札幌地区(北海道)のテレビ視聴率と視聴特性

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#テレビ #視聴実態 #視聴率

ファッションと歌はサッポロからといわれている150万都市、札幌。札幌市は近年大きく発展しつつある若い都市であります。本稿はこの150万都市の札幌市民がテレビ視聴にどんな特性を持っているか、世帯視聴率調査から分析を試みてみました。

札幌市民はテレビが好き?

まず、'86年9月29日〜12月28日の季報より3カ月平均のテレビ視聴時間をみますと、図1にみられるように札幌地区の1世帯当り視聴時間は1日平均8時間1分となっています。これは毎日6時〜24時の18時間のうち約45%もの時間が家庭でテレビ視聴の時間にあてられていることになります。視聴時間は、8地区の中で最も多く、第1位になっており、生活時間の中でテレビが非常に大きな位置をしめていることがわかります。(図1)

因みに、'85年1月1日〜12月31日の1年間のデータ(衰1)でみましても、札幌地区は8時間7分となり、札幌市における世帯のテレビ視聴時間が長いことがわかります。

これらのことから札幌市民の、"テレビ好き"を窮い知ることができます。

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"雪まつり"もテレビ視聴に影響する?

テレビ視聴は日出、日入、気温・天気等の気候やイベントなどによって影響されます。

図2は札幌地区における週平均総世帯視聴率('79年〜'86年の8年平均)について年間52週の動きを分析したものです。

このグラフからテレビ視聴率は季節により大きく変動していることがわかりますが、これに加え、第5、6週のところで視聴率がやや低下しています。この両週は毎年いずれかの週で"札幌雪まつり"の開催週に当ります。この視聴率低下は雪まつり会場への期間中、その人出が190万人(、86年)ともいわれるように市民が雪まつりで外に出るのが多いためであるといえましょう。

また、北海道では夏の海水浴期間は7月末頃から8月初めにかけての1週間といわれています、この期間が31週目に当ります。視聴率はこの週のところでもやや低下していますが、これは夏の短期集中の海水浴によるものと考えられます。これら冬と夏2つの現象は札幌地区の視聴率に他地区との差異を特徴的にしめした視聴現象です。

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札幌市民は音楽、一般劇、劇場用映画が好きで報道、時代劇を敬遠?

さて、札幌市民は7地区に比較してどんな番組種目に視聴の差異を持っているでしょうか?。図3と4は'86年9、10、11月の月報を基に19時〜23時の番組種目別平均視聴率を7地区と比較分析した結果、その特徴的なものをとりあげたものです。

まず、図3は札幌地区の視聴率が比較的高い番組種目です。

番組種目別に札幌地区の視聴率をみるとつぎのようになっています。

・音楽番組............仙台地区、静岡地区に括抗して上位グループにあります。

・一般劇番組.........静岡地区に次いで高くなっています。

・劇場用映画番組...北部九州地区、静岡地区に次いで高くなっています。

これに対し、図4は札幌地区の視聴率が7地区に比較して低い番組種目であります。

・報道番組............他地区では3カ月ともほとんど10%強の視聴率になっていますが、札幌地区で10%強の月は11月のみとなっています。

・時代劇番組.........札幌地区の視聴率は関東地区や広島地区と並んで下位グループにあります。

以上、番組種目別の分析では、札幌という地域特性を反映してか、よく視聴されているのが、音楽番組、一般劇(ドラマ)番組、劇場用映画番組などで好まれています。しかし、報道番組、時代劇番組は他地域に比較して敬遠されているようです。

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札幌市民は巨人ファン?

次に、プロ野球ナイターの視聴状況を'86年4月4日〜10月12日のデータでみてみます。

札幌地区のナイター平均世帯視聴率は関東地区と同じく22.1%となり、静岡地区(26.1%)、広島地区(24.0%)に次いで高くなっています。(図5)

また、札幌地区について最近5年間の推移をみますと、唱2年が23.7%、'83年24.4%となり、'84年以降の3年間は22%台で推移しています。

それでは、札幌市民はどの球団のナイター中継をよくみるでしょうか?表3にみるように、巨人カードの視聴率が巨人カード以外の視聴率に対し相対的に関東地区と同じく他の6地区よりも高くなっています。つまり、札幌地区の巨人カードへの斜傾が強いことがわかります。

またこの傾向は'86年10月の視聴現象にはっきりとあらわれています。'86年10月12日(日)に広島カープがリーグ優勝を決めた時の対ヤクルト戦のナイター中継で札幌地区以外の7地区ではいずれも22%以上の視聴率をあげていましたが、札幌地区では18.6%と他地区との差が大きくなっていました。以上のようなことから札幌市民には巨人ファンが多いことを窮い知ることができます。

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札幌はやはりスキー本場

雪あってのスキー!これに施設と気象条件も加わってかスキー競技のテレビ放送は毎年ほとんど北海道発となっています。そこでこのスキー競技(スキージャンフ、回転、滑降)のテレビ視聴率を86年のデータ(番組数12本平均)でみますと、図7のどとく、札幌地区では13.3%と他埠区の2倍前後にもなっています。これはスキー競技のテレビ放送が地元ということもありますが、札幌市民の中には、スキー愛好者が他地区よりも多い(図8)ことも起因しているといえましょう。このように雪の本場、北海道札幌でスキー競技の視聴率が他地区に比べ"ダントツに高い視聴率"になっているのは、札幌地区の地域特性を如実にしめしているといえます。(北海道支社業務課 梅田義雄)

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