~2000年リニューアルの概要と新データ紹介~ ACR(Audience and Consumer Report)

VRDigest編集部
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※本記事は2001年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

 ACRは、1976年度に生活者の"媒体接触状況"と"消費・購買状況"を同時に調査する日本最大規模のシンジケートデータとしてスタートしました。

1992年度には、Windows対応の集計・分析ソフト「ACR for Win」をリリースし、より広く多くのシーンでご利用頂いております。

 近年の長びく不況やメディア環境の変化に伴い、ACRに対するニーズも、更に強くなってまいりました。

 そこでACR2000年度調査では、ACRユーザーの皆様のニーズにお答えすべく、調査項目とACR for Winのリニューアルを実施しました。

 今回はそのリニューアルの概要と、新たに調査されたデータをご紹介したいと思います。

Ⅰ)リニューアル内容の概要

 ACRユーザーの皆様や社内外からの要望のうち、2000年度調査に対応する課題として、以下の3点が挙げられました。

(1)データ記入精度の維持・向上

 シングルソースデータというACRの特性から、1人の調査対象者に比較的多くの調査項目を回答してもらうことになり、この点から調査精度の問題が指摘されるケースがあります。そこで、記入率の向上が図れないかというニーズがありました。

(2)媒体データの充実

 テレビ(地上波)・ラジオ(地上波)・新聞・雑誌の4媒体の他に、台頭の目覚ましいBSアナログ・CS・CATV・インターネット・交通といったメディアについての、更なるデータ充実を望む声も強くなってまいりました。

 また、雑誌は昨年私共がスタートした雑誌メディア調査との調査基準(ACRは1号・4号混在、雑誌メディア調査は2号統一)のすり合わせについて検討がなされました。

(3)ACR for Winの操作性の向上

 私共の営業社員や、ヘルプデスクを通じて、多くの要望が寄せられる中、今回は媒体選択とリザーブについての改善を中心に考えてみました。

 以上3点の課題に対し、今回ACR2000では次のリニューアルを主に実施致しました。

≪ACR2000課題とリニューアル内容≫

(1)データ記入精度の維持・向上

  →調査週を2週間に延長し、記入負担を分敵・軽減

  →ラジオ調査;番組情報の掲載、15分単位の記入

(2)媒体データの充奥~新媒体(BSアナログCS・CATV・インターネット)+雑誌・交通

  →BSアナログ・CS・CATV ; TV・その他届から分離

  →インターネット ; 利用率を新規調査・サイト別接触などデータ拡充

  →雑誌 ; 全誌2号調査化

  →交通 ; 駅利用(東阪名)を連続1週間調査化かつ路線利用とリンク

(3)ACR for Winの操作性向上

  →インターフェイス改善 ; 媒体選択画面など

  →機能追加・向上 ; リザーフ機能、接触判定など

 ACRでは、毎回調査項目やカテゴリのメンテナンスを行っていますが、基本的内容や調査手法については堅持してまいりました。そういった意味では、「スタート以来初の大規模なリニューアル」となりました。

Ⅱ)リニューアル結果のご紹介

 今回のリニューアルの結果、どんな改善がなされ、どんなデータが得られたのでしょうか。結果概要の項目を追ってご紹介してみようと思います。

(1)データ記入精度の維持・向上~ラジオ接触データの精度up

 ACR2000のラジオ平均聴取率を前年結果と比較してみると、まず全7地区の動向については、【図①】が示す様に、全地区で数字が増加しています。また、【図②】を見ますと、その増加も各時間帯バランスよくupしています。

 この結果から、今回のリニューアルにより、1つの指針である首都圏ラジオ聴取率調査よりは、やや低いものの、過去のACRラジオデータの時間バランスは維持しつつ精度向上がなされ、より使えるデータがご提供できる結果が得られたと考えています。

【図①】ACR「ラジオ時間区分平均聴取率」全局/週平均/個人全体

                                   1999年vs2000年比較

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【図②】ACR「ラジオ毎60分平均聴取率」全局/週平均/個人全体/東京30km

                                   1999年vs2000年比較

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 (2)媒体データの充実~新媒体(BSアナログ・CS・CATV・インターネット)+雑誌・交通

 a)BSアナログ・CS・CATV

 今回、TVの「その他局」から分離したBSアナログ・CS・CATVの接触データですが、まず、【図③】では、東京30㎞圏における各媒体の1週間のリーチ(接触到達率)をまとめています。

各加入者ベースのリーチは、BSアナログ(NHK+WOWOW)が4割弱、プラットホーム(CS+CATV)が3割に達しています。また、【図④】~【図⑤】には各媒体加入者のテレビ接触率1日の動きを追っていますが、特にCS加入者では(【図⑤】)、AM10時台、PM14~15時台、深夜0時台といった民放の接触率の谷間でCSが上昇し、いわゆるゴールデンタイムにおいても高い率をキープし、加入者に対する強いメディアパワーを示しています。

 今回からこの様な傾向も分析できる様になりました。

【図③】ACR「BSアナログ/プラットホーム(CS+CATV)1週間のリーチ(接触到達率)」

                       5分以上接触/週間/東京30㎞圏

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【図④】ACR「BSアナログ(NHK1・2)加入者のテレビ接触率」

                      60分毎の接触分数10分以上/週平均/東京30㎞圏

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【図⑤】ACR「CS(スカイパーフェクTV)加入者のテレビ接触率」

                      60分毎の接触分数10分以上/週平均/東京30㎞圏

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b)インターネット

 インターネットについては、今回より日記式利用率の測定を開始しています。更にR&F集計などのメニューにおいて"1媒体ジャンル"として後述の「交通」と共に加わり、リーチ【図⑥】やフリークエンシー(接触回数)や、平均利用率(【図⑦】)が算出できる様になり、分析の幅が広がっています。 日記式利用率については、利用場所別(自宅内、職場など)には測定していませんが、別途質問している「ふだんの利用場所」でターゲットを絞ることにより【図⑦】のような分析も可能です。

【図⑥】ACR「インターネット利用リーチ」5分以上1週間リーチ/東京30㎞圏

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【図⑦】ACR「インターネット利用率」60分毎の利用分数10分以上/週平均/東京30㎞圏

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c)雑誌

 雑誌は、前述の通り、これまでの「1号調査(最新号のみ調査)と4号調査(過去4号分調査)併用」から「全誌2号調査」に切り替えました。これに伴ない、全誌において1号→2号のリーチの伸びやフリークエンシーなどが把握できる様になりました。このリニューアルによるデータの変化について、1999・2000年共通で調査している雑誌289誌の雑誌毎の閲読リーチ(1号以上閲読)についての変化(差)を示したのが【図⑧】ですが、昨年1号→今年2号の雑誌は大部分がプラス、4号→2号の雑誌はプラス:マイナスが1:2と予想通りマイナスが多くなっています。

ただし、±1.0%以上の差が生じた雑誌は(16+8)=24誌(約8%)で多くはないと言えそうです。

【図⑨】ではこの全289誌のリーチの変化を示したものですが、全件で+3.7%と、他媒体とのバランスをくずすことなくリニューアルできたと考えています。

【図⑧】ACR「雑誌調査号数変更による変化(1)~雑誌毎の閲読リーチ(1号以上)の差

                   7地区/1999年&2000年共通の全289誌対象

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【図⑨】ACR「雑誌調査号数変更による変化(2)~雑誌全体のリーチ」

                 7地区/1999年&2000年共通の全289誌対象

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 d)交通

 交通データのリニューアルの1つに対象駅数の増加が挙げられます。【図⑩】で示した様に、3地区計でプラス700駅と充実しました。また駅データは今年より日記式調査をスタートしたことにより、月~日のリーチ(【図⑪】)やフリークエンシーが集計可能となり、前述の「インターネット」と共に、旧来の4媒体+新2媒体=6媒体として分析できる様になりました。また、駅データと路線データをリンクして調査した為、同じ「東京駅」でもJR7路線+営団の計8路線9駅(新幹線は2駅)に分けて分析することも可能となりました。ただ、【図⑪】でも示す通り、各路線合計の1週間リーチと、昨年の「1週間に1日以上利用」を同じ駅の合算で比較した場合、今年のリーチの方が少ないケースも見られました。しかし、1999年と2000年で同じレベルで調査した路線データには大きな変化が見られない(【図⑫】)ことから、今回「駅調査」を1週間連続で調査し、更に路線調査とリンクさせたことにより、精度の高い「駅データ」が得られたと考えております。

【図⑩】ACR「交通・駅 駅数の増加」                 (駅数)

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【図⑪】ACR「交通・駅 2000年東京駅(8路線9駅計)月~日リーチと1999年東京駅(JR or営団)1日以上利用率比較」

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【図⑫】ACR「交通・路線 束京駅含む7路線1日以上利用率比較」

                   *新幹線は1999年で調査していない為、対象外

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(3)ACR for Winの操作性向上~媒体ビークルの選択リザ⊥ブ機能を中心に

 ACR for Winもリニューアルに合わせて大幅なバージョンアップを行いました。いくつかご紹介したいと思います。

a)媒体ビークルの選択

 テレビ・ラジオ・新聞・雑誌に加え、交通・インターネットの6媒体の選択インターフェイスは、【図⑬】の様に1次元から2次元の選択画面に変更され、操作性が格段に向上しました。

 また、テレビ・ラジオ・インターネットについては、判定条件を任意で決められるようになり(30分毎の接触分数がa分以上、指定総分数のb分以上の接触、etc.【図⑬】A)、ゾーン指定(逆L型、朝ドライバー型、etc. 図⑬B参照)も一度にできるなど、新たな機能も追加されています。

【図⑩】ACR for Win「媒体選択画面の変更~(例)TV・RDインターネット」

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b)リザーブ棍能

 いくつかの質問を組み合わせるリザーブ機能については、リザーブ項目数のMAXを10から26アイテムに拡大、更にアイテム項目間条件の「(括弧)式】の指定(【図⑭】)を追加しました。

 手間のかかるリザーブも手軽にできるようになっております。

【図⑭】ACR for Win「リザーブ機能/アイテム項目間条件の(括弧)式と示す範囲」

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ACR for Winは上記a)、b)の他にも、多くのリニューアル・バージョンアップを実施し、操作性・機能性の向上を実現しました。

Ⅲ)ACR関連商品のご紹介

 今回行われた大規模なACRのリニューアル、及びACR for Winヴァージョンupが、ユーザーの皆様のご要望にいくらかでもお答えでき、またノンユーザーの方々にも新たにお役に立てることができましたら幸いです。

 ACRは今後も時代のニーズに則して進化していけたらと思っておりますのでよろしくお願いします。なお、ACRの関連商品も順次発行しております。是非、ご利用下さい。

 <ACR関連商品のご紹介>

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 *詳細は当社ホームページ(www.videor.co.jp)をご覧下さい。

 *商品に関するお問い合わせは、VRダイジェスト(本誌)巻末の電話番号、または各営業担当までお願い致します。

・<参考:2000年ACR調査概婁>

・調査期間 2000年5月15日(月)~5月28日(日)の2週間

・調査対象者 12~69才の男女個人

・調査地区及び標本数 東京30㎞圏............3,600指令、2,629有効

関西地区..................2,400指令、1,743有効

名古屋地区...............1,400指令、1,015有効

北部九州地区............1,200指令、865有効

札幌地区..................1,200指令、872有効

仙台地区..................1,200指令、875有効

広島地区..................1,200指令、854有効

・標本抽出法 2000年3月の住民基本台帳をフレームとした無作為2段抽出

・調査方法 訪問による質問紙留置法

媒体調査局 調査二部  井上 健

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