「衛星放送によるテレビジョン放送有料方式の技術的条件」を答申

VRDigest編集部
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※本記事は1989年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

郵政省は電気通信技術審議会(斉藤成文会長)から「放送衛星によるテレビジョン放送における有料方式に関する技術的条件」の答申を受けた。これは有料放送を行う一般放送事業者が放送衛星を用いてテレビジョン放送を実施する場合に適用するもので、受信契約者しかみられないようにするためのスクランブル(信号を暗部ヒする)方式等の技術的条件の答申である。スクランブル方式の全国的有料放送は日本でははじめてである。つまり、契約した受信者のテレビにはスクランブルを解く装置であるデコーダをつける。そうするとテレビ局は暗号をとくためのカギ情報を衛星で送るが、契約していない人にはカギがとどかないため画面が鮮明にうつらない仕掛けとなっている。

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答申の概要

1.はじめに

1990年夏に打上げを計画している放送衛星3号(BS-3)を用いて、一般放送事業者が有料方式によるテレビジョン放送を行うことになっている。この放送は映像信号及び音声信号にスクランブルを施し、スクランブルを解く鍵を有する受信契約者のみが受信できる方式である。

2.技術的条件の概要

(1)映像のスクランブル方式 映像のスクランブル方式は高い秘匿性が得られ、復元画質の劣化が少ない次の方式とする。

 ①走査線内信号切換方式1走査線内の映像信号部分を適宜の長さに切って左右に入れ換える。

 ②走査線転移方式 映像信号部分を走査線を単位として上下に入れ替える。

 ③走査線内信号切換・走査線転移併用方式 これらを併用する方式を用いるときは、走査線転移を行った後、走査線内信号切換の順でスクランブルを行う。

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(2)音声のスクランブル方式 衛星テレビジョン放送の音声のスクランブル方式は、容易に高い秘匿性が得られる次の方式とする。

擬似ランダム(PN)信号加算方式衛星テレビジョン放送の音声信号はディジタル信号を用いており、ランダムに発生する雑音信号を加えることによって、もとの信号とは異なる信号が得られる。受信側では送信側で加えられた維音信号を減算することによって、もとの信号を取り出す。

(3)関連情事艮の伝送方式 スクランブルされた映像信号や音声信号をデスクランプルするためのスクランブル鍵を含む「番組情報」、送信側からデスクランプル機能の入、切を行うために送出する「制御情報」(この両者を併せて「共通情報」という)、受信契約者との契約の情報、番組情報の暗号化部を復元するためのワーク鍵等を含む「個別情報」及び受信契約者のためのサービスに関するメッセージから成る「メッセージ情報」を総称して関連情報と呼ぶ。関連情報は次の方法によって伝送する。

 ア. 伝送方法音声信号の伝送に利用したビット行列の残りの部分を利用し、パケット構成として伝送する。

 イ. パケット構成 ヘッダ部16ビット、データ部272ビットから成る288ビットの固定長で構成する。

 ウ. 関連情報の暗号化 関連情報は暗号化を行うが、暗号化のアルゴリズム及び適用領域は特に定めず、事業者の選択に委ねる。

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3.参考

(1)放送の規模等 ①この方式を用いる放送ではデコーダが1億台程度になっても対応でき、また複雑な鍵の構造によって;柘巨利用が極めて困難な方式となっている。

②なお、放送披を利用しない関連情報(スクランブル鍵等)の配布は、この答申の中に含まれていないが、パケット長等のフォーマットが決められていることから、デコーダは共通のものが使用でき、事業者は関連情報の配布方法を適宜選択することが可能な方法となっている。

(2)答申に関する今後の作業 我が国では本答申のような技術を用いる有料放送の前例が全くないことから、答申の内容を踏まえで院重に検討をしつつ省令等の改正作業を進める予定で

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