VRホームスキャン・データ分析事例(12)―歯みがき、シャンプーの購買分析事例をみる―

VRDigest編集部
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本記事は1988年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

消費者は商品購入に際して.何を基準に購買選択をするのだろうか。また、購入場所では.どんな商品が購入されているのだろうか、その実態をVRホームスキャンにより歯みがきとシャンプーの購買データを使った一分析事例を紹介する。

1.分析手順

<基本データ>

 標本別商品購入ヒストリーデータを基に作成した購入商品の推移マトリックス(前回―今回)が表1-①、②である。表側が前回購入商品、表頭が今回購入商品、数字は出現頻度(実数)である。

 なお、歯みがきは12カ月、シャンプーは15カ月のデータを使用した。

 また、両者とも期間内の個数シェアが1%以上の商品を分析対象とし、かつ、シャンプーの場合は子供用シャンプーを分析から除外した。

<相関分析>

 表1-①、②の購買推移表の横に並ぶデータ(行)を1つのデータとして扱い、各商品間の相関係数を算出したものが表2-①、②の相関係数マトリックスである。

<階層型クラスター分析>

 相関係数マトリックスデータをクラスター分析にかけ、デンドログラムを措く。図1-①、②

vol245_21.jpgvol245_22.jpg

vol245_23.jpg

2.分析結果

歯みがきは価格と効用、シャンプーは容量で購買選択されている

<歯みがきの分析事例>

 まず最初に歯みがきA~F、G~Jブランド品のグループに大別されるが、大雑把に言えば、高価格帯・低価格帯のグループと言える。

 A~Fでは、A(エチケットライオン)、B(生協ブランド)以外は全て高価格に設定された商品が並び、A~Fの各クラスター内では、商品コンセプトは同じであり、クラスター相互の違いも明瞭である。(A:口臭防止、C:ヤニ取り、D・E:塩入り、F:歯石防止)

 一方、G~Jの低価格帯(普及タイプ)のグループは、デンターTでクラスターGを形成しているものの、H(アクアフレッシュとホワイトサンスター)、Ⅰ(ホワイトライオン、ホワイトサンスター、ライオンホワイト&ホワイト)のように商品が相互に入り乱れている。

 購買行動から見る限り、このグループに属すブランドは確固たるポジションを保持しているようには見えず、消費者の商品選択にかなりの混乱があるようだ。この領域にあるブランド品に関しては、今後はっきりとしたポジショニングをしない限りセールスプロモーションによる短期の売り上げ競争しか打つ手はなくなるのではないか。

<シャンプーの分析事例>

 歯みがきは、口の中で使用されるため比較的ブランドロイヤリティーが高く、同じような特徴をもった商品群がクラスターを形成しているのに対して、シャンプーの場合は、容量サイズが選択における大きな要素となっているようである。(A~Dは中型中心、E・Fは小型、G~Ⅰは大型)

 しかしながら、メリットの4商品は他のブランドとは区別されるポジションにあり、シャンプー市場でそれなりに安定したポジションを占めている。

参考文献

VITHALA R.RAO & DARUS JAL SABAVALA

"Inference of Hierarchical Choice Processes from Panel Data"

Journal of Consumer Research、Vol.8、June1981.

(消費者分析部 鈴木 暁)

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