正宗ブームと視聴率 ―仙台支社―

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※本記事は1988年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

◆政宗ブームの火つけ役、視聴率60%を記録

1987年の仙台は、まさに"政宗"に始まり"政宗"に暮れた1年であった。

 昨年のテレビドラマで最大の話題を集めたNHKの大河ドラマ「独眼竜政宗」が過去25年の大河ドラマ史上、視聴率からみて空前の記録となった。政宗のお膝元のここ仙台では、さらに異常な人気を巻き起した。番組放送がスタートした1月の第1回の視聴率は仙台地区で43.8%であったが第2回は50%を超え51.4%の視聴率を記録、いち早く政宗ブームをつくる起爆剤、火つけ役の視聴率となった。この視聴率推移は表1にみる通りで50回の放送の中で14回も60%を突破した。その後の視聴率は、夏場のプロ野球シーズンでもナイター中継を終始圧倒し、ちなみに最も高かった放送は12月13日放送分(最終回)65.0%の視聴率を記録、人気のすさまじいことがうかがえる。

 これら人気の背景としては「徳川家康」以来4年ぶりの時代劇に対する期待感の大きいことがあげられ、図1にみるように60年放送の「春の波涛」と比較しても各年代の視聴者層を取り込もうとした工夫が功を奏したといえる。

 高視聴率番組「独眼竜政宗」ほ、その後"政宗ブーム"を演出するマスコミ報道とイベント、そして"東北博"大イベントを大きく盛りたてることになった。

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◆政宗ブーム・東北博イベントの経済的効果 ―1,000億円―

 高視聴率に沸く仙台に"その現地をみよう"と視聴者の動きは、春からほじまった04~5月にかけてのゴールデンウイークは、折からの政宗ブームで観光客が仙台にあふれ、道路は渋滞し、住民の交通にも支障をきたすほどであった。

 さらに、5月23、24日の"第3回青葉まつり"には、政宗役の渡辺謙、愛姫役の桜田淳子が来仙、ますますブームに火をつけた格好となった。

 そして、夏、このころ大型イベントが続き、7月15日仙台地下鉄開業、続いて7月18日"未来の東北博覧会"の開幕、8月は恒例の"仙台七夕まつり"が6・7・8日の3日間にわたり開かれ、史上最帝の264万人の人出でにぎわった。

 特に73日間の会期中、入場者200万人を想定した"未来の東北博覧会"は、ついに約300万人の入場者を記録し、開幕前の目標入場者を大幅に上回ったのも"政宗ブーム"の"恩恵"とその波及効果によるもので、開幕前の地元の不安をみごとに払拭した。

12月には、1986年全国的に話題になった"光のページェント"も行なわれまさに、イベントブームの一年であった。

 一方、地下鉄が開通した7月15日に照準を合わせた大型店のリニュアルが相次ぎ、7月以降、仙台の百貨店の売上げ表2にみるように好調な推移を見せた。その要因としてはまず、観光客の大幅な増加、さらに営業時間の延長といった対応も見逃がせない要因となっており、こういった様々な要因が重なって、流通業、観光の売上げに好影響をもたらした。

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 「独眼竜政宗」のテレビが高視聴をとって政宗ブームの火うけ役となり、さらに青葉まつり→未来の東北博→仙台七夕まつりなどのイベントが波及効果をもたらし、百貨店のリニュアルオープン→地下鉄開業などの要因が重なり流通業、交通、観光へ経済的波及効果をもたらしていった。

 最大のイベントであった東北博は4億円の出資(県2億、市1億、河北新報7千万、商工会議所3千万)で180億の事業収入があったとされ、宮城県を中心に関連地区さらに図示した各種のイベント波及効果で全体の経済的効果は、1,000億円にも遷したと推計される。

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 こうしたマスコミとイベント・プロモーションが大きな経済的波及効果をもたらし地城活発化に結びついた典型的ケースをここにみることができる。

 さて1988年、今年は「武田信玄」が高視聴率でスタートしている。

 第1回放送の1月10日の関東地区の視聴率は42.5%、さらに第3回1月24日は48.6%、そして第6回2月14日は49.2%と驚異的な視聴率を記録している。

 昨年の東北・仙台の政宗ブームに代って、その舞台は信玄ブームに沸く"甲斐の国"へ移っている。山梨、静岡、長野に渡るという信玄の足臥地域活発化へのイベントは目下進行中である。果して今春からどんなことになるのだろうか。                 (仙台支社業務課 根本重夫)

仙台の新しいプロフィール

 仙台市は昨年、政令都市以外でははじめて地下鉄が開通、また、"未来の東北博"を開催し、"政宗"のテレビ放映などもあって全国各埠から多数の観光客を集めた。昨年11月には隣接する宮城町を合併、さらに今年3月には、同じく泉市、秋保(あきう)町を合併した。泉市との合併劇は、宮城県下の第1の都市が第2の都市を併合するという全国でもめずらしい出来ごとであった。これで昭和64年4月の政令都市指定へむけて大きく前進したわけである。そこで緯度ではワシントン、ソウルとほゞ同位地にある新しい仙台市のプロフィールを紹介すると表3のようになっている。

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