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テレビCMプランニングのあらゆる課題に関する指標をご提供するTV-CM KARTE Special report

目次

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はじめに

 このたび、2011年9月末に「TV-CM KARTE Special report 2011」を発刊しました。本レポートは、テレビCM評価調査「TV-CM KARTE」のデータを用いたテレビCM効果に関する分析レポートです。1986年に初めて発刊して以来、今回で19冊目の発刊となりました。

 今回の主な内容は、

  • (1) ブランド評価Norm値の更新
  • (2) タレントタイプ・クリエイティブ特性がCM評価に及ぼす影響の分析

 になります。(1)のブランド評価Norm値は、目標とするブランド認知率を獲得するのに必要なCM投下量の目安値や、「TV-CM KARTE」でブランド評価を行う際の評価基準値を提供するものです。

 また、(2)の分析では、タレントタイプやクリエイティブ特性を切り口として、テレビCMの制作・編集や投下量の検討に役立つ情報を提供しています。

 本稿では、いくつかの分析をピックアップしてご紹介したいと思います。

※「TV-CM KARTE」は、テレビCMの浸透度とクリエイティブ評価を確認するための調査です。毎月1回調査で、1回あたり約100CMの調査を行い、年間で1200CMのデータが溜まる仕組みになっています。

調査概要

調査概要です
調査地域 関東地区(東京30km圏)
調査対象者 満13~59歳の男女個人
標本抽出法 エリア・ランダム・サンプリング
調査方法 訪問による質問紙留置法
目標有効標本数 600人
調査対象CM数 1回あたり約100CM
調査スケジュール 原則毎月1回、年間12回実施

目標とするブランド認知率獲得に必要なテレビCM投下量

 テレビCM投下量を検討するためには、目標とする成果を達成するのに必要なテレビCM投下量を把握しておくことが重要です。本レポートの「Ⅰ.『TV-CM KARTE』ブランド評価Norm値の更新」では、テレビCMの成果指標を「ブランド認知率」に設定し、CM投下量とブランド認知率の関係をまとめています。

 【図表1】は、CM投下量とブランド認知率の関係のアウトプット例です。青色の曲線は、商品ジャンルAの過去の新製品におけるCM投下量とブランド認知率の平均的な関係を表しています。この曲線は

Y = aXb(Y:ブランド認知率、 X:ブランド単位個人GRP、 a,b:係数)

 というシンプルな関係式で表されているので、CM投下量に対する標準的なブランド認知率を簡単に計算することができます。また、目標とするブランド認知率から、その認知率を獲得するために必要なCM投下量を逆算することも可能です。【図表1】に示しているとおり、商品ジャンルAの新製品においては、平均的に見て、ブランド認知率30%を獲得するために1350GRPの投下が必要だということが分かります。

【図表1】 CM投下量とブランド認知率の関係
【図表1】 CM投下量とブランド認知率の関係

 この方法は、利用するデータが「ブランド単位個人GRP」と「ブランド認知率」のみで、考え方が分かりやすいのが利点です。グラフ上に自社ブランドのデータと競合ブランドのデータをプロットして競合比較を行うことや、自社ブランドのデータと青色の曲線を比較してブランド認知獲得効率を評価することも可能です。


CM評価を上げるタレントタイプ・クリエイティブ特性

 本レポートの「Ⅱ.タレントタイプ・クリエイティブ特性がCM評価に及ぼす影響」では、テレビCMの成果指標を「テレビCM認知率」、「商品興味・関心喚起度」、「商品購入喚起度」のようなテレビCM評価指標として、タレントタイプやクリエイティブ特性とCM評価の関係を明らかにすることを試みています※1

 この分析の目的は、タレントタイプやクリエイティブ特性を切り口として、クリエイティブの制作や編集の方向性を検討したり、テレビCM投下量を判断したりする際に役立つ情報を提供することです。<タレントタイプ・クリエイティブ特性>を表すデータとして用意したデータは次頁上部に掲載しましたので、ご参照ください。

 【図表2】は、分析対象となっているテレビCMをCM中の「タレント出演秒数」が0~5秒のCM、6~10秒のCM、11秒以上のCMに3分類し、テレビCM評価との関係を見たものです(分析対象のCMはすべて15秒CMです)。テレビCM投下量とCM認知率の関係をみると、タレントの出演秒数が長いほどテレビCMの認知率が高くなっているのが確認できます。1000GRPのCM認知率を比較すると、0~5秒のCMと11秒以上のCMでは約20%の差があります。一方、商品興味・関心喚起度のスコアをみると、僅かではありますが、タレント出演秒数が長いほどスコアが低くなっています。タレントの出演はCM認知率の獲得には有効ですが、タレントが目立ち過ぎると商品の印象が薄れ、商品の興味・関心喚起につながりにくくなる可能性があるということです。

【図表2】 タレント出演秒数とテレビCM評価の関係
【図表2】 タレント出演秒数とテレビCM評価の関係

タレントタイプ・クリエイティブ特性 一覧

  • タレントタイプ
  • 日本人 人気度A
  • 日本人 人気度B
  • 日本人 その他有名人
  • 日本人 その他非有名人
  • 有名外国人
  • スポーツ選手
  • お笑い芸人
  • 子供
  • 動物
  • 有名アニメキャラ
  • アニメ・CG・人形
  • タレント・キャラクターなし
  • CM特性
  • タレントアップ秒数
  • タレント出演秒数
  • 商品アップ秒数
  • 商品表示秒数
  • 商品効果・利用シーン秒数
  • キャッチコピー提示秒数(音声含む)
  • カット切替秒数
  • 商品名ソングによる商品名音声
  • 出演有名タレント人数
  • ナレーション文字数
  • テロップ文字数
  • サウンドロゴ
  • ダンス
  • シリーズ性
  • 同一タレント・シリーズ性あり
  • 同一タレント・シリーズ性なし
  • 非同一タレント・シリーズ性あり
  • 非同一タレント・シリーズ性なし
  •  
  • 音楽タイプ
  • 音楽なし
  • 曲のみ
  • 歌あり(出演者は歌っていない)
  • 歌あり(出演者が歌っている)
  •  
  • ブランドタイプ
  • 新ブランド/既存ブランド

 さて、タレントタイプやクリエイティブ特性の、どの特性がテレビCM評価を上げるのに効果的なのでしょうか。この問いに答えるには【図表2】のようなアウトプットを並べるだけでは不十分です。現実には、1対1の関係ではなく、タレントタイプやクリエイティブ特性の各要素が複雑に影響しあいながらテレビCM評価が決まっているからです。

 このような課題に応えるためには、シミュレーションモデルの構築が必要になります。タレントタイプやクリエイティブ特性の全要素からテレビCM評価を推定するシミュレーションモデルです。通常、このような分析課題に対しては、重回帰分析などの「線型モデル」が使われますが、線型モデルにはマルチコ(多重共線性)という問題や「交互作用を検出するのが不得意」という問題があります※2。そこで今回は、「ランダムフォレスト」という手法を用いてシミュレーションモデルを構築しました。

 【図表3】は、構築したシミュレーションモデルからタレントタイプやクリエイティブ特性のテレビCM認知率に対する「重要度」を算出した結果の一部です。重要度は各指標がどの程度テレビCM評価に対して影響するのかを表す指標です。結果をみると、この4指標の中で最もテレビCM認知率に影響するのは個人GRPとなっています。次いで、出演有名タレント人数の影響が大きく、タレントアップ秒数の影響が最も小さいです。タレントの顔のアップの長短は、あまりCM認知率に作用する要素ではないようです。

【図表3】各指標のテレビCM認知率に対する重要度
【図表3】各指標のテレビCM認知率に対する重要度

 以上のように各指標の重要度は、テレビCM評価指標に対して影響が大きい指標を教えてくれます。ただし、重要度は「影響の大きさ」を表す指標であり、影響の方向性までは表現していません。また、「全体としてどの程度影響があるのか」を表す指標であり、どのようなクリエイティブでもそのスコアどおりの影響があるというものでもありません。ある特定のクリエイティブを想定したときに、各指標がテレビCM評価にどのように影響するのかを知るためには、そのクリエイティブを想定したシミュレーションが必要になります。

 【図表4】は、CM投下量とシリーズ性のテレビCM認知率に対する影響をシミュレーションした結果です。想定した<クリエイティブの特性値>と<シリーズ性の定義>は次頁下部に掲載しましたので、まずはご覧ください。クリエイティブの特性値はできるだけ典型的なCMとなるように、分析対象CMの各特性値における「最頻値」(最も度数が多い値)を参考にしてセットしました。

 【図表4】のグラフをみると、シリーズ性のタイプによってGRPのCM認知率に対する影響の仕方が異なることが確認できます。「同一タレント・シリーズ性あり」のCMは、過去のストック効果があるため、少ないGRPでも高い水準の認知率を獲得することができます。ただし、さらに高い認知率を獲得するためには、かなり多くの投下量が必要になってきます。

 一方、「同一タレント・シリーズ性あり」以外のCMは、300GRPまでCM認知率が低水準です。タレントが変わったりシリーズ性を持たなかったりしたCMは、過去のストック効果が小さい(若しくはない)ので、少ないGRPでは消費者に認知されるのが難しいということを表しています。400GRPでCM認知率が急上昇することから、効率面から考えても最低400GRPの出稿が必要ということになります。また、タレントを変えたりシリーズ性をなくしたりする場合には、700~900GRPの投下をしないと「同一タレント・シリーズ性あり」の初期値(100GRPあたりの認知率)に追いつくことができない、という見方もできます。

【図表4】 GRPとシリーズ性のタイプによるCM認知率のシミュレーション
【図表4】 GRPとシリーズ性のタイプによるCM認知率のシミュレーション

想定したクリエイティブの特性
タレントタイプ 特性値 CM特性 特性値 音楽タイプ 特性値
日本人 人気度A × タレントアップ秒数 0秒 音楽なし ×
日本人 人気度B × タレント出演秒数 11秒 曲のみ
日本人 その他有名人 商品アップ秒数 0秒 歌あり(出演者は歌っていない) ×
日本人 その他非有名人 × 商品表示秒数 0秒 歌あり(出演者が歌っている) ×
有名外国人 × 商品効果・利用シーン秒数 0秒 ブランドタイプ 特性値
スポーツ選手 × キャッチコピー提示秒数(音声含む) 0秒 新ブランド/既存ブランド 既存
お笑い芸人 × カット切替秒数 3秒  
子供 × 商品名ソングによる商品名音声 0秒
動物 × 出演有名タレント人数 1人
有名アニメキャラ × ナレーション文字数 65~85文字
アニメ・CG・人形 × テロップ文字数 80~132文字
タレント・キャラクターなし × サウンドロゴ ×
  ダンス ×

<シリーズ性の定義>

  1. 同一タレント・シリーズ性あり
    過去(または同時期)に放送された自ブランドのCMと同じタレントが出演し、同じような雰囲気・トーンのCM
  2. 同一タレント・シリーズ性なし
    過去(または同時期)に放送された自ブランドのCMと同じタレントが出演しているが、雰囲気・トーンが違うCM
  3. 非同一タレント・シリーズ性あり
    過去(または同時期)に放送された自ブランドのCMと違うタレントが出演しているが、同じような雰囲気・トーンのCM
  4. 非同一タレント・シリーズ性なし
    過去(または同時期)に放送された自ブランドのCMと違うタレントが出演し、雰囲気・トーンも異なるCM

 以上の例では、「典型的なテレビCM」を想定して、GRPとシリーズ性タイプによるCM認知率のシミュレーションを行いました。このモデルでは、前提となるクリエイティブ特性を変更すればシミュレーション結果も変わります。例えば、タレントのタイプを「日本人 その他有名人」ではなく、「日本人 人気度A」にすれば、「同一タレント」のCM認知率に対する影響度がより大きくなるかもしれません※3。出演タレント人数を「1人」ではなく、「2人」にした場合も同様です。このように、あらゆる条件下でのシミュレーションを行えるのがこのモデルの特徴です。

 このモデルで分析できる課題としては例えば以下のようなものが挙げられます。

  • クリエイティブA案とB案では、どちらのクリエイティブにすべきか
  • 有名タレントを起用できない場合、CMの認知効率をなるべく落とさないようにするにはどうすれば良いか
  • 新商品のアピールをしつつCMの認知効率も下げたくない場合、商品の効果・利用シーンとその他のクリエイティブ特性のバランスはどのようにするのが良いか

 テレビCMの制作・編集や投下量の検討を行う際、想定しているクリエイティブ特性をベースにしてシミュレーションを繰り返すことで、意思決定に役立つ知見が獲得できると思います。


おわりに

 今回は、「TV-CM KARTE Special report 2011」の分析内容を紹介させていただきました。この分析は、テレビCMの制作・編集や投下量の検討に役立つ情報を志向して行ったものです。特に、後半のシミュレーションモデルは、クリエイティブ特性をデータ化しテレビCMの成果指標との関係を見る、という新しい試みでした。


「TV-CM KARTE Special report 2011」掲載内容一覧

「TV-CM KARTE」ブランド評価Norm値の更新

  1. CM投下量(ブランド単位)とブランド認知率の関係 -ブランドジャンル間比較-
  2. CM投下量(ブランド単位)とブランド認知率の関係 -ブランドジャンル別一覧-
  3. 「TV-CM KARTE」ブランド評価各指標の平均値 -ブランドジャンル別一覧-
  4. 「TV-CM KARTE」ブランド評価各指標に対する相関係数 -性・年代別一覧-
  5. 「TV-CM KARTE」ブランド認知率ランキング -ブランドジャンル別一覧-
  6. 出稿パターン別 個人GRP←→世帯GRP換算早見表

タレントタイプ・クリエイティブ特性がCM評価に及ぼす影響

  1. CM投下量とCM認知率の関係 -タレントタイプによる比較-
  2. 「TV-CM KARTE」各指標の平均値 -タレントタイプによる比較-
  3. CM投下量とCM認知率の関係 -クリエイティブ特性による比較-
  4. 「TV-CM KARTE」各指標の平均値 -クリエイティブ特性による比較-
  5. タレントタイプとクリエイティブ特性によるCM評価推定モデル

付録)2010年度(2010年4月~2011年2月)好評テレビCMランキング

「TV-CM KARTE Special report 2011」関連商品のご案内

Digital版CD

Microsoft Excel上で、下記の5つのメニューの集計・作表・作図が行えます。

  1. CM投下量(ブランド単位)とブランド認知率の関係 作表機能
  2. ブランド評価 各指標の平均値一覧 作表機能
  3. 出稿パターン別 個人GRP←→世帯GRP 換算機能
  4. タレントタイプ別 CM投下量(個人GRP)とCM認知率の関係 作表機能 
  5. タレントタイプ別 各指標の平均値一覧 作表機能

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※「Digital版CD」「PDF版報告書」「アプリケーションソフト」は報告書のご契約が前提となります。


※1 テレビCMの成果指標としてどのような指標を扱うかは分析の目的、商品ジャンル、ブランドのコンディションなどによって様々です。ここでは、分析ケース数の関係で、「TV-CM KARTE」で調査しているすべてのテレビCMで測定されているテレビCM評価指標を成果指標と設定しています。

※2 マルチコ(多重共線性)とは、説明変数(今回の分析ではタレントタイプ・クリエイティブ特性の各指標)同士に高い相関がある場合に解釈不能な結果を出力するという現象です。また、「交互作用」とは他の説明変数の状況によって、当該説明変数の基準変数(今回の分析ではテレビCM評価)に対する影響の大きさや方向性が変わってしまうことを指します。例えば、有名で人気のあるタレントがCMに出演している場合には、タレントの出演秒数が長いほどテレビCM認知率は上がりそうですが、無名で人気のないタレントの場合には、いくら出演秒数を長くしてもテレビCM認知率には貢献しない、という状況です。この場合、タレントの人気度と出演秒数はテレビCM認知率に対して「交互作用がある」と言います。

※3 「日本人 人気度A」と「日本人 その他有名人」の定義は以下のとおりです。

日本人 人気度A :当社テレビタレントイメージ調査で人気度(「非常に好き」+「やや好き」の合計)が30%以上の日本人タレント(男女調査タレント各500人の約1割)
日本人 その他有名人 :テレビタレントイメージ調査で調査対象外となっている日本人有名人
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