よりよい番組を作るために私たちができること ~MROCを使った番組改善サポート~

佐藤雅子
ソリューション局
佐藤雅子
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刻々と変わるマーケティング環境に対して、適確に課題を捉え、効果的なソリューションを提案するためには、調査手法の拡充と、それに関わる運用ノウハウの蓄積、企画分析の高度化といった調査基盤の発展・拡張が不可欠です。  今回はここ5-6年でよく使われるようになってきた手法であるMROC(マーケティングリサーチ オンライン コミュニティ)の特徴に触れながら、当社の考える活用法のひとつについて紹介します。

 「予想していた視聴率に届かないことが増えてきた」「今まで視聴率が取れていた鉄板ネタがあまり受けなくなってきている」テレビの番組制作者の方々と話しをしている中で、このような声をきくことが多くなっています。録画機器やインターネット、スマホなどが普及したことで、視聴者のテレビ視聴行動やその選択意識は大きく変化しました。視聴者の選択の自由度はどんどん拡大しており、番組の側からすると「選んでもらう」ためのハードルがますます高くなっています。こういった難しい視聴環境の中、視聴者のニーズや心理を掴み、番組の魅力度を上げて、より視聴者に選ばれやすい番組を作っていくためにMROCが力を発揮します。

MROCとは・・・

●インターネット上におかれた調査専用の掲示板を利用して情報収集する調査手法です。

●掲示板を通して司会者がお題を投げかけ、それに答えてもらい、対象者同士でもコメントしあうのが基本パターン。

●それ以外にも、定量的なアンケート、一人ひとりにつけてもらう日記、写真の投稿など、様々な形で情報収集する機能を備えています。

●対象人数や期間は、目的に合わせて自由に設定できます。人数は十名程度の小規模なものからから数百名の大規模なものまで。調査期間も、1、2週間から数ヶ月、あるいは常設の場合まで様々な形態で実施できます。

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単純にSNSをチェックするだけのソーシャルリスニングでは・・・

①ターゲット全体の反応を反映したものではない可能性がある

②比較的短い発信が多く具体的に良かった箇 所、悪かった箇所の分析までできる書き込みが少ない

③アカウントが固定されるSNSではネガティブな意見は書かれにくい

番組改善を行う上でのMROCのメリットは?

①家庭に居ながら回答してもらえる  →その時間帯の生活行動や気分をリアルに把握できる

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②定量データと定性データを一遍に取ることができる  →評価を客観的に把握した上で、深い掘り下げができる

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③オンエア直後から評価が把握できる  →すばやく番組改善に取り組める

  • ・例えば月曜日の番組を評価してもらい、その結果を翌日の放送で反映させる、といったクイックな対応が可能です。
  • ・実際に、MROCを実施した生放送の情報番組で、出演者の配置についてネガティブな書き込みが相次いだため、翌日の放送から配置を修正した、という事例もありました。

④ターゲット層と長期的なつながりをもてる  →ターゲットの反応を確認しながら番組改善を進められる

  • ・改善前の番組を見てもらって課題を抽出し、同じターゲットに改善後の番組も評価してもらうことが可能です。
  • ・ウィークリーの番組でも、MROCの実施期間を2~3ヶ月に設定すれば、十分改善後の反応を見ることができます。

⑤参加者が時間を掛けて考えられる  →深いインサイトが得られる

  • ・MROCでは時間を掛けて、様々な角度から対象者に自分自身の番組の見方や嗜好を見つめ直してもらうことが出来、その結果深い気づきが得られます。

⑥その時の知りたいことを、気軽に情報収集できる  →番組のネタや切り口についてヒントがえられる

  • ・ひとつの調査として調べるには軽すぎるテーマでも、MROCを実施中であれば、ターゲット層に気軽に投げかけて、今の関心やアイディアを書いてもらうことができます。

    例)

   「ターゲット層の女性は、美容についてどんなことを知りたいのか?」

   「今、『カレー』を特集するなら、どんな切り口がいいんだろう?」

MROCを利用したビデオリサーチならではのアプローチ

 1.番組評価の豊富な経験を活かしたコミュニティ運営  

MROCは強力な調査手法ではありますが、有効なインサイトを引き出すには様々な工夫やノウハウが必要です。特に、テレビ番組は、一般的な商品やサービスとは性質が違うところが多く、担当者がそういった違いをどれだけ理解しているか、視聴者のテレビの見方の実態やトレンドをどれだけ把握しているかによって、インサイトの深さや有用性が大きく違ってきます。  当社は、視聴率データ分析の蓄積の上に、グループインタビューやWEB調査も含めて豊富な「番組評価調査」の経験があるため、MROC実施の様々なステップで、的確な提案や実施が可能です。番組評価.jpg

ここでは、MROCの司会・運営ステップでの、有意義な情報を得るための工夫の一端を紹介します。 グループインタビューでは、モデレーターが掘り下げ質問を投げかけることで深いインサイトに迫ろうとしますが、MROCでは、"対象者が自分で気づく"ための以下のような仕掛けが有効です。

自分の視聴行動を自分で観察してもらう

○例えば、「ザッピングが止まるときは何がきっかけになっているのか?」「番組を見てみたいと思わせる番宣はどんなものか?」など、アンケートやインタビューで尋ねられても漠然としたことや、一般論しか答えられないような疑問を「お題」として出しておき、普段の生活の中でそう思った時にその「事実」を報告してもらいます。

○そうした「事実」の報告を積み重ねることで、一般的なアンケートより格段にリアルな情報を得ることができますし、対象者自身が、これまで気づいていなかった自分の「ツボ」に気づくことがあります。

他の番組と比較してもらう

○同じカテゴリーの好調な番組と比較することで、当該番組の課題がよりハッキリと浮かび上がります。

○例えば、「何となくテンポが悪い・・・」と自分の印象としてしか表現できなかった対象者が、競合番組と比較することで、「出される疑問には興味が持てるんだけど、疑問が解決するまでに余計な話題が入りすぎる!」といったように番組のクリエイティブの問題点として指摘できるようになります。

2.VR独自機能 興味反応測定 

シーン毎にポジティブな印象か、ネガティブな印象かを測定可能

 当社独自のMROCメニューとして、「興味反応」の測定が可能です。これは、特定の番組を見ながら、参加者にPCやスマホの画面上に表示される「○」と「×」のボタンを使って、その瞬間の番組に対する気持ちがポジティブかネガティブかを入力してもらう機能です。  測定は1秒単位で可能ですので、非常にリアルに視聴者の心の動きを把握することができます。興味反応の推移を見ることで、例えば、以下のようなことが確認できます。

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3.リアルグルインやデプスと組み合わせたハイブリッド調査が可能

番組評価の経験豊富なモデレーターを多数抱えていますので、最初にMROCを実施し、その中でより課題にあった対象者、有意義な情報を提供してくれそうな対象者を選んで、更にグループインタビューやデプスインタビューを一気通貫で実施することができます。

 テレビというメディア自体が大きな転換点を迎えているこの時代、ぜひMROCを"視聴者に寄り添った番組作り"に活かして頂ければと思っています。またMROCはテレビ番組以外の分野でも、深い生活者インサイトを探し出す手法として、あるいは生活者と共創的に新しい価値を生み出す手法としてご活用いただけます。ご興味をお持ちの方はお気軽に当社営業までお問い合わせ下さい。

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