個人型シングルソース・データ 「VR Personal Scan System」の概要

VRDigest編集部
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本記事は2002年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

1.はじめに

 先日の弊社プライベートショー「Data vision 2002」において「VR Personal Scan System」についての紹介をさせていただきました。今回はその概要と7月~9月で行ないました実験調査の仕陳について紹介させて頂きます。

2.シングルソース・データヘの期待

 広告などマーケティング投資の成果は、顧客(消費者)の知識・態度の変化や顧客の行動(実購買)によって推し量られています。1990年代初めより、アーカー教授らによるブランド・エクイティの概念の提唱などとともに、顧客(消費者)の知識・態度の変化でマーケティングの長期的成果を確許することも浸透してきています。一方で、経済環境の厳しくなる中、経営の合理的判断のためにテレビ広告などマーケティング活動の効果を購買行動を基点とし直接的に把握したいとする要請も強くあります。

3.開発の背景

 1)消費の個人化への対応

  今更と言われるかもしれませんが、シャンプ」や歯ミガキなど家族がそれぞれ自分用の銘柄を使い分けることは、極めて日常的なことになっています。しかしながら、これを消費者パネルとして継続自勺に観察することはできていません。特に、男性の購買行動は一時的な調査でしか醸許することができないのが現状です。

 2)"移動態消費"への対応

  かつての消費スタイルと比べると、商品が「家庭」を通過しなくなっていることに気がつきます。つまり、職場のそばのコンビニエンス・ストアで買ってすぐに飲んだり、食べてしまうものは、「家庭」を通過しません。このため従来型の「世帯型消費者パネル」では全く捕捉できていません。

 3)VR homeScanの経験

  弊社では、1987年4月から1996年9月まで、関東狭域;1000世帯を対象に世帯型シングルソース・データVR homeScanというサービスを行なっていました。(シングルソース・データでは、同じ対象者から商品の購買記録とテレビ広告との接触などのマーケティング変数のデータを収集します)このデータは、世帯型の食品やトイレタリー製品の分析に利用されていました。特に、広告効果の測定への期待が寄せられる十方で、世帯型の食品やトイレタリー製品は購買間隔が長くデータの発生が少ないため分析対象が限られてしまうこともあったようです。また、「いつもの商品」を買い続ける傾向もあり、広告に対する「反応」を確認するという点でも難しさがありました。

4.VR Personal Scan Systemとは、

  弊社では、こういった消費行動の変化とVR homeScanでの経験を踏まえて、個人型シングルソース・データVR Personal Scan Systemを数年に渡り検討してきました。

 ◆VR Personal Scan Systemの特長

 ①個人をベースとした購買を捕捉していること

  このため、従来対象とされなかった男性の購買も対象者にしています。

 ②"移動態消費"を捕捉していること

  従来確認できなかった職場など家庭外購買を含めて、個人の全ての購買を記録します。(但し、JANコードなどのバーコードがついている商品が対象です)

 ③購買記録時間がわかること

  主婦の買い物行動と比べると、個人の買い物時間帯は多様です。加えて、個人の買い物は消費の直前に買うことが多いので消費行動パターンを推察することができます。

 ④個人ベースでの購買と広告接触を直接確認できること

  テレビ広告などの広告接触記録との統合により、広告接触と購買の関係を直接確認することができます

 ⑤購買記録時やデータ送信時の対象者の負担が少ない

  携帯型バーコードリーダーや携帯電話など最新の情報機器を利用することで対象者の負担を低減しています。

5.測定方法

 1)携帯型バーコードリーダーの利用

  コンビニエンスストアや宅配業で使用されているハンディスキャナーを小型化(たばこサイズで携帯電話と同じくらいの重さ)し、携帯電話と接続できるようにしたiモード接続型バーコードリーダー(以下iBCRとします)を使用しています。

 2)購買記録

  商品を買った時に、iBCRを操作し購入店舗(コンビニエンスストアなど)を入力し、商品のバーコードを読み取ります。

 3)テレビ視聴記録

  今回の実験調査を含めた初期型では、テレビ局ごとのバーコードを印刷したカードを用意し、視聴の開始やチャネルの変更時にバーコードを読み取るとその時の時間が記録されます。このテレビ視聴記録と当社の広告統計データによりテレビ広告接触データが作成されます。次のステップでは、対濠者負担を低減させるために現在開発中のPersonal Scan専用メータでの自動記録を予定しています。

4)事前質問・定期アンケート

  対象者属性として、定期購読している新聞や通勤時に使用する路線などを確認しています。また、定期アンケートではその時期のプレゼントキャンペーンへの応募意向などを機動的に収集します。

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6.実験調査の概要

 2002年の7月から9月までに行なった実験調査の概要を記します。

 1)実験調査の目的と位置づけ

  ①実験調査の目的

   調査の妥当性や調査データの特性・分析の可能性を社内および将来ご利用頂くお客様に確認して頂くことを目的としました。

  ②調査概要

   ・期間:2002年7月1日~9月29日(13週間)

   ・地域:首都圏35㎞圏

   ・対象者:15~39歳の男女個人、iモード指定機種所有者

    標本数:n=232、有効回収:n=195(機種変更により継続できなかったや送信回数の少ない人などを除きました)

   ・買い物記録の対象商品:本人使用の消費財

    (生鮮食品、耐久財、衣料品、書籍を除く)

   ・電子日記式と自記入軸によるテレビ視聴記録

           *自記入式は比較研究用データ収集(第1週のみ)

   ・iモードによる修正入力

   ・キャンペーン認知など定期アンケート

7.次回予告

 紙面の都合、実験調査の結果については、次回より数回に別けて報告させて頂きます。

購入時間の分析や広告効果分析については、今までにない消費行動や広告効果の確認ができたと思います。ご期待下さい。

                               (研究開発部  塚原 新一)

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