交通広告のプランニングをサポートするメディアデータを考える<その4>

VRDigest編集部
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※本記事は2001年に発刊したVR Digestに掲載されたものです。

~『Transit Media Report』発刊にあたり~

"『Transit Media Report』でみた交通メディアの利用者特性"のご紹介

■はじめに...

  私共ビデオリサーチでは、交通広告業界におけるデータニーズにこたえるため、2001年2月に『Transit Media Report』を発刊いたしました。本レポートは、ACR(関東地区)データを加工・分析したデータ集で、交通機関(路線・駅)を広告メディアととらえ、各路線・駅は「どのくらいの・どんな人達に・どのように利用されているのかが把握できる設計となっています。(さらに3月中には交通メデンアのビークルプランングを支援するパソコンシステム『Digital Transit Media Report』をリリースする予定です)

 そこで今回は『Transit Media Report』の発刊にあたり、本レポートでみた交通メディアの利用者特性の一部を紹介させていただきます。

■紹介する主な内容

 今回は、広告メディアに共通する媒体到達レベルの指標を「①パイの大きさ(利用者の量)」「②セグメンテーション性(利用者の質)」「③接触の習憤性(利用者の拡がりと利用頻度)」の3つに整哩し、それぞれについて交通メディアの粋性の一部をデータで紹介します。さらに、それらの指標を組み合わせることによって、どんな分析ができるか(→実務上、どのような場面でご利用いただけるか)もあわせて紹介します。

具体的な内容は、以下の通りです。

(1)交通メディアは都市生活者をどの程度カバーできるのか?

(2)各路線・駅の利用者にはどのような特徴の違いがあるのか?

(3)各路線・駅の利用者の拡がり(Reach)と利用頻度(Frequency)にはどのような特徴があるのか?

(4)本データは、その他どんな分析ができる(どのような場面で利用できる)のか?

■(1)交通メディアは都市生活者をどの程度カバーできるのか?

<グラフ1.1週間に1回以上、JR・地下鉄・私鉄のいずれかの路線を利用した人の割合>

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 まず、交通メディアは都市生活者をどの程度カバーできるのかをみてみます。グラフ1の個人全体(12-69才男女)をみると、58%の人が1週間に1回以上、交通機関(電車)を利用していることがわかります。さらにターゲット(職業)別でみると、学生や事務系の会社員など日頃の通勤・通学のアシとしても交通機関(電車)を利用している人達では、7割以上(特に大学生では9割)の人を1週間でカバーできるという結果となっています。

 交通メディアは、特定のターゲットに絞ってみるとマスメディアに匹敵するカバレッジであることがわかります。

■(2)各路線・駅の利用者にはどのような特徴の違いがあるのか?

  つぎに、交通メディアのターゲットセグメンテーション性(=利用者の質)についてみてみます。

<グラフ2.路線利用者の男女比と中心年齢でみたポジショニング>

vol393_02.jpg

グラフ2は、利用者のデモ特性(男女比と中心年齢)でみた各路線のポジションを示したものです。全体的な傾向として、利用者の中心年齢(縦軸)が20代後半~30代前半である路線では利用者の男女比(横軸)はほぼ半々であるのに対し、30代後半~40代前半へと中心年齢があがっていくと男性の比率が高まっていく(横軸が左方向立という分布を示しています。(背景として、30代以降では生活者に占める専業主婦の比率が高まるため、路線利用者の年齢があがっていくと、利用者に占める男性比率が高くなるということが予想されます。)

 交通メディアが強いターゲットゾーンおよび各路線が強いターゲットがわかります。

 グラフ3は、(コレスポンデンス分析という手法を用いて)利用者の購買意識でみた各駅のポジションを示したものです。

<グラフ3.駅利用者の購買意識でみたポジショニング(コレスポンデンス分析結果)>

vol393_03.jpg

 全体的な傾向としては、大きくわけて「左:買い物の際には、商品の性能・機能を重視し、事前にカタログで調べるという利用者粋性をもった駅」「右:買い物の際には、商品のデザイン・色を重視し、店頭で商品を選択するという利用者特性をもった駅」「上:買い物の際には、ブランドや流行を重視し、バーゲンなども積極的に利用するという利用者特性をもった駅」「下:買い物の際には、自分の考えを重視し、通販も利用するなどお店にこだわらないという利用者特性をもった駅」の4つに分類できます。

この分析の特徴は、各駅における効果的な広告表現(訴求メッセージ)に置き換えて考察することにありますも例えば、左側にプロットされている駅では、「商品の細かなスペックまで表現した駅ポスターのほうが購買意向喚起に寄与するかもしれない」という仮説がたてられます。

 交通メディアの利用者特性をもとに、効果的な広告表現についてもある程度の仮説がたてられるようになります。

■(3)各路線・駅の利用者の拡がり(Reach)と利用頻度(Frequency)にはどのような特徴があるのか?

  つぎに、交通メディアのReach・Frequency効果についてみてみます。

<グラフ4.利用者の拡がりと利用頻度による路線のポジショニング>

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 グラフ4は、1週間での累積利用率(1週間に1度でもその路線を利用した人の割合:Reach)と平均利用回数(1週間に1度でもその路線を利用した人の1週間での利用回数の平均:Frequency)で各路線をプロットしたものです。

 この分析の特徴は、路線(車内広告)のReach・Frequency効果に置き換えて考察することにあります。例えば、A路線などは平均利用回数(横軸)では15路線平均をやや下回っていますが、1週間に1度でも利用した人の割合(縦軸)が平均を大きく上回っており、利用者(車内広告接触者)の拡がりが期待できる路線であることがわかります。一方、F路線やⅠ路線は利用者の拡がり(縦軸)は平均をやや下回っていますが、平均利用回数(横軸)が平均を大きく上回っており、1回の車内広告掲出で利用者に複数回広告を接触させることが期待できる路線であることがわかります。

 広告目的(例えば、ターゲットを幅広くつかまえたい、ターゲットに何度も広告を接触させたい...など)に応じて、路線や駅が選択できるようになります。

■(4)本データは、その他どんな分析ができる(どのような場面で利用できる)か?

  最後に、交通メディアと他メディアのメディアミックスについて考えてみます;

<グラフ5.1日あたりの利用率と利用者のテレビ視聴分数/日でみた駅のポジショニング>

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グラフ5は、1日あたりの利用率と利用者の1日あたりのテレビ視聴時間で各駅をプロットしたものです。

この分析の特徴は、メディアミックスにおける交通メディアの役割に置き換えて考察することにあります。例えば、1日の利用率がほぼ同スコアの駅でも、「J駅・H駅・N駅などは1日あたりのテレビ視聴時間が短いため、テレビではカバーできないターゲットをつかまえるのに有効かもしれない」。一方、「L駅・G駅・O駅などは1日のテレビ視聴時間が長いので、テレビCMに接触したターゲットに駅ポスターでより詳しい情報を重ねて訴求できるかもしれない」ということがわかります。

 メディアミックスにおける交通メディアの役割(例えば、他メディアではカバーできないターゲットを交通メディアで補完する、他メディアでは訴求できない情報を交通メディアで補完する...など)に応じて、路線や駅を選択できるようになります。

■おわりに...

  今回は、"『Transit Media Report』でみた交通メディアの利用者特性(および活用事例)"を紹介しました。

 『Transit Media Report』は、次のような特徴を持った「交通メディア(路線・駅)の利用者を分析したデータ集」です。

  特徴① ビークルごと(各路線・線群・駅・駅セット)に、どれだけの都市生活者に利用されているのかをターゲット別で把握できるようになります。

 (例えば、A路線は学生での利用率が相対的に高い、B路線は会社役員・管理職での利用率が高い...など)

  特徴② ビークルごとに、利用者はどのような人達かを詳細なプロフィール項目で分析できるようになります。

 (例えば、C駅は男性・30代・既婚・給料事務職の比率が高く、平均世帯年収は1000万円強、金融への意識が強く、ものを選ぶ際には事前に情報収集する人たち...など)

  特徴③ ビークルごとに、広告掲出期間でみた利用者の拡がりと利用頻度を把握できるようになります。

  (例えば、D路線は1週間に1回以上利用する人は他の路線に比べて必ずしも多くはないが、利用者は1週間に何度もD路線を利用する...など)

  ぜひ、『Transit Media Report』を交通メディアの広告計画におけるさまざまな局面でお役立てください。

                   メディアマーケティング局 プランニング部  新妻 真

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