日本代表善戦!!高視聴率も記録!サッカー・2002FIFAワールドカップ

VRDigest編集部
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※本記事は2002年に発刊したVR Digestに掲載されたものです

 2002年5月31日、サッカー2002FIFAワールドカップが、日本と韓国との共催で幕を開けました。前回のフランス大会で、初めて日本代表は本選に出場し、テレビでの試合中継は高視聴率を記録しました。今回は、日本での開催ということもあり、開幕前からテレビを始め新聞・雑誌など様々なメディアでワールドカップを取り上げることが多く、視聴者の期待も高まっていたことと思います。

 さて、今大会は試合は全部で64試合ありましたが、テレビの地上波ではそのうち40試合が中継されました。(CSのスカイパーフェクTV!では全試合を中継)ここでは、地上波で放送された40試合について、視聴状況を見ていきたいと思います。

◇日本×ロシア戦は歴代3位の視聴率!!

 既に新聞などで報道されたのでご存知の方も多いと思いますが、6月9日(日)に行われた日本×ロシア戦(フジテレビ 20:00~174分間)の関東地区での視聴率は66.1%を記録し、ビデオリサーチが1962年12月3日に視聴率調査を開始して以来3位という高視聴率となりました。(図1参照)この歴代高視聴率番組のトップは1963年の「NHK紅白歌合戦」、2位は1964年の「東京オリンピック大会」東洋の魔女と言われた女子バレーなどの中継です。テレビ以外の娯楽が現在ほど多くなく、一家に一台のテレビを家族揃って見ることが家族団欒の中心となっていた60年代の番組が上位となっていたわけです。それに対し、一家に複数台のテレビがあり家族が揃ってテレビを見ることは少なくなり、テレビ以外にも様々な娯楽がある現在で、ワーソレドカップがこれだけの高視聴率を獲得したのは、視聴者のワールドカップへの関心の高さと日本代表への期待の表れといえるでしょう。ちなみに、この対ロシア戦では終了直後の22時20分時点の視聴率が81.9%を記録しました。

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◇やはり日本戦が高視聴率!

 さて、ワールドカップ40試合の関東地区での平均視聴率は29.8%でした(図2参照)。

平日の日中は視聴できる人が限られるため、日中の試合より、視聴者の在宅率が高い夜間に行われた試合の方が平均視聴率は高くなっています。ここでは個々の試合のデータは詳しく紹介しませんが、試合が進むにつれワールドカップが視聴者に浸透していったのか、予選リーグより決勝リーグの試合の方が高視聴率となる場合が多く、準決勝、決勝では日本代表が出場しないにもかかわらず、準決勝・3位決定戦は30%以上、決勝戦は50%以上の高視聴率を記録しました。日本代表は予選リーグの3試合と決勝リーグの1試合の計4試合があり、そのうち2試合は平日の午後であったにもかかわらず、平均視聴率は51.7%もありました。

図2 ワールドカップ試合中継平均視聴率

        <関東地区>

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◇一番人気は静岡地区

 ワールドカップは、関東以外の他地区でも高視聴率となりましたが、地区によりやや傾向が異なりました。地元にJリーグチームがあり、子供の頃からサッカーに親しむ人の多い静岡地区では、平均視聴率が33.6%とビデオリサーチの日報調査10地区の中では最高となっています。(図3参照)

図3 ワールドカップ試合中継地区別平均視聴率

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 さて、ここからは、ワーリレドカップがどのように見られたかを、関東地区のデータで詳しくみていきましょう。

◇女性が支えたワールドカップ

 では、どんな年代がワールドカップをよく見たかを、層別にみてみましょう。サッカーというと若い男性に人気のスポーツかと思われがちですが、図4をみると、全40試合の平均視聴率は、女性35~49才が最も高く、次いで男性50才以上、女性50才以上となっています。これは、視聴者が限られる平日の日中の試合もあったためと思われますが、夜間の試合だけで平均視聴率をみても、女性35~49才が最も高くなっており、この層の関心が高かったことがうかがえます。ニュース・ワイドショー番組などでも、ルールを詳しく解説したり、日本代表だけでなくイングランドのベッカム選手など欧米の選手らをもよくとりあげていましたので、その影響もあったのかもしれません。

 日本が戦った4試合の平均視聴率をみると、ほとんどの層で全40試合平均より10ポイント以上高く、女性35~49才では20ポイント以上高くなっています。今回のワールドカップは、女性中年層が支えたと言っても過言ではないでしょう。

図4 ワールドカップ試合中継 世帯一個人平均視聴率<関東地区>

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◇男性20~40代のテレビ視聴を促進した!?

 では、ワールドカップは、視倍音のテレビ祝聴の促進剤となったのでしょうか?

 図5はワールドカップ期間中の世帯と個人の層別の全局視暗率ですム前年同月(2001年6月平均)に比べると、大会期間の平均は全日(6~24時、プライムタイム(19~23時)とも世帯では2ポイント近く高くなっています。個人では、プライムタイムで男性20~34才、男女35~49才が5ポイント以上高くなっています。日本戦が放送された4日間の平均をみると、世帯・個人とも前年同月を大きく上回り、特に男性20~34才、男女35~49才では10ポイント以上高くなりました。女性35~49才は通常もテレヒ顎聴が多い層で、その視聴量がさらに増加したわけですが、通常、テレビ視聴があまり多くなく男性20~40代は、ワールドカップ期間中はできるだけ早く帰り中継を見た人が多かったということでしょうか。

図5 ワールドカップ開催期間中の世帯・個人の全局視昧率<関東地区>

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◇96%の世帯に到達!

 では、ワールドカップはいったいどれだけの世帯・人が見たのでしょうか。

 図6は、各試合の1/3以上視聴した場合を「その試合に到達した」と判定して、試合毎の世帯における到達率を累積していったものですが、日本の初戦、対ベルギー戦で既に76.9%にまで到達し、ワールドカップ開催期間のまだ1/3の時点での日本の2試合日、対ロシア戦で89.2%に達し、最後の40試合日では95.8%にまで達しました。ワールドカップをほとんど見なかった世帯は約4%しかなかったということになります。図7で個人の累積到達率をみると個人全体で88.5%、男性50才以上では93.2%という高い結果となりました。

 次に、図8で視聴世帯における平均視聴回数をみると、40試合中15.2試合となっており3諦合に1試合は視聴している計算となります。個人についてみると、女性35~49才が最も多く11.4試合となりました。

図6 ワールドカップ40試合 番組累積到達率<関東地区世帯>

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国7 ワールドカップ40試合累積到達率 図8 ワールドカップ40試合平均視聴回数

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  注)集計母数=5/31(金)-6/80(日)に1日以上有効のサンプル

   視聴判定=放送分致の1/3以上視聴した場合を「到達」(1吉式台の中継が=ユースなどで中断している場合は、ニュース枠も含めて1つの放送枠とみなす)

◇日本×ロシア戦は9割の世帯が1分以上視聴

 では、最高視聴率を記録した「日本×ロシア戦」の視聴状況を詳しくみてみましょう。

図9は、対ロシア戦の世帯での視聴分数分布をグラフ化したものです。この試合を全く視聴しなかった世帯は全体の約1割で、9割は少なくとも一度はチャンネルを合わせたことになります。視聴した世帯では、全体の6割強が放送の2/3以上を視略しており、さらに2割が放送のほぼ全枠を視聴しています。

 サッカーの場合、途中にハーフタイムがある上に、この日の放送は試合の開始前と開始後にも解説や選手紹介、CMの挿入などもあったため、放送のすべてが試合の中継だったわけではありません。放送の2/3以上視聴の世帯は、試合そのものはほとんど視聴した世帯と思われます。

 ちなみに、2001年に最高視聴率だった「NHK紅白歌合戦(後半)」の視聴分数分布と比較してみると、「日本×ロシア戦」の方が1分以上の視聴世帯が多く、放送分数の2/3以上の視聴の割合も多くみられますこしかし、「紅白」の方が放送のほぼ全件の視聴が約3割と「日本×ロシア戦」より多くみられました。

図9 「日本×ロシア戦」と「紅白歌合戦」の視聴分数分布

         <関東地区 世帯>

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 毎年決まった時期に放送されるプロ野球や大相撲などと異なり、ワールドカップは4年に一度の開催で、なかなか自国でやる機会は少ないため、海外の開催になると時差があり生中継でのテレビ視聴が難しい点などが、オリンピックに似ています。どちらも日本選手の活躍がみられないと、視聴者の関心は高まりません。しかし、オリンピックは様々な競技があるため、オリンピック全体みると、今回のワールドカップのように高視聴率となる場合はほとんどみられません。

 今回のように、事件や事故ではなく、スポーツのイベントで1ヶ月も長期にわたり国中がお祭り騒ぎ状態になり、テレビの視聴も多かったという状態は、非常に稀な状態であったと言えます。

 先日、新しい日本代表監督にジーコ氏が決定しました。4年後のワールドカップはドイツで開催されるため、時差があり今回に比べ視聴の環境は厳しくなると思われますが、もし、日本代表が本選に出場し、今回同様、いや今回以上の活躍をみせてくれれば、またこのような高視聴率が記録されるかもしれません。日本代表の今後の活躍に期待しましょう。

                                テレビ調査部・中奥美紀

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