雑誌広告接触効果レポート MEGASCENE AD

VRDigest編集部
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※本記事は2000年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

データ活用事例のご紹介

今年4月にvol.1(女性ヤング誌編)がリリースされた雑誌広告の接触効果を示す『MEGASCENE AD』も、7月のvol.2(一般週刊誌・ビジネスマネー誌編)、9月のvol.3(男性ヤング誌・モノトレンド情報誌編)と順調に回を重ねてまいりました。

1回あたり75素材(5誌×15素材)の広告素材を調査していますので、11月に実査が行われるvol.4まで含めると、1年目で約300素材の広告接触データが蓄積される予定です。

 来年以降も同様のペースで引き続きデータ整隋を進める予定ですが、では蓄積されたこれらのデータをどのように観察していけばいいのでしょうか。

 今回はvol.3の調査結果紹介に代えて、MAMCENE ADデータの活用事例の一部をご紹介します。

1.広告素財閥でデータを比較してみる

 最もシンプルなデータ観察法と言えます。

 まず一例として、vol.3(男性ヤング誌・モノトレンド情報誌編)から以下のような2素材をピックアップしてみました。(図表1参照)

【図表1】同一商品ジャンル内の2広告素材での比較

vol388_05.jpg

 同じ商品ジャンルの広告でも、その出稿条件によって広告到達状況が大きく異なることが一 目瞭然となっており、当事者である広告主にとっても興味のあるところかと思われます。

 ただしこの例では、掲載ポジションやキャンペーン表記の有無、さらには調査対象ビークル読者における商品浸透度などがことごとく違う素材をあえて比較していますので、「中面2ページよりも表4のほうが効果的だ」と単純に結論づけてしまうのは危険です。

 その意味では、「ちなみに他社の雑誌広告と比べてみると...」という程度の見方にとどめるのが妥当だと言えます。

 それでは、次のような2素材ではどうなるでしょうか。(図表2参照)

【図表2】同一ブランドの2広告素材での比較

vol388_06.jpg

 この2つの素材は、掲載スペースこそ違いますがクリエイティブはほとんど同じであり、両者の表現上の違いは掲載誌ジャンル・ポジション・スペース(面積)に集約されており、これらが広告注目率に与えた影響は無視できないことがうかがえます。

ただ、素材Dの注目率が高い理由を「ポジション」の違いに求めるか、それとも「面積」の違いに求め

るかを、このデータからだけで見極めるのは困難です。また、このような出稿条件が似通った(=比較

に好都合な)広告素材ばかりが調査されているわけでもありません。

それに、素材Dの注目率57.9%は、同じセンターに出稿された他の広告全体の中で比べても高いと言えるのでしょうか。

 そこで『MAGASCENE AD』では次のような分析視点からのデータ観察も提案しています。

2.広告素材の分類項目間データを比較してみる

『MAMCENE AD』では、毎回調査している75素材(vol.3は74素材)をベースに、特定の分類項目別の平均値を確許することが可能です。簡単に言いかえると、特定ポジションに出稿された広告や特定商品ジャンル別の平均注目率などが分かるということであり、ある分類項目での同一条件下における指標比較に有効な手段です。

 以下に、先ほど例示した素材A~Dについて、各項目の平均値付きの表を掲載しました。

(図表3参照)

【図表3】4広告素材の分類項目と広告注目率(平均値付き)

vol388_07.jpg

※各平均値は、vol.3レポートの74素材の広告注目率をもとに算出した値です。

 素材Aを例にこの表の見方をご説明しますと、「素材Aの注目率は、全素材平均の41.8%に比べて20ポイント以上も高く、素材Aと同じ2ページ以上のスペースを割いた各素材の平均と比べても10ポイント以上も高い。同様に、素材Aは他の各項目においても平均値を上回っている」というようになります。

 今回例示したA~Dの素材では、素材C以外はおしなべて各項目の平均値を上回っており、ある意味「成功した」事例と言えるカヰ)知れません。

 では、各項目の平均値を大きく下回ってしまった素材Cは、単に「注目率が低かった」事例として評価してしまってよいのでしょうか。

 実は、この分類項目別の平均値との素材比較においても、解決できないポイントがいくつか存在します。

  1.素材Cの注目率が各平均値より低い理由(要因)が掲載ポジションにあるのか、商品ジャンルにあるのか、などが特定できない。

  2.同様に、注目率が高い事例においても、どの要因がもっとも注目率に寄与したのかが判明しない。

  3.そのため、仮に素材Aの出稿条件のうち掲載ポジションだけを「表4」に変えた場合の注目率が知りたいとしても、そういう素材が実際に出現しない限り分からない。

  4.仮に3のような素材が出現しても、それはあくまでも「その広告素材」固有の結果であり、同様の出稿条件における標準値として一般論化できない。

 次に述べる分析の視点は、これらの課題を解決するための考え方に基づくものです。

3.要因分析の結果と各素材データを比較してみる

 前章で挙げた4つの課題を一言で整理すると、「広告素材を、出稿条件(要因)によって分類した場合、どの要因が各指標(例えば注目率)をどのくらい左右するのかを知りたい」ということになろうかと思います。

 この課題を解決すべく、『MAGASCENE AD』でば"数量化Ⅰ類"という多変量解析の手法を用いた分析をしています。

 vol.3までで蓄積された計224素材のデータをもとに、広告注目率について要因分析したものが、以下の結果です。(図表4参照)

【図表4】vol.1~3までの計24広告素材による要因分析結果

vol388_08.jpg

この結果から何が分かるのでしょうか。誌面の都合上こまかい説明は省略しますが、表の各分類項目の中から観察したい特定広告素材に合致するようなカテゴリを1つずつ選択し、それぞれのカテゴリスコア(網掛け部分)と平均値を合計すると、"比較したい特定素材と同様の、標準的な結果"が導き出されるのです。

 例として、先ほど各項目の平均値に対して注目率が低かった素材Cで比較してみます。(図表4の分類項目欄に「※」を表示しているのが素材Cと合致するカテゴリです。)

平均値と各分類項目の合致するカテゴリスコアを合計するわけですから、

40.7+0.6+0.1+(-1.1)+(-1.9) +(-5.9) +3.2+0.1+(-0.1) +(-8.3) +(-0.5) +(-0.6)=26.3

 すなわち、素材Cの注目率(23.6%)と比較すべき"標準的な値"は、「26.3%」ということになるのです。

 こうしてみると、一見低めに思われた素材Cの注目率は、このような出稿条件下では標準的なスコアであったと言えるでしょうし、素材A・B・Dも同様に算出してみれば、同一条件の標準値に比べて高かったのか、標準並みだったのかが明らかになるのです。

4.おわりにあたって

 今回は『MAGASCENE AD』データの活用事例を「素材間で比べる」「分類項目平均と比べる」「要因分析で比べる」の3ケースでご紹介してきました。

 もちろん、いかなる場合でも「要因分析で比べる」のが最も優れているということはありませんので、目的に応じて各々の手法を有効に使い分けるのが肝要です。

 冒頭にも述べましたが、来年以降も広告素材は順次蓄積されていきますので、それに合わせて分析精度の向上が図られるものと思います。

 また、蓄積された多くの調査データをより高度に、かつ簡便にハンドリングできるパソコン版も現在開発中ですので、今後とも私共の『MAMCENE AD』にご期待下さるようお願いいたします。

               メディアマーケティング局 新聞雑誌マーケテイング部 布川英二

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