消費者動向調査10年の軌跡(下)―家電器具の購入予定 住宅・宅地・海外旅行の動向は?―

VRDigest編集部
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本記事は1986年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

家庭用電気器具の購大実績と予定

 家庭用電気器具について、その1年間に購入した商品をあげてもらった。'83年から'85年の3年間の平均で5%以上のスコアのものは、カラーテレビが引き続きトップの位置を占め全世帯の約18%が購入、2位グループ(12.5%~9.7%=こ電気掃除機、電気洗濯機、ビデオ、電気冷蔵庫、乗用車の5品目が、3位グループ(9.0%~8.7%)にラジオカセット、カメラ、炊飯器の3品目が、4位グループ(8%~7.1%)に石油ストーブ、ルームエアコン、デジタル式腕時計の3品目が、5位グループ(5.5%~5.1%)に電子ジャー、ステレオが並んでいる(図1)。

 また将来購入を予定している商品としては1位がビデオで18.1%と高く、2位乗用車12.3%と2品目が2ケタ台で、根強い需要が見込まれる。3位グループ(84%~8%)では、ビデオカメラ、電気冷蔵庫、カラーテレビ、4位グループ(6.8%~6.2%)はエアコン、オーブンレンジ、ステレオの3品、5位グループ(5.1%~4.7%)に電気掃除機、電気洗濯機となっている(図2)。

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住宅・宅地購入の動き

 住居形態については、この5年間ほぼ安定している。昭和胡年代に見られた地価の高騰も、50年代は激しい動きが見られず、こまかいところに不満は残っても、とりあえず満足できる住居を確保できたというのが現状だろうか。家・土地とも持ち家というのが半数近くあり他の住居形態をグーンと引き離している。続いては借家、公営・公団の賃貸住宅、借地の持ち家、私営アパートが10%前後で年度によって順位が入れ替わるという様相を見せている。

 こうした動きも10年のレンジで見ると、家・土地とも持ち家という世帯は胡40%前後のところから45%を越えるまでに増えている。また、公営・公団の賃貸アパートも増加の傾向があり、分譲マンションもシェアはまだ小さいが伸び率は大きい。

 逆に借地の持ち家、借家、社宅・官舎は減少し、社宅・官舎は'85年、'76年当時の半分位のスコアに落ち込んだ。共同住宅にしろ、-戸建てにしろ、自分の持ち家を確保しようという気持ちの表われだろうか。(図3)

 住宅の購入実績にもそうした傾向がうかがえる。新増改築の実績は最近5年間減少しているものの、その前5年は毎年9%前後の率で行われており、5年前までは住宅購入に積極的であったと思われる。内訳は増・改築が最も多いが、新築した人もかなりあり、分譲住宅を引き離している。(図2)

 居住する住宅の広さは10年前から5年位前までにかけて、15~20坪以下というのが多かったが、増・改築、新築などの理由であろうか、最近では逆転して40坪以上というのが多くなっている。それに伴い、住宅に対する満足度も「満足」が24%程度、「どちらかといえば満足」を含めると約45%の人が一応満足していることになる。そうしたことがあって最近5年は住宅問題について安定しているという結果になったのであろう。

 そうした現象を裏書きするように、住居に対する不満度は減少している。その理由も住宅がせまいというのが一番不満の高い問題であったが、この点がやや少なくなり、逆に建物が古いという不満が増えつつある。しかしとくに取りたてていうほどの増とはなっていない。金額の問題を別にすれば、住宅の需給関係も供給が上まわるようになり、だいたい好みのところ、好みの広さの住宅を入手することは可能になった。その結果、かつてはやほり不満の多かった環境が悪いとの理由も漸減してきたが、'85年には突如として増加した。この理由については'86年以降の結果を見ないと、一時的なものか、あるいはまた環境問題がクローズアップされてきたのか、その分析はできない。(図4)

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 ただ、購入実績の変動がここ数年見られないのと同様、今後5年以内の購入予定も頭打ちになっており、住宅についてはほぼ満足できる状態になっているものと思われる。とはいうものの、住宅の購入予定を持っている世帯は15%以上にのぼり、一方宅地の購入予定を持つ世帯も10%を割ったものの1割近くある。そのような人達が購入資金としてたよりにしているのは、自己資金をトップに、住宅金融公庫、金融機関の住宅ローンと続き、さらに多少差があいて、勤務先の住宅貸付制度となっている。自己資金でという層はおよそ7~8%といったところであり、これからみると金融公庫の6~7%は非常に高いといえる。低利、長期の借り入れができ、しかも信頼できる金融機関といったイメージが潜在ユーザーの頭の中に植えつけられているのだろう。

 意外に思えるのが勤務先による住宅貸付が低いことだが、このような融資制度が取られていないところ、総貸出資金量の規制などがあっての影響ということになるのだろうか。(図6)

 いずれにしても、住宅、宅地のような高額物件は、そう毎年毎年大きな変化を釆たすものではない。従って5年の間では大巾な動きを読み取ることができないが、10年位の期間でみれば、いくらか特徴がつかめるように思われる。

海外旅行の経験

 一般企業では週休2日制を採用するところが多くなり、金融機関も月1回の土曜休日を月2回にする計画が決定した。休日が増加したこと、健康への関心が高まったことなどもあってか、レジャー活動が活発になってきた。

 そうした中で昨今は温泉ブームといった現象もあらわれているが、相かわらず海外旅行は世界を直接見聞したいとの願望もあり、年々増加の一途をたどっているという。この年末年始にも育万人以上の人が海外に出かけたと推定されている。

 新聞六社調査の結果を見ても、過去3年以内に家族のうち誰かが海外旅行を経験している世帯は毎年25%を超えており、4世帯に1世帯は過去3年以内に海外経験をしていることになる。

 家族の中ではやはり世帯主が出かけるケースが多い。およそ16~17%といったところで、この5年間あまり大きい動きがない。この中には当然仕事の関係で海外に出かけるケースも含まれており、調査では2~3%となる。

 5年間の傾向を見て気がつくのは、主婦と息子が出かけるケースが徐々に増えていること、また娘は5%前後のところで、変化がなく安定しているといったこと。(図7)また居住地域別では東京、名古屋の人達の海外旅行経験が漸減、仙台では漸増している。すなわち、海外旅行が世帯主だけのものでなく、家族みんなで海外へ......との気運が生まれているのだろう。航空路線の発達により、日本中どこからも海外旅行が縁遠いものではなくなってきたといえる。5年前から徐々に経験者が少なくなってきたといっても、東京では'85年、29%近くもの人が海外に行った経験を持ち、続いて僅差で神戸、そうして福岡では26%の人が過去3年以内にどこかへ行っているわけで、海外に定期路線を多く持つ空港に近い地域の人達が、他地域の人よりも、より多く海外渡航のチャンスに恵まれていることになる。

 主な渡航先はやはり日本に近い香港・台湾・東南アジアが多い。しかし年々減少する傾向が見られる。日本に距離では最も近い韓国は案外少なく、むしろグアムの方が多い。もともと東南アジアなどと並び、訪問先として多いハワイともども、太平洋に浮かぶ小島の南国イメージが人々の心をとらえて離さないのだろう。(図8)

 さて、先に海外旅行が、家庭内におよび、家族みんなが出かけるようになったと説明したが、今後1年以内の旅行予定を持つ人も同様、世帯主より、主婦、息子、娘などに浸透している。

 誰でも簡単に海外へ行ける時代になったことをこれらのデータが物語っている。

(市場調査部 霞 和正)

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