94.1%の世帯で見られたリオ五輪 テレビ! 動画! SNS!日本人選手大活躍はどう見られた?

マーケティング事業推進局 テレビ・メディア分析部
鈴木 康之
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第31回夏季オリンピック競技大会が8月6日から22日(日本時間)までの17日間に渡りブラジルのリオデジャネイロ(以降リオ大会)にて開催されました。今大会は28競技306種目が実施され、200を超える国・地域から約1万1000人の選手が参加しました。日本からは338選手が参加、メダル獲得数は41個(金12、銀8、銅21)で史上最多となり、それに比例してメディアの扱いも大きくなり盛り上がっていました。

今回はそのメディアを通してどのように楽しんだのかテレビ視聴率はもちろん、独自アンケートから動画・SNSなどの接触状況を踏まえながら考察してみます。

9割を超える世帯が視聴

まずは、リオ大会がどれくらいテレビで視聴されたのかを関東地区の地上波の結果で振り返ります。2008年北京大会、2012年ロンドン大会を含めた平均視聴率を【図表1】にまとめています。時差の問題や中継競技、日本人選手の参加競技や戦績など様々な状況が大会によって異なるため単純な比較はできませ んが、今大会の全番組平均は7.7%。ロンドン大会の8.4%と比較してやや低くなってい ます。ご存知のとおり、リオデジャネイロは 地球の真裏、日本との時差は12時間で競技中継は深夜〜午前帯という時間帯がほとんどでした。ロンドンの時差は8時間の為、前回大会よりも更に視聴のしづらい時間に競技中継が集中し、それが全体の視聴率に影響を与えたといえそうです。

2016_553_26-29_01.jpgのサムネイル画像

ただし、この結果を見て、「テレビではあまり見られていなかった」とはいえません。総世帯視聴率(HUT)を前年同時期比較してみると、リオ大会期間は、終日(5〜 29時)で2.5ポイントの伸びをみせています。更に大会期間中のテレビ視聴の変化を1時間ごとでみても、競技中継が集中している23時〜 11時の時間帯の伸びが大きく、視聴者が夜更かしや早起きをしてでもテレビをつけていた様子がうかがえます。ただ、ロンドンに比べて増加し始める時間帯が遅くなっていることを鑑みると、やはり「ロンドンよりも視聴しづらい時間帯に競技中継が多かった」ことがテレビ視聴の動きで確認することができます【図表2】。

注)夜間の番組とは 19:00 ~ 22:59 の間に放送が開始された番組

大会平均は開会式放送日(8/6)から閉会式放送日(8/22)までの期間で算出。(但し、開会式前 8/5 に放送されたサッカー予選番組も含む)その後に放送された総集編などは除く。ただし、会期中のハイライトは含む。

NHK─NHK総合+NHKEテレ・民放─民放5局計

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では、どれくらいの世帯にリオ大会は見られたのでしょうか。五輪関連全番組(中継・ハ イライト含む385番組)のリーチ※は94.1%に まで達し、9割を超える世帯で期間中少なく とも一度はオリンピック放送が見られていました。日ごとの推移をみると、開会式のあった6日(土)で6割を超え、萩野公介選手が「男子競泳400m個人メドレー」で今大会初の金メダルを獲得した8日(日)には8割まで達しており、既に期間序盤で非常に多くの人がオリンピック番組に接触したことがわかります【図表3】。

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(関東地区)

注)2016年8月6日(土)~8月22日(月)の有効サンプルより算出(世帯全体:581s)

※ リーチは各番組の放送分数の1/3以上見た場合を「視聴した」 と判定して測定

男子マラソンが最も見られた

次に個別競技の視聴率【図表4】に目を向けると今大会の1位は「男子マラソン」 で23.7%を記録しました。

全体的にロンドン大会に比べ、リオ大会はやや物足りない印象を受けますが、ロンドン大会で 25%以上の高い視聴率を獲得したのはすべてサッカーということを鑑みると、今回は前回ほどの戦績を残せなかったことが影響しているといえるでしょう。

サッカーを除けば「マラソン」をはじめ「レスリング」「体操」などの競技は前回並みの視聴率となっています。

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注)同一試合が複数枠に分かれている場合、高位 1 本を選出

動画・SNSが存在感を発揮

ここまでテレビ視聴に関する結果を振り返りましたが、ここからは大会閉幕後に行ったインターネット調査の結果を紹介します。

まず、「動画」を中心としたサービスである民放テレビ局による「gorin.jp」や NHK のサイト・アプリへの接触状況は、ロンドン大会と比べて利用率が2倍に増加しています【図表5】。デバイスの普及、サービスの多様化などで、ここ数年で動画を視聴する環境は 急速に整備されましたが、オリンピックというコンテンツでも一定の存在感があったといえます。さらに「動画」で五輪を見た人の利 用目的は、ロンドン大会では「テレビ中継のない競技・種目を見た」(4割超)が非常に多かったのですが、今回のリオ大会では「時差で中継が見づらかったので便利だった」「見たいときに見られて良かった」(ともに4割超)が多くなっています。時差によるテレビ中継の見づらさをこういったネットサービスの拡充によって視聴を補完しただけでなく、両者を使い分けしてより楽しむ様子が強く見てとれる結果となりました。

また、SNSによる情報接触者の増加も目立ちます。主要なSNS(※)いずれかを利用してリオ大会に関連する情報に接触した人は37%で、ロンドン(21%)と比較して大きく伸びています。このように、インターネットがオリンピックコンテンツでも重要な媒体となってきていることが分かります。

次回の夏季オリンピックはいよいよ東京大会です。日本で夏季大会が開催されたのは約50 年前、東洋の魔女が戦った女子バレー決勝戦の視聴率は 66.8%の歴代2位を獲得するなどテレビ視聴の高さには目を張るものがありました。 

次回の東京大会はテレビ中継はもちろんのこと、インターネット動画やSNSはより存在感を増していく可能性が大きいでしょう。自国開催ゆえ、会場での観戦やパブリックビューイングも増大するでしょうし、バーチャルリアリティ技術を利用した新たな視聴体験も注目されます。こういった視聴のされ方がさらに多様化するであろう次回の東京大会ですが、メディアの垣根を越えて純粋に"なにが誰にどれくらい見られたか"が把握出来れば、オリンピック中継もまた違った一面をみせてくれそうです。

※主要SNSとは「Facebook」「mixi」「Twitter」「LINE」「Instagram」「Google +」

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注)ロンドン:N=1121 /リオ:N=1206(全体)

オリンピックに関する調査

調査手法  インターネット調査全国に居住する 15 ~ 69 才の

調査対象  リサーチパネル男女個人

リオ 1,206 人 / ロンドン 1,121 人

有効標本数  ※人口構成に合わせてウェイトバック集計をした結果を掲載

調査期間  リオ 2016年8月26日(金)~9月4日(日)

ロンドン 2012年8月13日(月)~8月14日(火)

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