ニューメディア事情(13)

- VRDigest編集部
※本記事は1987年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。
ファミコンはニューメディア?
ファミコンをはじめとするテレビゲームは、小中学生のあいだで流行の一過性のゲームではないか、といわれていたが、いまだに静かなブームを続け、子供達の話題を独占しているようである。これは今の大人達がかつて子供のころ学校での話題がテレビ番組であったように、ファミコンが現代っ子のたえず話題となり、学校と生活のスキマ遊具として日常生活に深く入りこんでいることを示すものだ。このファミコンはパッケージ型の映像ニューメディアとして最大のヒット商品となっている。そこで今回はこのファミコンについて考えてみたい。
800万台の普及といわれるファミコンであるが、当社の子供調査(東京30㎞圏、3~12歳の男子・女子対象、800サンプル、毎年4月、10月調査実施)からテレビゲームの所有率をみると、40%をこえ、とくに10代では70%をこす所有率になっている。テレビゲーム利用の中心が小中学生、それも男子中心ということを考慮しても、かなりの家庭にこのファミコンが普及していることが分る。
なぜこんなに普及したのだろうか、なによりテレビゲームソフトの充実が一番であったということはいうまでもない。またテレビゲームという現代的な遊具、現代っ子の過密化された生活時間のスキマ遊具として子供達の興味を大きく引いていることもあげられよう。同じようにソフトの利用が一番多いといわれるキャプテンと比較される。
キャプテンに比べ利用目的がテレビゲームという単純で分り易いこと、ゲームソフトが充実し、面白いソフトがあるということが普及の差であることは明らかである。
よく利用している家庭はファミコン専用のブラウン管を使っているということである。
このシステムもハードにおいて順次グレードアップがなされ、ディスクが使えるようになり大容量のソフトが動かせるようになり、このディスクシステムを媒体としたデータ交換ができるようになってきている。
今後電話回線を利用したデータ電送も考えられているとのことであり、ここまでくると家庭用のVANに発展する可能性もある。
今後、その利用法についてもっと研究してみたいものだ。
(新規事業開発室 森 一美)