ニューメディア事情(16)

VRDigest編集部
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※本記事は1987年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

ハムとVAN

 アマチュア無線家の中で無線通信によるVANが普及し始めている。今回は企業とは直接関係のない人たちも高度情報ネットワークを作ろうという動きがあること、その中でアマチュア無線家たちの動向に注目してみたい。とくに彼らは自分の趣味の中で考え、行動しているので普及も早く、利用率も企業なみになるのではないかといわれている。

 まずアマチュア無線について簡単に話をしておく。アマチュア無線愛好家を通称「ハム」という。なぜハムというのかは不明である(-説には「大根役者」という意味もあると聞いているが)。ハムというのは世界共通語のようである。また、このハム人口は日本が世界一で約140万人、次いでアメリカが同数とのこと、さらに西ドイツ、イギリス、ブラジル、ソ連などが4万から6万の人口がいるという。

 これらのアマチュア無線家たちがVANネットワークにのり出してきた。ハムは低い周波数(短波)を利用して外国との交信をしているし、テレビ電波と同じような使い方もしている。今回のこのVANネットワークは、高い周波数の無線機と、パソコンや出力機能のあるワープロをドッキングし、パソコンなどの情報が雑音とならないようなフィルターの3つで構成されている。通信距離は30Kmから50Km程度であるが、一局で発信すれば受信したい局は何局でも受信できる。また一局対一局でワープロの文字だけで交信することも可能である。ただし、現在はワープロやパソコンが同じ機種でなければならない。情報内容はキャプテンや文字放送に匹敵するものもある。利用者も限定されているので情

報も作りやすく、利用しやすいのかもしれない。

 現在のニューメディアの発達はハードが先行しており、伝達する情報内容が定まらないままスタートしている。それが発展の障害になっているようである。それがこのように自分の趣味のことになると話は大きく変わる。ハムはハードの知識がある上にハムという共通の話題があるということである。初期には交信することに意義を見つけるだけかもしれないが、2万人から10万人のネットワークも可能ではないかと考えられている。

 アマチュア無線なのでまだ技術的問題も残されているが、情報交信に対しての規制(倫理は別)は全くオープンといえる。

 このように多くのアマチュア無線家が今後のニューメディアを引っぱって行く可能性は十分だと考えている。

                                (新規事業開発室 森 一美)

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