ニューメディア事情(4)

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※本記事は1986年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

ニューメディア事情(4

― 高品位テレビの現状 ―

高品位テレビ(ハイビジョン)は、次世代のテレビとして、広く世界中の注目を集めている。とくに日本の技術レベルは高く、その中心的役割を果たしている点でも注目されている。しかしフィールド実験をするための放送衛星が故障しているという事情もあってなかなか市場に出現してこない、実験が実施されていれば、一般家庭でも視聴する人がいただろうが、数年間は遅れてしまった感じである。しかし技術のレベルはますます高くなってきているので、それらの動きについて高品位テレビの現状を見てみる。

技術レベルの問題の前に、この高品位テレビは国際統一規格にしようという動きがある。現状のテレビ放送方式は国によって放送方式が異なり自国のテレビを外国へ持っていっても視聴できない。そこで全世界で利用できる国際規格を作ろうというわけである。しかし残念なことに、日本や米国が協同で提案した国際規格基準は、ヨーロッパなどの反対があって、まだ審議中である。これも貿易摩擦などの問題を考えると、国際統一規格は難かしいのではないかと言われている。これなどが速く決定しないことには、メーカーの対応も進まず市場への進出が遅れる原因の一つであると考えられる。

規格統-は放送方式だけでなく、スタジオ内、フィールドにおいての仕様も問題にされるが、こちらのほうも同様に開発は進んでいるものの、まだ規格は出来ていない。

開発の進んでいる技術をいくつかあげてみると、35mmの映画をテレビ映画に変換するテレシネ、現在のテレビでは、フイルムで取材したテレビ番組、劇場用に制作した映画をテレビで放送するために毎日使用されるものであり放送が実用化されれば当然必要な機器である。そのほかにもフィールド用のカメラ、中継機なども現在のものと大きさもほとんど変らない高性能化されたものが出現している。また現在のテレビとの対応においても、高品位テレビを現在のテレビ方式(NTSC)や、ヨーロッパのテレビ方式(PAL)に変換できるシステムも制作されている。それに衛星やCATVの回線を利用するには情報量が多く数チャンネル分のチャンネルが必要になるがこれを帯域幅を圧縮してチャンネルで放送できる、MUSE方式というものも開発されていてまもなく実用レベルになるものと考えられる。

このように実用化へ向けて技術開発は進んでいる。テレビ画面も大型画面でパネル方式が出現しようとしている。しかしこれらの技術は進んでも利用者にとって大きな問題は、『何が視聴できるのか』という問題である。映像ソフトの充実が今後発展の重要なキーになると考えられる。

(新規事業開発部  森 一美)

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