交通広告のプランニングをサポートするメディアデータを考える  ~その2~ 『交通メディアの媒体計画で求められる指標を整理する』

VRDigest編集部
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※本記事は2000年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

■はじめに

 今回は「交通メディアの媒体計画を立案する際に求められるデータ」について考えてみたいと思います。

 一般的に、広告計画は媒体計画と表現計画に大きく分類され、媒体計画では①媒体費をどの程度各メディアに配分するか、さらに②各メディアの媒体費をどの程度各ビークルに配分するか、が計画されます(その他、媒体費の期間・エリア配分も計画されます)。このような媒体計画において、媒体費の投資効率を高めるために求められるのがオプティマイザーのような「精緻なメディアデータを基にしたプランニングサポートシステム」といえます。

 交通メディアの媒体計画を立案する際にも...

(1)他のメディアとある程度横並びで、比較できるような「メディアに共通する指標データ」

(2)交通メディアの特性を加味して、路線や駅を横並びで比較分析でき、選択一組合せを計画できるような「ビークルに共通する指標データ」

さらには、(1)(2)のデータに基づいたプランニングサポートシステムが必要と考えられます。

 そこで今回は交通メディアに求められるデータを①各メディアに共通する指標、②交通メディアの特性を加味したビークルに共通する指標、という2つの切り口で整理してみたいと思います。

■各メディアに共通する指標を整理する

 広告メディアに共通する指標は大きくわけて「媒体到達レベルの指標」と「広告到達レベルの指標」に分類されます。さらに媒体到達レベルの指標は「媒体普及」「媒体接触者の量」「媒体接触者の質」に、広告到達レベルの指標は「広告接触」と「心理変容」の指標に分類できます。各メディア毎にあてはまる指標と当社のデータ整備状況を整理すると以下の通りです。

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 広告メディアに共通する指標について、各メディアに関する当社データ及びシステムの整備状況を比較すると、交通メディアは、他のメディアと比較できるような媒体到達レベルの客観的なデータは(ACRデータで)ある程度整備できているものの、①プランニングをサポートするためのシステムが整備できていない、②広告到達レベルの客観的なデータが整備できていない、ことが課題として確認できます。

 特に、他メディアを意識すると「①媒体到達レベルでのプランニングをサポートするシステムの開発」は当社にとって優先度の高い課題と位置づけることができます。

■交通メディアの特性を加味した「ビークルに共通する指標」を整理する

Out Of Home Mediaに分類される交通メディアは『ある目的で移動する際に利用される自宅外接触型のメディア』であり、①ターゲットセグメンテーション性(ex. ビジネスマン・OL・学生・ファミリーが...)、②エリアセグメンテーション性(ex. 郊外⇔都市、都市内を...)、③反復接触性(ex. 通勤・通学、仕事、余暇・レジャー目的で利用し...)、④POPリーセンシー機能性(ex. 施設・百貨店などにも立ち寄る...)などの特性があります。また、交通メディアにはユニット(ex. 中づりの掲出は2・3日間、駅ばりの掲出は1週間など)、ネットワーク(ex. 線群や駅ばりセットなど)のような掲出特性があります。

 これらの特性を加味すると、交通メディアでは(輸送人員数や乗降人員数のようなパイの大きさを示す媒体普及データ以外に)...

 (1)性・年齢別や職業別ターゲットでの利用率データ(【図①】参照)

 (2)エリア(居住地や通勤・通学先)別ターゲットでの利用率データ(【図②】参照)

 (3)各路線一駅利用者の施設・百貨店利用状況や趣味一レジャー活動実態データ等(【表①】参照)

 (4)2・3日間、1週間での延べ利用率・累積利用率(Reach)・平均利用日数(Frequency)データ(【図③】参照)

 (5)線群や駅ばりセット単位でみた延べ利用率・Reach・Frequencyデータ(【図④】参照)

 ...などが必要と考えられます。

【図①】職業別でみた1日あたりの利用率(週平均)

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【図②】居住地別でみた1日あたりの利用率(週平均)

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【表①】各路線の利用者が最近3ケ月間に利用したデパート駅ビルなど

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【図③】営団日比谷線の3日間でのReach

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【図④】銀座線群の1日あたりの延べ利用率(週平均)

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■交通メディアの媒体計画に求められる指標(及びシステム)を整理する

 交通メディアの媒体計画に求められるデータ(及びシステム)は大きく3つに整理できそうです。

(1)各メディア共通の媒体到達レベルの指標で交通メディアの特性を加味した切り口のデータ

例えば...

   ●性年齢・職業・居住地・通勤通学先別でみた各路線や駅の1日あたりの利用率

●2・3日間、1週間でみたターゲット別延べ利用率、Reach・Frequency

●各路線や駅利用者のデモ樽性、ライフスタイル、商品・広告関与度、施設・百貨店利用状況、他媒体接触状況

●線群や駅(ばり)セット単位でみた1日の利用率、2・3日間や1週間での延べ利用率・Reach・Frequency、利用者プロフィール...など

(2)媒体到達レベル(路線・駅の利用率、延べ利用率・Reach・Frequency、利用者プロフィール)のデータを基にしたプランニングサポートシステム

(3)広告到達レベル(広告接触~心理変容)の客観的データ

■おわりに

 今回は「交通メディアの媒体計画に求められる指標およびシステム」を上記(1)~(3)のように整理いたしました。当社では、媒体到達レベルの客観的なデータである「ACR」の交通データ部分を加工して、①各メディアに共通する媒体到達レベルの指標で交通メディアの特性も加味したデータ集『Transit Media Report』、及び②媒体到達レベルのデータを基にした交通メディアのプランニングサポートシステム『Digital Transit Report』を開発する計画をすすめております。なお、詳細につきましてはあらためてご紹介させていただきます。

                     メディアマーケテイング局プランニング部 新妻 真

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