ICカード時代はくるか?

VRDigest編集部
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本記事は1988年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 カード時代といわれ、クレジットカード、キャッシュカード、印鑑登録カード、病院カードなど1人が何枚ものカードを持つ「カード社会」となった。これがICカードだと1枚のカードですべてが間に合う、という話が数年前からなされているが、その後の状況を見てみたい。

 カードには現在3種類ある。1つはプラスチックの表面に名前や有効期間を浮き出させた「エンボスカード」、磁気テープを付けた「磁気カード」と実用化されつつある「ICカード」である。クレジットカードはエンボスカードと磁気カードを両方利用できるようになっていて現在約2億7、000枚発行されているという。

 この磁気カードは記憶容量が0.5キロビット、カナ文字にして72文字記録できる。 しかしこれでは情報量が少なすぎて、多目的での利用はむずかしい。そこでICカードの登場となる。現在のICカードは8キロビット、16キロビット、64キロビットの3種類が実用化されている。64キロビットでは実に8千字の記録ができる。またデータの消去、書き込みが何回もできるので銀行の通帳の変わりにもなる。また、このICカードにも2種類あり、記録機能だけのものと、演算機能を持つタイプのものがある。この演算機能を利用することにより、セキュリティの確保ができることになった。利用方法も記録専用は病院のカルテやプリペイドカードに、演算機能付きは銀行カードや企業のIDカードにと使い分けができる。

 この利用方法は単独で利用するよりも複数の機能を-枚のカードで利用できる方がよりベターである。つまり銀行カードが電話のカードでもあり、地下鉄やJRでも利用でき、銀座のクラブでも使えるなど、すべての機能が一枚のカードで処理できることがカード社会としては理想であるともいえる。しかしその反対に個人の生活がすべてカードで管理されてしまうということにもなる。いくら収入があり、それを何に使ったか、カードをチェックすれば自分ばかりか他人にも分るなどのプライバシーの問題もでてくる。またそれ以外にもハード的に問題点がないわけではない。小さいカード縦54ミリ、横86ミリ、厚さ0.76ミリの中に埋め込んであるので、曲坑 ネジレに弱いこと、静電気によりICの情報が

破壊されやすいこと、とくに衣服の静電気からは大きな影響を受ける。それとコストの問題がある。磁気カードは1枚200~300円、ICカードは記録用で2,000~3,000円、演算機能を持つと5、000円を超える。国内だけでなく世界的に利用できるカードシステムについても国際標準化機関を中心にICカードの標準化作業が大詰めを迎えているという。やがて国際標準化ICカード時代が実現するのも決して遠いことではないだろう。

                                  (調査開発部 森 一美)

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