「朝ドラ」だけじゃないNHKの「夜のドラマ」。

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#ドラマ #視聴実態 #視聴率
「朝ドラ」だけじゃないNHKの「夜のドラマ」。

NHK のドラマと言えば、「連続テレビ小説(通称・朝ドラ)」を思い浮かべることでしょう。現在放送中の『なつぞら』は、記念すべき朝ドラ第100作目で、前半(19 年4 月1 日〜19年6 月29 日)の世帯番組平均視聴率は21.5% と高視聴率を獲得。新たなキャストも加わり、後半の展開にも期待が高まっています。

そんな「朝ドラ」の印象が強いNHKですが、昨今、「夜ドラ」が注目されているのをご存知でしょうか。朝ドラや大河で築き上げたクオリティの高さに加え、挑戦的なテーマで、ドラマファンを中心に高い評価を得ており、数々の賞も受賞しています。今回はそんな「夜ドラ」を視聴率とともに取り上げます。

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「ドラマ10」、他のドラマと異なる視聴者層

毎週金曜22 時放送の「ドラマ10」は、16 年4 月に火曜22 時より移動したドラマ枠です。18 年7月クールに放送された『透明なゆりかご』は、「町の小さな産婦人科医院で"命"を見つめてゆく物語」をテーマに、平均視聴率5.3% を獲得しました(表1)。さらに「第35 回ATP 賞」のグランプリなど多くの賞も受賞しています。主演を務めた清原果耶は、朝ドラ『あさが来た』(15年10月〜)で、当時13 歳ながらも女中・ふゆ役を演じ話題となりました。『透明なゆりかご』でも難しいテーマながら芯の強い姿で難しい役を演じきり、また、『なつぞら』でも主演・広瀬すずの妹役で大きな存在感を残しています。

19 年1 月クールの『トクサツガガガ』も、「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」作品賞や「19年3 月度のギャラクシー賞月間賞」を受賞しています。「特撮」をテーマとした本ドラマは、その再現度の高さや、主演・小芝風花のハマり役などで高い評価となりました。この番組の視聴者構成割合をみると、「男女4〜12歳」や「男性35〜49 歳」の視聴者も多く、幅広い年代の視聴者に見られた作品といえます。

表1 『ドラマ10』『よるドラ』放送ラインナップ

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若手キャスト・スタッフで攻める「よるドラ」

そして、もうひとつ注目を集めているのが、土曜23 時30 分放送の「よるドラ」です(図1)。昨年4 月から再放送とした始まった枠ですが、2019年に入り、若手キャスト・スタッフで挑戦的なドラマを放送しています。1 月クール放送の「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」では、突飛な設定ながら「人生」という普遍的なメッセージを描いています。

また、4 月クールの「腐女子、うっかりゲイに告る。」では、「ゲイの少年と腐女子の少女の物語」と、こちらも異色の設定です。脚本を務めた三浦直之は、劇団・ロロの主宰を務め、「いつ高シリーズ」などエモーショナルな青春群像劇を数多く上演しており、その世界観とドラマが見事にマッチし、19 年6 月度のギャラクシー賞月間賞を受賞しています。舞台だけはない、今後の作品にも注目が集まりそうです。

図1 『ドラマ10』視聴者構成割合

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経費をめぐる人間模様とオタク沼にはまる女性を描く

今クールの「ドラマ10」では、多部未華子主演の『これは経費で落ちません!』を放送しています。領収書や請求書から見える人間模様をコミカルに描いた作品で、初回視聴率も6.5% と高く、視聴者の期待感がうかがえます。「よるドラ」では、朝ドラ『ごちそうさん』の森下佳子作『だから私は推しました』を放送。地下アイドルと出会い、オタク沼にハマるOL を桜井ユキが演じています。
いずれも目が離せないドラマとなっており、朝だけではない、今後の夜のNHKのドラマに注目です。

この記事はCONFiDENCE(2019年8月12日号)で掲載されたものです。

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