紅白歌合戦第2部及びミレニアム越年時テレビ視聴分析

VRDigest編集部
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※本記事は2000年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 本年度の越年時はミレニアムということで視聴率に関して一体どの様な変化を見せるのだろうかということを話題にされた方もあったかと思いますが、その"お答え"の一部をこの誌面でご報告させていただくことにします(データはすべて関東地区)。

 まず、本年度の越年時の視聴行動に例年と比べて劇的な変化があったのかをみるため「越年時テレビ非接触世帯の時系列推移」をチェックしてみます。具体的にはそれぞれの年度の大晦日・元旦・1月2日について終日(朝の5時から翌朝の5時までの24時間)テレビが全くつかなかった世帯の比率です(グラフ1)。交通機関やライフラインにY2Kで問題が起きる可能性が指摘されたり、例年は年末年始休暇の人が出勤になったりということ等から本年度のお正月に帰省・旅行等を手控えた人が多くなるのではとの予想もありました。その仮説が正しいのなら、下がるはずの数値なのですが、例年と比べて特に変化はみられないという結果になりました(全日のHUT等でみても特に変化はありませんでした)。

 ちなみに越年時ではどういった時に変化が現れるのかというと、ここ20年ほどのデータからみてみると、景気のよい時に非接触世帯の割合が多くなるといった傾向があります。今のところ、普段の視聴率にもあてはまるファクターですが「不景気だとテレビの前に座り、好景気だと出かける事が多くなる」という要素が越年時のテレビの稼働・非稼働という点で見た場合も大きく作用すると言えそうです。

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続いて紅白歌合戦第2部の分析結果についてみていきましょう。本年度の番組平均世帯視聴率は50.8%で、年間の1位の座は確保しましたが、昨年とくらべると6.4ポイントのダウンということになりました。まずは、世帯・個人の視聴分数分布データの過去3年分をみてみることにしましょう(グラフ2)。

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 個人ターゲット毎にみると、昨年、一昨年とくらべてさまざまな動きをしていることがわかります。特に4~12才の女性と13~19才の男女で、個人視聴率、番組に対する長時間視聴の比率が両方とも大幅に落ち込んでいることが目立ちます。

 次に、紅白1部から2部への視聴の流入流出分析を13~19才男性のターゲットで行ってみました(表1)。('99年、'98年ともに紅白1、2部ともに番組の長さの1/3以上見た人を"見だ"と判別して分析しました。)

 すると、'98年は紅白1部を見たと判定された人の約9割が紅白2部も続けてみているのに対しで'99年は約4割にとどまる結果となっていることがわかりました。視聴継続量そのものの比率も'98年の36.7%から'99年は15.8%に激減しています。1部視聴終了後、紅白2部では、他局を見に行ったりテレビを見るのを止めた人が本年は多かったということなのでしょう。

 男性65才以上についてみてみると、このターゲットにおいても個人視聴率・長時間視聴の比率が落ちる結果となっています。

 最後に大晦日の21時から24時までについて、個人ターゲット別にテレビを全く見ていない人達の比率を昨年と比較してみてみることにします(グラフ3)。すると、13~34才の若い層でテレビを見ていない比率が一昨年とくらべて昨年は高くなっているのがわかります。他の年も同じ分析を行ってみないとはっきりしたことは言えませんが、カウントダウン参加、Y2K出社等で家を空けた人も多かったのかもしれません。

逆に35~49才男性ターゲットではテレビ非接触者比率が本年は下がっています。これはY2Kで自宅待機だったのでしょうか。いずれにしても本年度はミレニアムであったことと窺わせる分析結果となりました。

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 ここからはミレニアムから少し離れて、年末年始特有の恒例番組のいくつかについて重複視聴分析(視聴判定:1/3)をかけてみたいと思います。

 今回「レコード大賞」「紅白歌合戦(第2部)」「かくし芸大会」「箱根駅伝・往路」「箱根駅伝・復路」の5つの番組をピックアップしてその視聴の重複の様子をみることにしました。

 世帯の重複パターンベスト5を見ると(表2)、1位は「紅白」のみの視聴で、やはり数ある恒例番組の中でも「紅白」が抜きん出た存在であることが改めてわかります。それに続く2位が「紅白」&「箱根駅伝・往路」&「箱根駅伝・復路」を視聴しているパターンで、3位以下をかなり引き離しているところをみると、『年の暮れには紅白を見て、お正月はゆっくり箱根駅伝を続けて見る』というのがひとつの日本人のお正月の過ごし方のパターンになっている様子が窺えます。以下、「紅白」&「かくし芸大会」、「紅白」&「箱根駅伝・往路」、「箱根駅伝・往路」&「箱板駅伝・復路」といったパターンが続いています。以前は「レコード大賞」を見てから「紅白」を見るという年の暮れの視聴習慣があったのでしょうが、この両者が競合番組となっている現状を映してか、この両者の重複視聴はベスト5には現れませんでした。

 さて、ここで先に目立った「紅白」&「箱根駅伝・往路」&「箱根駅伝・復路」の重複視聴について各ターゲット別に到達率をみてみます(グラフ4)。すると、男女共50才以上が突出して高いことがわかります。このようにテレビの視聴を通してみると50才以上の世代では決まったパターンで年越しを実感するのに対し、それ以下の比較的若い世代はそれぞれのスタイルで年越しを過ごしているケースが多いと推測することができそうです。最近は元旦から営業する店も珍しくなくなりましたが、つい10年位前までは大晦日やお正月三が日に営業する店は珍しい存在だったと思います。vol380_12.jpg

 そんな形で年末年始のあり方も時の流れに伴って大きく変わっていく部分もありますし、逆に変わらない部分もあるでしょう。年末年始のテレビ視聴についてもそんな『年末年始の日本人の過ごし方』の一部として注目し続けていきたいものです。

 また、その一方で多チャンネルの時代が目の前に迫ってきています。日本人の6~24時の生活サイクルに合致した総合編成の現地上波と民放BS、そして専門チャンネルのせめぎ合いが本格的に始まる年度でもあります。そしてそれぞれのチャンネルの進捗状況を単なる平均データではなく、分析者側は手法を駆使して見極めることを要求される年がミレニアムの今年であると思っています。

                         媒体調査一部

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