VRホームスキャン・データ分析事例(6)―インスタントコーヒーのセグメンテーションとプロフィール―

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本記事は1988年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 前号にひきつづき、インスタントコーヒーデータの分析事例を紹介したい。今回は、ユーザーの購買行動特性からセグメンテーションを行ってみた。これは、広告露出やプロモーションなどのマーケティングアクションに対する消費者のレスポンス研究においてユーザープロフィールとして使用することを念頭においたものである。また、一定期間の行動特性によるセグメンテーションが、その後の購買行動にも適用できるものかどうかも次のステップで検証することが課題に含まれているため、使用できるデータ期間の半分を使って分析を進めている。

1.使用データ

  今回の分析に使用したデータは、'87年4月~9月の6カ月間のインスタントコーヒー(レギュラーコーヒー、液体コーヒー、プレミックスタイプの粉末コーヒーは除く)のうち、贈答品を除く購買データである。なお、1,000世帯パネル全体の購入率、購入世帯の平均購入個数の月別推移は図1の通りである。

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2.ユーザー区分の設定

6カ月間のインスタントコーヒーの世帯別購買実態データを図3及び図3の注の要領で判定を行ない、購買行動特性を設定した。

3.分析結果

全購入容量の50%は1割のヘビーユーザーが購入

全購入容量の51.6%(レギュラーユーザー購入容量の64.8%)はスウィッチャーによる購入

 スウィッチャーのほぼ半数は値引派

<ヘビー/ミディアム/ライト>

 6ヵ月間の購入容量合計が600g以上のヘビー立-ザーは全世帯の11.6%を占め、全購入容量の50.1%を購入しており、その1世帯当り購入量は959gにのぼる。以下、16.2%のミディアムユーザーは全購入容量の29.5%、1世帯当り402g。30.0%のライトユーザーは全購入容量の20.4%、1世帯当り152g。(図2参照)

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次に、これらのユーザー区分別デモグラフィック特性をみると次のように要約される。まず、ユーザー/ノンユーザー比率は、主婦年齢、主婦職業、家族人数、家族構成によって差がみられるものの、世帯主職業では差は小さい。

 ユーザー比率の高い特性

主婦年齢 35~49歳

主婦職業 内職・自営手伝、パート

家族人数 4人以上

家族構成 高校生以下の子供有

ヘビー/ミディアム/ライトユーザー比率については、顕著な差のある特性は少ないが、ライトユーザーは主婦職業/内職・自営手伝い、3歳未満の幼児有世帯。ミディアムユーザーは、小学生有世帯。ヘビーユーザーは、主婦職業/パート、世帯主職業/経営・管理職といったところである。

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<ブランドロイヤリティ/スウィッチャー>

 ミディアムユーザーとヘビーユーザーをまとめて,レギュラーユーザーとし,このグループをブランドロイヤルグループとスウィッチャーグループに分類した。ブランドロイヤルグループとスウィッチャーグループはほぼ6対4に分かれ,購入容量もほぼこの比率である。ブランドロイヤルは更に100%ロイヤルと75%ロイヤルに分割されているが,この6カ月間のデータでは100%ロイヤルなユーザーの方が多くなっている。(図3参照)

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<値引派、店固定派>

レギュラーなユーザーの中で、値引派は約半数を占めている。また、店固定派は約4割、値引派でも店固定派でもないユーザーが残りの1割という勘定になる。(図3、4参照)

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4.マーケティングのターゲット

 先のセグメンテーションの中からマーケティングのターゲットを選ぶとすれば、先ず考えつくのは現ユーザー、或は現レギュラーユーザー、現ヘビーユーザーのいずれかであるだろう。そして、次のターゲット候補は、スウィッチャー、或はスウィッチャー中の店固定派やその他派のいずれかが選ばれるのではないだろうか。特に、スウィッチャーの中の店固定派やその他派のユーザーは、価格以外の要因で購入商品が揺れ動いている訳である。

これが単にバラエティシーキング的な変動だけであれば打つ手は限られてくるが、それ以外のマーケティング要因で動いているとすれば、それはマーケティングのターゲットとして見過ごす訳には行かない。ちなみに、このセグメントのデモグラフィック特性上の特徴は、主婦年齢35~49歳、世帯主職業・経営管理職、家族人数4人、中・高生の子供有世帯である。

                               (消費者行動分析部 八木 滋)

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