消費動向調査10年の軌跡 (上)―耐久消費財の動き― <新聞六社調査報告書より>

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本記事は1986年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

新聞六社・(北海道新聞、河北新報、中日新聞=東京新聞、神戸新聞、中国新聞、西日本新聞)が'85年10月に実施した調査結果がまとまりましたので、その一部をご紹介します。

この調査は1976年秋に第1回調査を実施して以来10年目を迎えた今回、「変貌する市場-10年の軌跡と明日の消費生活」を特集テーマにとりあげています。

調査の概要

◆調査の内容

 ・商品銘柄の普及状況および購入実績・購入予定

 ・マスコミ接触状況

 ・10年前・現在・10年後の生き方、考え方、生活の仕方

 ・夫婦の生活スタイル など

◆調査の地域

 ・札幌・仙台・名古屋・神戸・広島・福岡の各市と東京都区部

◆調査の対象

 ・2人以上の普通世帯の主婦および主人

◆標 本 数

 ・5、024世帯

◆有効回収数

 ・主婦 4、138人 主人 3、436人

◆調査時期

 ・1985年10月10日~10月25日(全都市一斉調査)

◆調査方法

 ・調査員による主婦(またはこれに替る人)に対する直接面接法と留置法の併用

◆調査の企画と設計

 ・新聞六社調査研究会と㈱ビデオ・リサーチ

◆集計機関

 ・㈱ビデオ・リサーチ

Ⅰ 家庭用電気器具普及の動き

 カラーテレビの普及率はこの調査の始まった、76年にはすでに96.1%の高水準に達していたが、'80年には98.8%、'85年には99.6%とほぼ完全普及の状態となった。

 一方、世帯当たりの普及率が飽和状態にある中で、パーソナルユースを示す一世帯2台以上所有の家庭の割合は、'76年では全世帯の30%と低かったが、'80年には44.7%と約半数の家庭が、更に'85では61.4%と増加し、家族の-人一人が好みの番組を視聴する時代へとなってきた(図1)。

 ビデオ(VTR)は'79~'80年までは、普及率が僅か4%台だったが、'81年以降低価格機種の参入やソフトの充実など市場環境が整えられたことで需要が急速に顕在化して、この5年間で44%の家庭が所有する花形成長商品となった(図2)。

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"軽薄短小時代"に符丁を合わせるように、79年夏に新登場したヘッドホンステレオは、特にヤング層で人気を博し、'82年には16%、'85年には26%と短期間で順調に普及率を伸ばしている(図3)。

 家電製品の中で、電気冷蔵庫、電気洗濯機、電気掃除機の3品目は、'76年以降世帯必需品としてほぼ完全普及の状態が続いている。そのなかで電気冷蔵庫の容量が年々大型化しているのが目立っている。なかでも200ℓ~299ℓのものが'77年から'82年の5年間で普及率23.2%から44.5%と21ポイント伸びたのをはじめ、300ℓ以上の大型機種もこの10年で5.3%から17.6%と12ポイント増加している。冷凍食品の普及、食生活の洋風化、他方では有職主婦の増加などが大型化普及の背景としてあげられよう(図4)。

 洗濯機は全自動式がこの10年間で次第に普及率を拡げ'76年17.8%が、85年には25.3%と4世帯に1台の割合となった。

 キッチンワークのクイック調理器として重宝される電子レンジ、オーブンレンジは次第に利用家庭が増え、電子レンジは'76年に21.6%の普及だったが'80年に31.8%、'85年には42.2%と10年で倍増した。オーブンレンジも'78年17.8%が'85年には32.1%と順調な伸びを示している(図5)。

 ルームエアコンは札幌、仙台の2地区(気候的に必要度の低い地区)を除いで'76年には40~50%台の普及だったが、'80年には約70%、'85年には80%の家庭が所有、必需品の仲間入りをした(図6)。

 暖房機は'76年から98%を超えるほぼ完全普及となっているが、そのうち安全性と効率面から温風式が従来のガス・石油ストーブに比べより所有率を伸ばし、'76年6.4%が'81年25%、'85年では34.3%となった。

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Ⅱ カメラ、腕時計、乗用車などの普及

 カメラの普及率は、'76年に84.4%が'80年には90%に到達した後は、ほとんど変化なく推移している。'85年の調査ではこの数年ブームを呼んだコンパクトカメラが約70%家庭で保有していることがわかった。

 腕時計は'77年以降ほぼ全世帯に普及しているが、その型式で従来の針式(アナログ式)からデジタル式へ大きく転換したのが目立っている。'76年ではデジタル式保有率15%に対して針式が79%と圧倒的な割合だったが、'81年デジタル49.7%、針式48%と逆転、'85年には66.1%対29.9%と10年前と正反対の割合となった(図7)。

 この数年企業のOA機器導入が急速に進展しているなかで、パソコン(マイコン)の家庭普及率は'85年調査でようやく10%を超えるところまでに至った。

 50cc以下のバイク・スクーターは、'77年には8%と低い普及率であったが、'85年には23.7%と順調に推移している。手軽に乗れて、行動範囲を拡げられる便利性が女性にも人気が出ているようだ(図8)。

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乗用車の普及率は'76年42.2%から'85年には56.7%と2軒に1台を超える状態となった。

乗用車を購入(選択)する理由について調査を行った'77年から'84年までの8年間のデータを平均してみると(上位6番まで)1位に「信頼できるメーカーである」が19.4%と他の理由に差をつけて多く、車の購入に当たっては"企業イメージ"が最も重視されている。

次に「価格が手頃である」、「デザイン・スタイルが良い」・「性能が良い」が2位に括抗して並び(10.8%~10.4%)さらに「乗り慣れている」・「運転しやすい」(7%台)の順となっている(図9)。

 また、'85年の調査で新しくとりあげた所有乗用車のプロフィールは次のようになっている。(「所有している」を100とした指数)

1.車のスタイル=4ドアセダン44.4%、4ドアハードトップ17.1%、ハッチ(リフト)バック7.8%。

2.ミッションの型式=オートマチック40.2%、その他51.3%。

3.新車か中古車か=新車70.4%、中古車24.7%。

4.車の色=白系42%、シルバー系16.2%、赤系11.6%、茶系8.8%、青系7.8%。

5.装備について=パワーステアリング付き35%、カーステレオ付き72%、エアコン付き75.7%、パワーウインドウ付き27.3%。

(市場調査部 霞 和正)

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●なお、詳細につきましては下記新聞社までお問い合せ願います。

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