US Media Hot News 『キーワードはインターネット家電』

VRDigest編集部
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※本記事は2000年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

1月6日から9日にかけて、米国ラスベガスで家庭用電気製品の見本市、「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(略称CES)」が開催されました。今後の家電業界の流れを垣間見ることができる恒例の見本市には米国内外から10万人以上の参加者が集まり、新しい製品を囲んで賑わいました。

 今回のCESのキーワードは「インターネット家電」。米国では半数以上の一般家庭がパソコンを保有し、インターネット接続に利用しています。インターネットによる情報検索、メール交信、ショッピングなどは、もはや日常生活の一部となりつつあり、パソコン以外の機器を利用したネット活動が求められる段階にさしかかっています。メーカー各社はユーザーのこうした要望を先取りし、身近な家電製品にインターネット機能をプラスした斬新なネットワーク機器やモバイル機器を続々と発表しました。

 中でも人目を引いたのは、松下電器産業によるインターネット対応の電子レンジです。

インターネットから料理のレシピをダウンロードできるほか、ネットワークでつないだ冷蔵庫の中身をチェックして、夕飯の献立の提案までしてくれる優れモノ。2001年の市場投入を目指しており、主婦の強い見方になりそうです。

 米家電メーカー大手、ワープール製のインターネット冷蔵庫も話題を呼びました。米シスコ・システムズ、米サンマイクロ・システムズの両社と手を組んで開発した-号作で、シスコ社のネットワーキング技術とサンのジャバ技術が統合されています。

 米コンパック・コンピュータは、家中どこからでもインターネットに接続できる家庭内の無線ネットワーク製品や家庭向けパソコンの新シリーズ「インターネットPC・デスクトップ」を披露しました。

 今回のCESは来るべきデジタル生活を目の前に体現してくれました。報道陣を集めて下見会が開かれた5日夜にはマイクロソフトのビル・ゲイツ会長が講演を行い、デジタル家電に囲まれた未来生活への期待を語りました。ゲイツ氏はワシントン州の郊外に建てた大邸宅で、すでにデジタル生活を実践しているひとりです。部屋に入ると自動的にテレビがついたり、洗濯が終わると知らせてくれたり―――と住人の好みに合わせて環境を整えられる家での生活は「とても快適だ」と語ります。

 サンのスコット・マックネリー最高経営責任者もデジタル生活推奨派です。ただし、まだこちらのデジタル生活は"青写真"に過ぎないようで、CESで披露したネットワーク対応のポケベル「ブラックベリー」のインスタント・メッセージはつながらず、ジャバ対応のコーヒーメーカーは指示通りに動かず―――と失敗続きでした。

 インターネット家電のほかにも技術の粋を集めて作られた機器が多数登場しました。

 カシオ計算機が発表したデジタルカメラ「WQVシリーズ」とオーディオ・プレーヤー「WMP-1V」はとりわけ話題をさらいました。いずれも腕時計型で小さく、カメラは1日に60秒操作して半年間は持続する電池と、撮影したモノクロ22画像を100枚まで保存できる高性能チップを内蔵しています。発売は来春になる見込みで、希望小売価格は199ドルの予定です。

 WMP-1VはMP3圧縮方式を採用したプレーヤー機能を備え、最大66分まで音楽データを記録できます。ユーザーは聴きたい音楽をインターネットからダウンロードしたり、市販ソフトからパソコン経由で転送し、付属のステレオ・イヤホンを付けて楽しめます。曲を再生する時に曲名やアーチスト名を表示することもでき、時計の機能を切り離してオーディオとして立派に利用できる一品です。

 MP3方式のオーディオ機器と言えば、ハードディスク装置(HDD)やCD-R、CD-RWディスクを利用した車載用オーディオも多数出展されました。

 英エンペグ社が発表したのはHDDを2台搭載し、最大600時間の音楽データを記録できる製品です。小売希望価格は1,099ドル。すでに-部地域への出荷を始めており、今年3月から量産体制に入る予定です。

 ほかにも、香港のマックステク・テクノロジー社や韓国のマルチチャンネル・ラボ社、米ケンウッドが新作を発表し、世界各国の機器メーカーによる技術の競演が繰り広げられました。

 米モトローラはマルチカラー有機ELパネルを採用した携帯電話を発表しました。このパネルはパイオニア製で、自発発光型のため暗がりでも画面の文字を読み取ることができ、消費電力が少ないため、充電彼の持続時間が長いことなどが特徴です。新製品は今年半ばごろ市場へ投入する計画です。

 昨年、一昨年に主役の座を占めたデジタル・テレビは今年も多数登場しましたが、その影は薄くなったようです。単体で利用する製品よりも、複数の機能が統合されネットワークでつながれた製品へ消費者の目は注がれているようです。

 今回はインターネット市場が主戦場だったためか、参加者にパソコン関連メーカーの多いことが目立ちました。巨大市場に化けそうなこの家庭用インターネット機器市場を巡り、従来の家電機器メーカーとパソコン関連メーカーが対決することになりそうです。ただし、勝敗は製品が市場に投入され、消費者が良し悪しを判断する時まで持ち越されそうです。

Video Research USA, Inc.

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