広島カープの人気は...... ―広島支社―

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※本記事は1988年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

"福岡ではプロ野球々団の再誘致運動が盛ん"とのことです。そうすると現在カープ球団を擁する広島はさしあたって先輩地域といえるでしょう。地元球団を持つといっても、その維持には相当な経費と努力が必要で、「弱かった頃のカープは球場前に樽を捉えてそこに寄せられたファンの寄付によって運営されよった」という話を今でも年輩のファンは誇らしげに話します。

 そこで今回はカープという地方球団を通じて地方都市を考えてみることにします。

<視聴率ではカープ人気>

 阪神・中日・広島のセリーグ地方球団の地元におけるナイター視聴率を年次別に追ったのが下のグラフです。

・地元カードナイター視聴率

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 広島はカープ戦で33~36%と非常に高い視聴率で安定しています。しかし、名古屋地区で中日の成績('84-2位、'87-2位)や星野・落合効果('87)が視聴率をアップさせ、阪神フィーバー('85)が顕著であるのに比べて、広島はその熱狂現象がみられません。あるいは、ハイになりっぱなしなのでしょうか。

<地域密着の番組編成>

 3地区について、番組の送り手側についてみたものが次のグラフです。

 各地区とも近年、対巨人戦以外の対戦カードを積極的に取り上げているようすが、よくわかることと思います。

・地元カードナイター放送本数

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<強いだけではもの足りない>

 福岡でもお考えのように、球団には地元市民の精神的寄りどころといった抽象的役割を求めるのみならず、直接・間接を問わず有形の経済的効果をも期待しているはずです。一口で言うならば"街の活性化"です。そして、端的にその貢献度を表わす尺度が観客動員数と言えるでしょう。

 広島カープは1試合平均約1万7千人、と残念ながら低い動員数で安定してしまっています。この4年間で2度もリーグ優勝を果しているにもかかわらず'85の阪神フィーバーのような現象はみられません。

 そして、広島の観客動員がふるわない原因として次のようなことが指摘されています。

 1)地方都市という人口的制約

 2)ナイター終了後の帰宅交通手段の未整備

 3)飲食店を含む商業施設の閉店時間の早さ

 4)チーム自体の話題性の乏しさ

 広島とは反対にチーム成績にかかわりなく観客動員が上手なのがヤクルトといえそうです。'87年ほホーナー効果で動員数を飛躍的に伸ばし、'88年もカズシゲ効果で保証何というところでしょう。

・チーム別1試合当り観客動員数

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<地方博と球団経営>

 おりしも、来年1989年は全国の主要都市が軒並み市制100周年を迎え、地方博ラッシュの様相を呈しています。広島でも県、広島市等の主催による「'89海と島の博覧会・ひろしま」が来年7月~10月の期間開催される予定です。地方都市がみずから、その活路をきりひらいてゆく時代がおとずれた感があります。

 しかし、一過性のイベントはカンフル剤的な役割しかなく、"その後"の不安もつきまとうものです。その点、球団経営は永続的な努力が都市の恒常的発展につながり、地方都市にとって、よりふさわしい事業と言えるでしょう。

                                (広島支社業務課 奈良 尚)

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