AMステレオ

VRDigest編集部
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 ※本記事は1988年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

ラジオ聴取率調査によると、AMラジオの聴取率はここ数年横ばいだという。ラジオは家庭で聞く以外に自動車による聴取が多い。このカーラジオの聴取もカーステレオ、カーCDなどの普及で下がりぎみだという。またFM新局の開局も、聴取率の上がらない要因の1つに考えられている。

 一般的にAMは音質が悪いといわれているが、AMステレオはLPレコードなみの音質と臨場感が得られる。このAMステレオ、米国で実用化されている。当初、方式が.4~5方式あり、統一されることなくそれぞれが実用化された。その後数社が中止し、現在はマグナボックスとカーンの2方式に絞られてきた。全米で約400局がステレオ放送を実施していると推定され、マグナボックス300局、カーンが100局程度といわれている。米国では型式認定済みの装置を利用して放送する場合には届け出などの手続きが不要であるから正確な数値を把握するのはむずかしいので推定値である。大出力局(50kw)200局のうち約50局1/4がAMステレオを実施している。しかしまだ受信機の普及がこれからとあって今後一方式になるのではないかと注目されている。

 日本でも61年から2年間の予定でAMステレオの実験を開始した。今後の展開を予想するのはむずかしいが、早期にAMステレオが放送できることを望んでいる関係者は多い。

とくに既存のAM局は、現在の設備をステレオ化するにそれほど大きな出費(新局を作るほど)がいらないことや、FMより遠距離まで放送がカバーできるので大きな期待をかけている。とくにカーラジオによる聴取が増大するだろうと、自動車業界、スポンサーが注目している。

 ラジオには音楽を中心にした番組と、交通情報や株式などの情報を中心とした番組と電話などを利用した聴取者参加番組が大きなジャンルとして上げられる。このうちステレオ化で注目されるのは音楽を中心とした番組であり、このAMステレオ以外にも衛星を使ったPCM音楽放送を企画する会社が3社、有線では440チャンネルを持つ供給会社が現実に営業している。飲食店や美容院などの企業対象だけでなく個人対象の番組も増加している。

音楽を中心とした放送産業はますますきびしい業界になりそうである。

 このAMステレオが日本で実用化される時期には現在の局も、もっと個性が要求されよう。これだけメディアが多様化してきてるのにどの局も音楽と野球だけというのでは、聴取者は、ついてこなくなる恐れがある。

                                (新規事業開発室 森 一美)

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