OLYMPIAD SEOUL '88 テレビで観戦・熱い声援!!

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※本記事は1988年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

~第24回オリンピック・ソウル大会の視聴率から~

 史上最多の160カ国・地域が参加した世界スポーツの祭典、オリンピックがお隣りの韓国の首都ソウルで9月17日(土)から10月2日(日)まで16日間開催された。

 このオリンピック・ソウル大会は.米国や日本が多額な放映権料を払い、テレビの中継をかなり考慮した競技スケジュールが組まれた。日本では.時差が1時間しかないということで、競技の多くが生中継またはあまり時間をおかずに中継され、しかも注目度の高い競技は在宅率の高い夜や休日に放映された。

 そこで、このオリンピック大会を関東地区の視聴率から振り返ってみた。

■オリンピックでHUT上昇!■

 オリンピック期間中(9/18~9/25・9/26~10/2の2過)のHUT(総世帯視聴率)を通常過(9/5~9/11)と比較してみると、オリンピック期間中の方が高くなっている。特に全日(6-24時)は6~8%高くなっている(表1参慮)。

 一日のHUTの動きでみると、朝・夜は通常週を少し上回る程度だが、昼間は通常週よりかなり高くなっており、15%近く高くなっている時間帯もある(グラフ1参照)。全日のHUTが高くなっているのは、この昼間の視聴が多いためである。これは、オリンピック期間中に普段より在宅者が多かったというよりも、在宅者数は普段とあまり変わらないが、在宅していてもいつもはテレビをみない人まで、テレビをみたということであろう。

 しかし、この期間中に天皇陛下のご容体が悪化され、そのご様子を伝える報道番組がかなり放送されたことも、HUTの上昇の一因となっていると思われる。

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■華やかな幕開けと幕切れ■ ―関会式と閉会式―

 オリンピックの開会式・閉会式は、大会のハイライトとして話題になるが、今大会も趣向をこらし華やかなものとなった。

 東京大会以降の開会式・閉会式の視聴率をみると、大会によって開催国との時差があったり、放送する局が一局だったり何局もあったりと、条件は一律ではないが、やはり自国で開催された東京大会が非常に高視聴率で、日本やアメリカ、西欧諸国が参加しなかったモスクワ大会の視聴率が低くなっている。

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■メダル獲得数と視聴率■

 このソウル大会で日本選手団が獲得したメダル数は、金メダルは4個しかなく、銀・銅メダルをあわせても14個と、東京大会以降では最低となった。前回のロサンゼルスは、東欧諸国の参加がなかったためもあって、32個と過去最高でしたが、今回はその半分にも及ばなかった。

 しかし、中継の最も多かったNHK総合の平均視聴率は、メダルの数とはあまり関係ないようで、ロサンゼルス大会とあまりかわらない視聴率となっている。

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■オリンピック中継番組上位10■

 表4は、オリンピック中継番組の高視聴率番組上位10である。これをみると、開会式・閉会式はもちろんのこと、中山・瀬古選手の出場したマラソンが1位に入っており、斉藤選手の柔道や鈴木選手の水泳、池谷・西川の高校生コンビの体操など、好成績をあげた競技、また、白熱した試合をみせた女子バレーボール、ジョンソンとルイスの対決した陸上等オリンピック開催前から注目度の高い競技の中継が高い視聴率を記録している。しかし、同じように開催前から注目されていた橋本聖子選手の自転車や小谷実可子選手のシンクロナイズドスイミングは、中継が平日の昼だったこともあり、あまり高い視聴率は得られなかった。

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■男子マラソン中山選手に熱い注目!■

 先に述べたように、今大会の中継で最高視聴率をマークした男子マラソンは、大会最終日の10月2日(日)日本時間13時35分にスタートした。前回のロサンゼルス大会では14位と奮わなかった瀬古選手や、オリンピック初登場の中山選手にメダルの期待も高かったのだが、残念ながら中山選手4位、瀬盲選手9位という結果に終った。

 このマラソン中継の毎分視聴率の推移をみると、スタートから徐々に上昇した視聴率が35㎞地点を過ぎ中山選手が先頭集団から遅れ始めた頃62.9%を記録、ピークとなり、中山選手が4位でゴールするとともに一気に下降した。前評判も高かったし、先頭集団できわどい接戟を続けたので、視聴者も優勝できるかどうか期待しながらテレビ観戦していたのが、結果がわかったとたんに視聴率が下降するという視聴者行動のリアルな実態を毎分視聴率から詰みとることができる。

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 今大会は、普通のテレビ中継だけでなく、NHKの衛星第一放送でも中継された。というより衛星放送の方が生中継が多く、競技のない時間帯はVTRを放送するという具合に放送時間のほとんどがオリンピック中継であった。

 また、このオリンピックは"ハイビジョン"中継も実施され、ハイビジョン推進協議会は全国81カ所にハイビジョン受信機を設置し、一般公開した。"ハイビジョン"は走査線1、125で普通のテレビ放送より粒子が細かくより鮮明な画像を楽しめるテレビで、日本が世界にアピールしたハイビジョンのイベント・プロモーションでもあった。

 このように、このソウル大会はオリンピックスポーツだけでなく、メディアの世界でも活発なイベントが展開され、数多くのドラマと話題を残して閉幕した。

                             (テレビ・ラジオ調査部 中奥美紀)

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