'85年のテレビ広告量の動向(2)

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※本記事は1986年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

'85年のテレビ広告量の動向(2

 

広告主数とCM銘柄数

-この数年2,200社、約5,000銘柄-

前号につづいてテレビCM白書からCMの動向を紹介します。

'85年1年間に、いったいどのくらいのテレビCMが放送されたのだろうか?そこで関東地区民放5局と関西地区民放4局の年間テレビCM本数と時間数を合計してみると、関東地区は118万本(2,338万秒)、関西地区は103万本(1,903万秒)が放送された。つまり関東地区では毎日毎日約3、250本関西地区でも約2,820本のCMがテレビから放送されたことになる。

一方、こうしたCMに登場する銘柄数は図1にみるように関東地区が5、166件、関西地区も5、042件でほぼ同程度である。またこれらのCMを出稿した広告主も関東関西地区ともに約2,200社で、この数年銘柄数、広告主数ともほとんど変っていない。

それでは、どのような業種の広告主がテレビに出稿しているのだろうか?まず、最も多いのは関東、関西地区ともに「サービス・娯楽」で、全広告主数の2割前後(関東18%、関西21.8%)を占め、次いで「食品・飲料」「家庭用品・機器」となっている。しかしながら銘柄数をみると「食品・飲料」が最も多く、全体の30%近くを占め、次いで「化粧品・洗剤」「サービス・娯楽」になっている。(図1)

また広告主の数を前年と比較してみると、全体では関東地区が6社、関西地区で10社減少している。

・広告主数が減少した主な業種

  関東地区......家庭用品・機器(-11社)、精密・事務用品(-10)、基礎材(-9)、化粧品・洗剤、出版(-8)

関西地区......出版(-20社)、化粧品・洗剤(-9)、薬品(-8)

・広告主数が増加した主な業種

  関東地区......サービス・娯楽(+16社) 食品・飲料(+15)、卸売・百貨店(+7)

  関西地区......食品・飲料(+14社)、輸送機器(+8)、電気機器(+6)

特に「出版」は両地区とも銘柄数も減少している。また「食品・飲料」も広告主数は両地区とも15社前後増加しているが、銘柄数は大幅に減少している。

次に広告主をネットスポンサーとローカルスポンサーに分けて図表でみると、関東・関西地区ともネットスポンサーがやや減少しているものの、全体構成比は前年同様ネットスポンサーが6割、ローカルスポンサーが4割となっている。(図2)

しかしながら業種別に衰1でみると、ネットスポンサーでは関東・関西地区とも「化粧品・洗剤」「出版」「サービス・娯楽」がやや減少し、「輸送機器」「電気機器」が増えている。また前年にくらべ全体の広告主数が大幅に増加した両地区の「食品・飲料」や関東地区の「サービス・娯楽」はすべてローカルスポンサーの増加である。(表1)

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CM出稿量の商品種類・広告主別ランキング

-関奏では「通信販売」関西では「即席麺類」-

●商品種類別出稿量ランキング

'85年1年間の商品種類別出稿量を表2から番組CMとスポットCMの合計でみると、前年同様関東地区は通信販売・カタログ販売などを中心とした「他の特殊小売店」、関西地区では「即席麺類」がトップであった。関西地区はこの数年「即席麺類」がトップの座を占めているが、関東地区は、83年以降「他の特殊小売店」の伸びが著しく、「即席麺類」も出稿量は増加しているもののランキングの上では第2位になっている。

また、関東地区の3位以下は「他の精密機器」「普通乗用車」「化粧品総合」の順で変わっていないが、関西地区は「普通乗用車」が3位から2位に上がり、'84年2位の「化粧品総合」と3位の「飲食業」がそれぞれランクを1つ下げている。

さらに、表2で最近5年間でランキングが急上昇した商品をみると、関東地区では「株式」「焼酎」が際立っている。特に「株式」は、81年の71位から年々上昇し、'83年には27位、'85年には11位に躍進している。また「焼酎」は今年初めて20位以内に登場したが、'83年(80位)から'84年(21位)にかけての増加が著しく、'85年のランキングは17位だが、やや伸びは鈍化している。なお、他に今年20位以内にランキングされた中では、外国政府観光局や郵政省の出稿量が増加した「官庁・自治体」や科学万博つくば'85関連CMが大きく寄与している「他の諸団体」が注目される。

関西地区についてみると、「普通乗用卓」に加え、「ちん味・肴」('84年16位→'85年7位、約8、200秒増)の上昇が目立っている。また今年、関西地区ではじめて20位以内に入った商品としては「住宅・建材総合」「スポーツ・娯楽」「焼酎」などであり、「焼酎」は関東地区同様'83年から'84年にかけての伸びが著しい。

ところで、上位20商品種類のうち関東・関西のいずれか-方の地区にのみ登場する商品は次の通りである。

<上位20商品のうち関東地区のみに登場>

⑨位  宿泊業

⑪位  株式

⑱位  官庁・自治体

⑲位  スーパー

⑳位  他の諸団体

<上位20商品のうち関西地区のみに登場>

⑫位  他の食品

⑬位  カレー

⑭位  食品総合

⑱位  他の医薬品

⑲位  スポーツ・娯楽場

また、上記以外に両地区とも20位以内にランキングされた商品の中でも順位に差があるものがある。関東地区の順位が高い商品は「他の特殊小売店」(関東1位、関西5社)、「他の精密機器」(3位→11位)、「住宅・建材総合」(6位→17位)、逆に関西の方が高い商品は「飲食業」(関東8位、関西4位)、「ちん味・肴」(13位-←7位)、「胃腸薬・緩下剤」(16位←10位)などである。商品種類別ランキングの全般的傾向としては、関東地区がサービス、情報や非日用品が高く、関西は食品関係や薬品など日用商品(モノ)のランキングが高くなっている。(テレビ・ラジオ調査部)

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ニューメディア事情(3

=文字放送は普及するか=

文字放送は普及するか

郵政省は、テレビジョン文字多重放送(法律上の正式名称)がこれまで文字多重放送や文字放送などバラバラな名称で呼ばれていたのを、今後、この普及を推進するため、名称を統一した方がよいとの判断で「文字放送」に一本化した。

文字放送はテレビの電波に便乗して放送されるもので「茶の間のニューメディア」と呼ばれている。

文字放送は昭和60年11月に実用化され、現在東京地区で10社、大阪地区で6社、名古屋地区で1社となり、年内には福岡など全国的にも広がる状勢である。

この文字放送はキャプテンと同じ方式(ハイブリッド伝送方式)を使用し文字情報をテレビ画面で視聴できるシステムである。現在のテレビに、文字放送受信用のアダプターを付けるか、内蔵型の新しいテレビを購入しなければ視聴できないので、このアダプターまたは内蔵型のテレビが普及しなければならない。しかしキャプテンシステムと同様に本格的普及には、価格の問題、提供する情報内容の問題など乗り越えなければならない課題は多いものの、テレビ局各社、また第三者法人も含め多数の会社が誕生し番組数も大きく増加しつつある。またキャプテンと異なりアダプターか、内蔵型テレビを購入すれば現在のテレビ番組と同様に情報が無料で手に入るわけであるから、受信機が安くなれば普及はキャプテンよりは速いと考えられる。

郵政局もこの文字放送の普及には関心が高く、現在の技術基準も安い受信機が製作できるなら改善することも考えられる、としている。

この技術基準については放送局、メーカーなどで構成する放送技術開発協議会で検討し、今年の9月までには何らかの提案をしたいとしている。しかしこれは実用化される前にもっと検討しておく問題であったはずである。技術基準の変更があるということになれば、新しい内蔵型テレビも、アダプターも仕様変更されるかもしれない。これはこれから購入しようとしている人達にとっては大きなマイナスと考えられる。

このニューメディア機器もやはり普及には時間がかかりそうである。一般の人達はまず機械を見て、触れてから、それが本当に便利なものならば購入するもので、何が出てくるかわからない、どんな利用方法があるかわからない、ということでは普及に時間がかかると考えられる。(新規事業開発部 森 一美)

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