 陽介氏

――昨年行われた「のどごし オールライト」のリニューアルの経緯を教えていただけますか?

 2015年1月の発売当初、「のどごし オールライト」は、健康意識の高まりから「体に低負担なものを気兼ねなく、手軽に飲みたい」というお客様に向けた商品でした。しかし、発売後の調査で若年女性層の支持を獲得していたことが判明しました。これは、「のどごし オールライト」の特徴のひとつである、アルコール度数が比較的低いということに起因しており、家事や子育てに追われてあまり酔うことのできない多忙な女性でも、アルコール度数が低いため、気兼ねなく飲めるというニーズにマッチしたと考えております。  そのような背景から、「のどごし オールライト」は忙しい女性が、"気軽にゴクゴク飲める軽快なのどごし"をコンセプトに、カラダに低負担で気兼ねなく飲める商品としてリニューアルしました。

――「のどごし オールライト」で昨年実施された「もやもやもやしたったーキャンペーン」の企画背景を教えてください。

 ゼロ系・オフ系のビール類は現在、弊社・他社合わせて様々なブランドが乱立しており、機能だけを訴求し続けても差別化できないのではないかという懸念がありました。カロリー、糖質、プリン体と、あらゆる機能がゼロの中、機能を訴求するだけではなく、お客様へブランドの思いを知っていただくことで、本当の意味でお客様にとってのマイブランドになれるのではないか、というのが企画を考え始めたきっかけです。  近年、女性の社会進出や共働き世帯が増加傾向にあります。忙しさが増す現代において、女性が「もやもや」するシーンも増えてきています。  女性を応援している「のどごし オールライト」が「もやもや」をどうにか「解放」できないか。「解放」することで、少しでも前向きになってもらえないか。その思いが、この企画の出発点です。  我々がやるべきは、まずその「もやもや」を吐き出すための場所を作ること。ただ吐き出すだけじゃなくて、吐き出したあとにアルコールの提供価値でもある"ちょっといい気分"とか"ポジティブな気持ち"を提供すること。そうすることで、「のどごし オールライト」に共感いただき、マイブランドと思ってもらうことをゴールに、企画がスタートしました。

※1「 もやもやもやしたったー」キャンペーン

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――キャンペーンでTwitterを使われたのには理由があるのですか?

女性のSNSの利用実態について調べたところ、女性(特にママ層)はSNSを使い分けしているということがわかりました。ママ友などのリアルなつながりにはFacebookやLINE、愚痴や悩みを知らない人と共有する場としてTwitter、というふうに。Twitterは本音を出しやすいというところに着目しました。

――具体的にはどんな仕掛けだったのですか?

Twitter上で「#もやもや女子」と「#もやしたった」という2つのハッシュタグをつけて「もやもや」をつぶやくと、一部の文字を残してつぶやいた内容が燃え、燃え残った文字を組み合わせて言葉を作り、返信されるというものです。  ギミックとしては、API(アプリケーションプログラムインターフェイス)で、ハッシュタグがついたツイートを引っ張ってくる。引っ張ってきたツイートをGIFアニメーションに置き換え、炎で文字が燃える演出の中で、何文字かが燃え残るように見せるのです。燃え残った文字で「かいほう」とか「のもう」というすっきりするようなメッセージを組み立てるというわけです。燃え残る文字で作るワードはあらかじめ数百パターン仕込んでおきました。

――キャンペーンにはどんな反響がありましたか?

ユーザー分析をすると75%の方が女性でした。中でも夫に対するつぶやきは非常に多かったですね。「夫 押し付けてくる」、「夫 帰る」とか。あとは仕事関係で「仕事 終わる」、「疲れる」、「会社 諦める」とか。  興味深かったのは時間帯です。夕方頃と夜の遅い時間にツイートが増えました。家事の合間や電車での通勤、お風呂上がりや寝る前と推測されます。季節的には、梅雨の時期は「もやもや」が多く、「じめじめ」、「髪の毛」のような「もやもや」が結構ありました。  男女差がはっきり表れたのが天気の影響で、女性は天気で気持ちが大きく変化するなど、色々と見えるものがありました。

――f2ラボでは、このもやもやの対処にも色々なベクトルがあるのではないかと思っているのですが、今回のキャンペーンで何かヒントになりそうなことはありますか?

実際にキャンペーンを通じてわかったこととして、ツイートが燃えるアクションが印象的なため、参加後のシェアやリツイートを期待したのですが、思ったよりシェアやリツイートは伸びませんでした。推測ですが、Twitter上でつぶやく「もやもや」は、誰かに言いたいというより自己完結するものが多いので、シェアやリツイートのアクションが生まれなかったのだと思います。「もやもや」と一言でいっても、一人で完結する類のものなのか、みんなでワイワイしてすっきりさせたいものなのか、軸は色々ありそうです。  「もやもや」自体、ひとつの大きな共通言語だと思うので、色々なシチュエーションに寄り添うかたちで今後もコミュニケーションしていきたい思います。

――主婦の年収シミュレーターはどのような企画だったのでしょうか?

主婦(夫)が担っている家事やその他さまざまな役割を入力すると、あなたの年収はいくら相当です、とシミュレーション結果を出してくれるというものです。こちらも機能を訴求するだけではなく、情緒的な共感を呼ぶことで女性を応援する、というコミュニケーションを行いました。

――最後になりますが、もやもやを知り尽くしている野際さんのもやもや対処方法を教えてください?  

「もやもや」はまだ知り尽くせていないのでこれからも勉強していきたいと思います(笑)。  私の「もやもや」対処法はスポーツです。フットサルやサッカーでボールを蹴って汗をかいて「もやもや」を解消しています。また、友人たちとお酒を飲んで、談笑することでも解消しています。

※2 「主婦の年収シミュレーター」キリン_主婦の年齢シュミレータ.jpg


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