ニューメディア事情5

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※本記事は1986年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

ニューメディア事情5

―日米CATVの概況―

CATVは、高度情報化社会における地域密着型の情報インフラストラクチャーとして、その健全な発達が期待されている。また、CATVの発展は、CATVにかかわるメーカー、建設工事業、それに番組ソフト供給業、広告業、情報調査業といったCATV関連産業全体に、相当額の直接的な需要創出効果をもたらすものと期待されている。

近々、昭和63年春から米国製の輸入衛星を使用して第一種電気通信事業者のサービスの開始が予定されているが、この衛星サービスのユーザーとしてCATV番組供給業があがっていることから、CATV施設の発展は、これら衛星系の第一種電気通信事業者の需要創出にも大きく寄与し得るものと考えられる。そこで普及率を中心に米国の概況をみてみよう。

米国のCATVは47%近くまで普及している。全米でのテレビ視聴世帯は8.600万世帯、CATV加入世帯は、4、000万世帯。なお建設ずみの端子数は6、400万端子以上でこれに対する加入率は63%、またペイサービスを契約している世帯は2、200万世帯で、これも加入世帯の55%ということになる。

この調査結果は日本のように郵政省がまとめた数値ではなく、調査会社の発表した数値であるため、調査会社ごとに数値は異なっているが、いずれにしても40%以上の世帯がCATVに加入していることになる。そして1990年までには60%の世帯が加入すると予測されている。また、加入世帯の65%は30チャンネル以上の番組を視聴しており、日本のCATVのように12チャンネル以下の施設は、施設数、加入世帯数とも20%以下の少数派となってしまった。

規模別にみると5万世帯以上が加入している施設は94、施設数の1.4%、加入世帯数の21%を占めている。日本の大規模施設といわれる2万から5万世帯の施設が286、施設数の4.2%、加入世帯数の27%となっている。また反対に999世帯以下の小規模施設は全体の50%近いが、加入世帯は5%以下にすぎない。

 したがって米国のCATVはかなり先行しているといえる。日本の施設、加入世帯数に比べ、米国のCATVがいかに大きなマーケットになって来たかがわかる。これも約10年でこれだけのマーケットになり、今後もさらに大きな産業になろうとしている。

その最大のインパクトは衛星利用があげられる。通信衛星を利用し、映像ソフトを大量に提供できるようになったことが、米国のCATVをここまで発展させてきたといえる。

日本でもCATVはまだ、難視聴、受信障害対策を主目的にしたものが多く、多チャンネルの都市型といわれるものは、これからという段階である。衛星利用構想もいくつか話題になってきた。今後日本のCATVに期待したい。 (新規事業開発部 森 一美)

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