1988テレビ回顧録 ―関東地区視聴率調査から―

VRDigest編集部
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 ※本記事は1989年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

昭和最後の年、1988年は、わが国でテレビ放送開始から35年、放送法の改正、衛星放送の普及、オリンピック、そして昭和天皇のご病気......とテレビは数多くの事件や世相を映しだして暮れた。そこで関東地区の視聴率調査から主なトピックを追いながら1年間のテレビ回顧録を綴ることにした。この年最大の話題は、スポーツの祭典ソウル・オリンピックの開催であった。史上最高の参加者を記録したこの大会は、我々を熱狂させた。

 また、在京の民放テレビ各局が終夜放送のスタートに踏み切った。オイルショックで放送時間が短縮された頃を思うと、嘘のような話だ。

 ということで、テレビが映した1988年を振り返ってみよう。

Ⅰ.熱く燃えた夏 ―ソウル・オリンピック大会―

 '88年9月17日(土)から10月2日(日)迄16日間にわたって開催された、第24回夏季オリンピックソウル大会は、ジョイナー等スーパースターを生み、数々の名場面を残した。

 今大会は、隣国ということで時差が1時間しかなく、テレビ中継は生中継が多かったのが特色だ。各放送局で放送されたオリンピックの中継・ハイライト番組は延べ293時間11分。この内40~60時間視聴した世帯が特に多く、換算すると1日1世帯当り約2時間30分オリンピック番組を見ていたことになる。(グラフ①)

 開期中の総世帯視聴率をみると、他の週より高くなっている。(グラフ②)また、時間別にみると朝や夜はあまり普段と変わらないが、日中は高くなっており、その分がこの期間の総世帯視聴率の上昇につながったようだ。(グラフ③)

 競技内容からみると、「男子マラソン」や「柔道」等、メダルの期待の高かった競技や人気選手の出た競技が高視聴率を記録した。(VRダイジェスト'88年12月号参照)

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Ⅱ.テレビは夜も眠らない 

―終夜放送スタート―

 '87年10月のTBS・フジテレビの終夜放送開始に加え、'88年10月には日本テレビ・テレビ朝日も終夜放送を開始した。人々の生活パターンの多様化やVTRの普及したことがその理由と思われる。

 これまでは深夜番組というと、映画や外国ドラマの再放送やベラエティ番組が多かったが、日中やゴールデンに比べ時間の区切りや内容に制約があまりないせいか、時間枠や内容に各局の工夫がみられ、音楽ライブやスポーツ、トーク、討論番組等々、大衆相手ではない番組が増えてきているようだ。

 曜日に注目して深夜のテレビ視聴をみると、週休2日制の普及のためか、土曜深夜はもちろんのこと、金曜深夜の視聴も増加している。(グラフ④)

 その視聴者は、若者だけでなく30・40代も増えてきており、視聴者層の広がりがみられる。

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Ⅲ.巨人をごむブーム去る!? ―巨人戦中継不振―

 毎年春から秋にかけては、プロ野球中継がテレビを賑わせているが、昨年は巨人の成績がふるわなかった為か、例年なら高視聴率を記録する巨人戦の中継が、今年はあまり良くなかった。東京ドームのオープンや呂選手の活躍等の話題も役に立たなかったようだ。

 巨人戦中継の視聴率を月毎に追ってみると、チームの成績の良かった前半は視聴率も高かったが、成績のふるわなかった後半は視聴率も下降してしまった。(グラフ⑤)成績の良くない試合はみたくないという、ファンの心理だろうか!?

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Ⅳ.紅白史上最低!! ―'88年話題番組―

 昨年一番話題になった番組といえば、何といっても大晦日の「紅白歌合戟」だろう。毎年何かと話題になるこの番組だが、昨年の視聴率は、視聴率調査始まって以来の最低値となってしまった。しかし、低いといっても番組視聴率で50%といえば、高視聴率である。

 また、一昨年の「独眼竜政宗」の人気をうけてスタートした「武田信玄」も好調で、最高49.2%と、64年の「赤穂浪士」(53.0%-11月29日)以来の高視率を記録した。

'88年はこんな-年だったが、'89年テレビは何を映しだすのだろうか?

                                (テレビ調査部 中奥美紀)

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