時間帯とメディア接触の関係 2000年MCR調査結果より

VRDigest編集部
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※本記事は2000年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 ビデオリサーチでは、'85年より4年に1度、生活者の行動を把握するために「生活行動調査」を実施してきましたが、'97年度の調査から①様々なメディアを取り巻く環境の変化をより細かく捉えたい②より細かい区分で集計したいということでメディアに関する調査項目を充実させ、調査対象者を拡大し『メディア環境調査(Media Contact Report=MCR)』としてリニュアルしました。この調査では、1人の対象者に、実際に行った「生活行動」と「日常生活やメディアに関する意識」を質問しています。また、'98年度の調査からは、さらに「商品や広告に関する関心や商品の利用状況」についての質問も加えました。

 この度、『MCR』としては第4回となる,00年6月調査の結果がまとまりました。

 なお、今回よりこれまで土曜・日曜を2回と木曜・金曜といった6日間の調査から、1週間の連続7日間の調査としております。このことにより平日の平均、1週間の平均という集計が可能となりました。そのデータを用いて、結果を紹介していきたいと思います。

 ある時間帯、人はどこにいるのか

 その時何をしているのか

 その時どのようなメディアにどのくらい接触しているのか

 このようなテーマに対して、MCRでは「行動率」「消費時間」という集計によって対応してきています。おおまかではありますが、生活の動きは、朝起きて→外出して→帰宅して→就寝です。

この生活の動きに沿って、上記のテーマをあてはめてみたいと思います。

 まずは、日常生活の中で最も基本的な「睡眠」「起床在宅」「外出」というこの3つの生活行動から「①人はどこにいるのか」をみていきます。ここで、この3つの生活行動は、今回、以下のように定義しておきます。

「睡眠」   原則としては単独の行動であり、他の行動やメディアの接触はできない時間帯

「起床在宅」 自宅内で行動ができメディアに接触できる時間帯

「外出」   自宅外で行動ができメディアに接触できる時間帯

【図1】は、6/5(月)~6/9(金)までの平日平均について調査対象者全体(男女10~69才)と平日の過ごし方が極端に異なる【自宅外で働く男性(事務職・労務職・経営管理職)】と【専業主婦】を比較したものです。毎60分の結果を用いておりますが、併せて下記の(A)~(E)の5区分にした時間帯で傾向を捉えていきたいと思います。

(A)5時台~8時台(B)9時台~11時台(C)12時台~17時台(D)18時台~23時台(E)24時以降

 自宅外勤務の男性は、早い人は6時台から外出しており、(A)の時間帯で自宅外は約75%になります。一方同じ(A)の時間帯で専業主婦は約90%が自宅内です。

【図1】睡眠・起床在宅・外出の動き平日(6/5(月)~6/9(金))平均

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【表1】時間区分ごとの主な生活行動と接触メディア平日(6/5(月)~6/9(金))平均

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【図2】時間帯と主な生活行動・メディア接触の関係平日(6/5(月)~6/9(金))平均

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(B)(C)の時間帯では、自宅外勤務の男性は大部分が「仕事中」です。専業主婦の方は家事・育児に追われ、生活の場所は異なりますが、共に忙しくしている時間帯です。自宅外勤務の男性の帰宅が始まり、起床在宅率が高まるのは(D)の時間帯です。21時以降は自宅内>自宅外となります。23時台で睡眠が5割近くに達し、以降睡眠が大部分を占める(E)の時間帯へと流れていきます。

 この【図1】によって、人がどこにいるのかを把握した上で、次に【表1】で「②何をしているのか」「③どのようなメディアに接触しているのか」を確認します。

 自宅外勤務の男性は、生活行動としては各時間帯で仕事中心ですが、メディア接触は時間帯によって異なり、多岐にわたっています。

 一方、専業主婦の場合、家事育児を中心に生活行動は様々ですが、メディア接触はテレビに集中しています。

 この【表1】だけですと、「時間帯⇔生活行動・メディア接触」がスコアの高い行動やメディアに引っ張られてしまい、見ていても単純なものになってしまいます。そこで「時間帯⇔生活行動・メディア接触」の関係を別な見方として表してみたのが【図2】です。

 ここでは1時間ごとの時間帯を1つのカテゴリーとして捉えた上で、コレスポンデンス分析という手法を用いて、時間帯⇔生活行動⇔メディア接触の関係を距離の近さ・遠さで表現してみたものです。前述の「行動率」という見方では確かに低いものであった生活行動やメディア接触もコレスポンデンス分析により時間帯との関係が見えくるのではないかと考えます。

自宅外勤務の男性の平日は、朝8時台まではTV視聴が最も高い接触メディアなのですが、この属性の24時間の中では、この時間帯での関係が強)リディアは新聞(朝刊)と表されています。8時台からの通勤時は、バスや電車の利用から交通メディアとラジオの接触。9時台~17時台までは仕事中心に時間が回っている様子が窺え、ビジネス利用と思われるインターネットとの関係が強いようです。19時台では雑誌や音楽、20時台以降の起床在宅が高まる時間帯からは、自宅でのTV視聴が中心で、しかもTV専念の時間帯です。生活行動としては、ゆったりとくつろいでいる時のようです。

 -方、専業主婦は時間帯⇔生活行動・メディア接触の関係が大きく3分割できます。朝と夕方の家事育児を中心とした時間帯でのラジオ。また、自宅外勤務の男性と異なり、TVのながら視聴が時間帯によって関係が強いことが表れています。10時台~16時台にかけての最も高いメディア接触は図1からするとTVなのですが、買い物や交際・つきあい等で専業主婦の中では外出が高くなる時間帯です。この場合、交通メディアとの関係が強くなります。

 時間帯とメディア接触の関係を確認しましたが、最後にその中での時間量(接触量)から「どのくらい接触しているのか」でその関係の裏付けをしてみたいと思います。自宅外勤務の男性、専業主婦での【図2】で注目されるそれぞれ2つの時間帯でのメディア接触時間量について【表2】で見てみました。【図2】で表れていたように、取り上げたメディアの接触は、関係が強かった時間帯において、1日

の中で占める割合が高いことが表れています。特に、その時間帯で行動をした人(当該行動行為者)ベースで見るとその傾向はより明確になっています。

「ある時間帯、人はどこにいて、何をして、どのようなメディアにどれくらい接触しているのか」今回は2つの大きく異なる属性の平日について取り上げましたが、別な性年齢・職業属性やあるいはメディアに対しての関与の違い(インターネット加入者有料放送加入者など)による見方や平日だけではなく土曜・日曜といった見方も可能ですし、行動率だけからは見えてこなかった時間帯とメディアの関係が、これまでとは違った形で表現することができ、そして、今後色々と特徴を見つけていければと思います。

【表2】1日の消費時間(接触時間)平日(6/5(月)~6/9(金))平均

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 さらには、この見方を発展させ、1日の中での時間の流れに沿った場合、『それぞれのターゲットがより多く接触することができるメディアの組み合わせ』といったものが見えてくることに期待できると考え、しばらくデータを眺めていこうかと思います。

                                媒体調査局 調査二部 橋本和彦

<調査概要>

  調査対象者 : 満10-69才の男女個人

  調査地域 : 東京駅を中心とする30km圏

  標本数指令 : 標本数2,600ンプル

'00年度調査有効標本数1,986サンプル

  調査時期 : '00年6月5日(月)~11日(日)の連続1週間

  ※10日(土)は公立小中学校の休校日を設定

  調査内容 : 生活行動(上記調査対象日に実際に行った行勤を15分単位の日記式で記入)

      日常生活・メディア・商品・広告についての意識

お知らせ

この秋、当社ではMCR調査を関西地区で実施し、関西地区での生活行動やメディア接触を、実態と意識の面から把握していくこととなりました。(調査概要は下記の通りです)

関東地区でのMCR調査を基本モデルとしますので、東阪データの比較も可能となります。

関東地区同様ご利用頂けますよう宜しくお願い申し上げます。

<関西地区MCR調査概要>

調査対象者 : 満10~69才の男女個人

調査地域 : 大阪府全域、京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県の主要地域

標本数 : 指令標本数1,600サンプル

調査時期 : '00年11月6日(月)~12日(日)の連続1週間

  ※11日(土)は公立小中学校の休校日を設定

調査内容 : 生活行動(上記調査対象日に実際に行った行動を15分単位の日記式で記入)

日常生活・メディア・商品・広告についての意識

※商標米国NCR INERNATIONAL INCORPORATED社(NCR社)所有の登録商標であり、株式会社ビデオリサーチは日本国内において本商標の使を許諾されております。

但し、本製品はNCR社とは一切関係ありません。

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