VRホームスキャン・データ分析事例(11) ―新聞折込み広告によるセールスプロモーションの実態―

VRDigest編集部
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※本記事は1988年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 VRホームスキャンのデータ分析事例はこれまで購買データの分析が中心であった。今回は視点を少し変えて、スーパーマーケットの新聞折込み広告でどのような商品がどれ位の頻度で値引特売のセールスプロモーションされているのか分類整理し、紹介してみよう。当然これらのプロモーションの効果が消費世帯での購買量や商品選択に現われていると思われるが、今回はプロモーション実態を新聞折込み広告を中心に分析してリポートしてみよう。

新聞折込み広告統計データ

 ここで紹介するデータは、本システム開始以降継続的に出稿統計をまとめているスーパーマーケット12店(GMS5店、SM7店)で'87年7月1日~'88年6月30日の1年間に配布された新聞折込み広告に関するものである。('88年4月1日現在、22店調査)

 また、分析対象商品は表1の加工食品10商品種類と日用雑貨品7商品種類の合計17商品種類で、いずれも折込み広告でよく目にする商品である。

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新聞折込み広告のブランド数と延回数

 表2は'87年7月~'88年6月の1年間に1度でも新聞折込み広告に登場したブランド数と年間の延出稿ブランド数である。今回とりあげた商品種類では、延出稿ブランド数の最も多いものは「即席めん」で、2位の「ペットフード」の2倍以上の頻度である。これに続いて、「ドレッシング」「重質洗剤」「インスタントコーヒー」が出稿頻度の多い5つの商品種類。

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ちなみに、各商品種類ごとに出稿頻度の最も高い製品(単品)は次の通りであった。

●即席めん...........................日清カップヌードル醤油味75g

●マヨネーズ........................キューピーマヨネーズ500g

●ドレッシング.....................キューピー中華ドレッシング200ml

●食用油..............................日清サラダ油1400g缶

●マーガリン........................雪印ネオソフト450g

●カ レ ー........................ハウスバーモントカレー甘口250g

●ペットフード.....................エッフェムフーズペディグリーチャムビーフ410g

●牛 乳..............................雪印牛乳SP1000

●醗酵乳..............................森永乳業ビヒダスヨーグルト500ml

●インスタントコーヒー.........ネスカフェゴールドブレンド100g

●食器用洗剤........................ライオン チャーミーグリーン600ml

●重質洗剤...........................ライオン トップ4.1kg

●歯磨き..............................ライオン ホワイト&ホワイト170g

●シャンプー........................花王メリット ポンプ

●幼児用紙おむつ..................花王メリーズ E M-48、L-48

●生理用品...........................花王ロリエホームバック 普通用57個人

●ラ ッ プ........................クレラップ30cm×20m

特売日数

 新聞折込み広告で広告される特売商品の特売期間は、日替り特売と呼ばれる1日限りのものから数日間にわたるものまでいろんな期間がある。なかには、新聞折込み広告の有効期間として表示されている期間を超えて、商品の特売期間が記載されているものも見られた。

さて、表3の年間平均特売日数をみると、特売日数が最も長いものは「ペットフード」の5.07日、最も短いものは「牛乳」の2.70日である。今回とり上げた商品では、「ペットフード」のみが平均5日の特売日数で期間が長く、他は全て平均日数は3日前後である。

 次に、図1は特売日数分布であるが、日替り特売比率の高い商品種類は「ラップ」(44%)、「食用油」(40%)、「インスタントコーヒー」(38%)、「即席めん」(38%)、「牛乳」(36%)などであり、平均特売日数の最も長い「ペットフード」は「5日以上」の比率が64%を占めている。また、日用維貸品の「食器用洗剤」「重質洗剤」「歯磨き」「シャンプー」の4商品種類の特売日数分布のパターンは驚くほどよく似ているのも特徴のひとつである。

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月別の新聞折込み広告頻度

 商品種類別の新聞折込み広告頻度の月別推移を掲載された延ブランド数でみると(表4、図2参照)、年末がピークになる商品種類と春~初夏がピークになる商品種類に大別できる。年末がピークになるものは、「即席めん」「マヨネーズ」「マーガリン」「インスタントコーヒー」「食器用洗剤」「歯磨き」「幼児用紙オムツ」「生理用品」「ラップ」。春~初夏がピークになるものは、「ドレッシング」「食用油」「カレー」「ペットフード」「牛乳」「醗酵乳」「重質洗剤」「シャンプー」。しかし出稿頻度のパターンをもう少し詳しくみると、「即席めん」では年末以外にも春にもうひとつのピークがある。また、「ドレッシング」と「マヨネーズ」のパターンを比較すると、「ドレッシング」は4・5・7・8・12月に比較的多く、「マヨネーズ」は3・6・12月に比較的多いというように春から夏にかけては交互にプロモーションが行なわれている様子が見える。

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 今回は以上商品種類別のマクロな実態分析が中心であったが、ブランド別にその出稿頻度を分析すれば、さらに興味深い実態が見出される。例えば、「マーガリン」は年末の広告出稿は多いが、ブランド別にみると年末以外にも出稿のピークがあり、雪印「ネオソフト」は10月、味の素「マリーナソフト」は12月と5月、明治「ボーデンコーン100」は3月、日本リーバ「ラーマソフト」は12月、4月、5月という様に各ブランドが交互にプロモーションを展開している実態が浮び上ってくる。

                            (消費者分析部 八木 滋)

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